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絵本の楽屋   by 夏野いばら

「くじらクンがでたぞ!」                     古川タク:作・絵 教育画劇

「くじらクン」を見よ!

「ユーモアえほん」と銘打ってある。見開き11頁で、文章もとても短い。紙芝居のようにに、派手にページをめくって場面を動かしてやれば、幼い子供たちは笑って騒ぐだろう。「ヒゲおじさん、見て! くじらクンを、ちゃんと見てよ!」と。

とてもユーモラスで、とてもばかばかしい。ヒゲおじさんの姿は、写し鏡だ。すぐ目の前で起きている奇跡に気づけない、自分の姿。

新約聖書の中にも、「見よ」「見なさい」という呼びかけの言葉が、何度もでてくる。約二千年前のイスラエルでは、何千、もしかすると何万の人が、神の子キリストを見た。イエスが数々の奇跡を行われるのを、まさにライブで見た。しかしほとんどの人は、結局、それを奇跡とは認めなかった。

だからイエスは、そのような人々について、嘆かれた。
「あなたがたは聞くには聞くが、
決して悟ることはない。
見るには見るが、決して知ることはない。」  ーマタイによる福音書13章14節

そのあとイエスは、奇跡を認めたごく少数の人たちを祝福された。
「あなたがたの目は見ているから幸いです。」      ー同16節

笑い止まぬ子どもたちには、絵本を閉じてから、しずかに語りかけてみよう。
「だから、目をさましていなさい。いつの日にあなたの主がこられるのか、あなたがたには、わからないからである。」        ーマタイによる福音書24章42節
  
ヒゲおじさんは、くじらクンがいつ出て来るか、わからなかった。
            
やっぱり、私は、目をさましていたい。
「くじらクン」も、「キリスト」も、この目で見たい。

子どもたちと一緒に。 あなたと一緒に。


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