国連平和維持活動(PKO)と中東情勢

2006-11-30 13:47:07 | Weblog
国連平和維持活動(PKO)と中東情勢


国連憲章の第7章第42条で、安全保障理事会(安保理)は国際の平和と安全を維持または回復するために必要な行動をとることができると規定されている。これがいわゆる国連による「軍事的措置」である。さらに第43条で、安保理と協定を結んだ国連加盟国が必要な兵力などを安保理の要請によって提供することになっている。しかし、この国連憲章に基づいて正規の国連軍が組織されたことは一度もない。(朝鮮戦争における「国連軍」は、安保理勧告および総会決議に基づくが、国連の指揮に服する軍隊ではないため、正規の国連軍ではない)
国連憲章に規定される「国連軍」ではなく、紛争地域での停戦監視や兵力の分離などのために国連の要請で派遣される部隊を「平和維持軍(PKF)」とよんでいる。さらにこうした平和維持のための活動を「PKO(平和維持活動)」という。

現在、16地域でPKO活動が展開されている。(教科書P220参照)国連によるPKOによって紛争地域の平和が回復された成功例もあるが、武力介入によって失敗に終わったケースもある。

不安定な中東地域には、国連兵力引き離し監視軍(UNDOF ゴラン高原)、国連レバノン暫定駐留軍(UNFIL)、国連休戦監視機構(UNTSO) の3ヶ所で活動中である。とくにUNFILはイスラエルとヒズボラとの間の兵力引き離しを任務としていたが、今年7月のイスラエル軍によるレバノン侵攻により、事実上の活動停止状態に追い込まれた。その後、国連の停戦決議をイスラエルが受け入れ、レバノン領内から軍を引き上げた。しかし、パレスチナ問題を含めてこの地域の紛争は混迷を深めている。


国連安保理、レバノン停戦決議を全会一致で採択
【国連 11日 ロイター】 国連安全保障理事会は11日、イスラエルとレバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラに戦闘の停止を求め、レバノンに駐留している国連レバノン暫定軍(UNIFIL)要員を最大1万5000人に増強する決議案を全会一致で採択した。(2006/08/14 7:09)

※最新の中東・レバノン情勢については、「田中宇の国際ニュース解説」のここを参照してください。


(設問1)なぜ、イスラエル軍はレバノンに侵攻したのか。

(設問2)イスラエルの侵攻に対して、レバノン軍はどういう行動をとったのか。

(設問3)パレスチナ問題はどうなったのか。

(設問4)なぜ、国連はイスラエルの軍事侵攻に対して制裁措置をとらないのか。