風力発電の被害を考える会 わかやま

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福島県川俣町との意見交換会

2022-06-01 17:06:47 | 風力発電事業計画

 5月17日、福島県伊達郡川俣町から、町議会御一行が和歌山にお見えになり、意見交換会を持ちました。議員さんたちは、福島県から和歌山へ、そして、次の視察地、兵庫県城崎郡温泉町へと、2泊3日で広範囲を移動され、さぞお疲れだったことと思います。

 意見交換会の様子は、youtubeで公開しております。当会は準備万端でこの日を迎えたはずだったのですが、際になって、会場のプロジェクターとPCがうまく連動しないというハプニングがあり、パワポが使えず、説明が至らなかった所があります。また、コロナ対策として全員、マスク着用をしていたため、声が聞き取りにくいところもありますが、ご覧ください。

いいたてまでいな太陽光(再エネ)発電所

 川俣町にはまだ風車はありませんが、川俣町との境界に極めて近い飯館村村有地に「いいたてまでいな太陽光発電所」(地図黄枠部分)があり、そこに2基の風車3.2MWが併設されています。この風力発電と太陽光発電を合わせたものはクロス発電といって、夜間や曇天、雨天など、太陽光発電がフル発電しない時間帯に風力発電の電力を送電して売電量を増やすことを目的とし、発電量が連携枠を超える時には風力発電の出力を制御するものです。この風車は2018年から設計、建設が始まり、2020年9月に運転を開始しました。

見えないはずの風車が見えた

 風車は飯館村役場から約5.8km、川俣町との境界から約74mの所に建設されています。毎日新聞(2020年5月、2021年3月)によると、川俣町は飯館村の風車建設にあたって、川俣町の景観への配慮を求めており、そのため、飯館村はコンサルタント会社に委託し、アセスを実施して、「(川俣)町からは見えない」と説明していました。しかし、建設工事が進み、川俣町からはっきりと風車が姿を現すようになって、飯館村は「環境影響評価に誤りがあった」と川俣町に謝罪することになりました。

 今、川俣町には飯館町にまたがる地域に二つの風力発電建設計画があります。また、周辺地域(地図 青色部分)にも二つの計画があり、川俣町は環境影響を受ける関係地域となっています。

 

 飯館村の風力発電で、アセスの杜撰さが明らかとなり、そして健康被害が川俣町住民に発生したことから、川俣町では予定されている建設計画に慎重になり、そのために遠路はるばる和歌山まで来られました。

 意見交換会の内容について

 当会との会合では、まず風力発電の低周波音により、健康被害を受けた方のお話、その被害に対し、地域の自治会がどのような動きを行ったか、そして、被害を繰り返さないため、和歌山各地で計画されている風力発電建設について、どのようにして、住民が問題意識を高めて、建設計画を阻止していったかを紀美野町、有田川町の方々がお話をされました。それに対し、川俣町議員の方から質疑もあり、活発な意見交換となりました。 

忘れてはならない、低周波音の被害者を!

 風力発電による被害は松尾さんにお話していただきました。松尾さんは、「風力発電の羽根の下でという当会制作のDVDでも悲惨な被害をお話してくださっています。

 私が初めて松尾さんにお会いしたのは2012年です。現在の松尾さんは、当時とは比べようがないくらい、お元気そうで何よりなのですが、家族に低周波音による健康被害を理解をしてもらえず、ひびが入って壊れてしまった家庭は10年たった今も、元に戻りませんでした。体調不良に苦しむ松尾さんに寄り添い、ともに避難することを選択したお子さんは、それ以来、父親や二人の兄とも疎遠となっています。

 風力発電建設には様々な問題がありますが、風力発電が建設されて、一つの家族が引き裂かれた事実、そして、他にも深刻な被害を受けている人々がいることを忘れてはならないと思います。


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