第6問 次の文を読み、あとの問いに答えよ。
未成年者が犯罪事件を起こしたとき、警察や検察官の取り調べのあと家庭裁判所に送られる。家庭裁判所は、少年を少年( ア )に収容して事件の調査や各種の検査を行う。これを観護措置という。少年法に基づいて審判が行われるが、(1)改正少年法では、「故意に人を死に至らしめた罪」にあたる凶悪事件では、 A 送致が原則となった。
少年審判は非公開で、裁判官1名と家庭裁判所 B が前方に座り、少年と C が向かい合う形で行われる。審判では、( イ )などの施設への送致や< D >などの処分を決定する。
刑法では刑事責任能力を14歳以上と規定している。しかし、改正前の少年法では刑事処分は16歳以上と規定していたため、神戸児童殺傷事件の犯人である14歳の少年は刑事裁判にかけられず、医療少年院への送致処分となった。
この事件をきっかけに(2)少年法の見直し論議が強まり、少年法の改正が実現したが、最近の凶悪事件の増加で、ふたたび少年法改正の声が強くなる傾向にある。
問 1 文中の(ア)と(イ)にあてはまる語をそれぞれ下より選べ。(ア=36 、イ=37 )
①刑務所 ②観護所 ③少年院 ④拘置所 ⑤鑑別所
問 2 文中のA~Cにあてはまる語をそれぞれ下より選べ。 (A=38 、B=39 、C=40 )
①調査官 ②警察官 ③付添人 ④刑務官 ⑤検察官
問 3 文中の<D>にあてはまる語を下より選べ。 41
①禁固刑 ②保護観察 ③観護留置 ④精神鑑定
問 4 下線部(1)について、改正の内容にあてはまらないものを下から一つ選べ。 42
① 一定の重大事件については検察官を審判に関与させることができる。
② 必要があれば裁判官3名による合議制で審理を行うことが可能となった。
③ 少年審判の間、少年の観護措置期間を最大4週間から8週間に延長可能となった。
④ 被害者に対して、審判の記録閲覧など一定の範囲で配慮することを盛り込んだ。
⑤ 被害者側の申し出で、少年審判の席に被害者側代理人を立ち会わせることができる。
問 5 下線部(2)の「見直し論議」の中に「実名報道」の禁止規定がある。これは少年の権利保護という考えに基づくが主として憲法上次のどのような規定と対立するものであるか、一つ選べ。 43
①表現の自由 ②法の下の平等 ③人身の自由 ④思想・良心の自由 ⑤個人の尊重
第7問 次の文を読み、あとの問いに答えよ。
国民の司法参加を実現する目的で、2009年までに(1)裁判員制度を導入する予定になっている。これは一定の刑事裁判について事件ごとに市民から裁判員を選出し、裁判官との合議制で裁判を行うものである。日本でも戦前の一時期に( ア )制が実施されていた。現在、これに類似しているものとしては検察審査会がある。これは国民から無作為で審査員を選出し、検察官による A 処分の是非を審査するものである。
(ア)制はアメリカやイギリスなどで実施され、事実審理を市民が行い、量刑は裁判官が行う制度である。これに対して、フランス・ドイツなどで実施されているのは( イ )制といい、市民と裁判官がいっしょに事実審理と量刑を決める制度である。
問 1 文中の(ア)・(イ)に適当な語をそれぞれ下より選べ。(ア=44 、イ=45 )
①審査 ②参審 ③審判 ④弁審 ⑤陪審
問 2 文中のAにあてはまる適当な語を下より選べ。 46
①無罪 ②不起訴 ③執行猶予 ④観護 ⑤鑑定
問 3 下線部(1)「裁判員制度」の説明として正しくないものを下より一つ選べ。 47
① 裁判員は選挙人名簿から無作為抽選により選出する。
② 70歳以上の高齢者や学生を除き、原則として裁判員を辞退できない。
③ 裁判員として選出され、理由なく裁判に欠席すると処罰される。
④ 裁判員には裁判で知りえた情報について守秘義務が課される。
⑤ 公務員は原則として裁判員に選出されない。
第8問 次の文を読み、あとの問いに答えよ。
憲法第14条は「すべて国民は法の下に平等であって、人種、( ア )、性別、社会的身分又は門地によって、…差別されない」と規定している。この「社会的身分又は門地」とは家柄や出身による差別のことで、< A >差別はこれにあたる。また、在日朝鮮人やアイヌ民族への差別は( イ )に対する差別にあたる。
非嫡出子と嫡出子の< B >差別を認めた民法の規定をめぐる裁判では合憲判決が出されたが、「法の下の平等」という精神から疑問も多い。日産自動車定年差別裁判では、民法90条の公序良俗に違反するという判決が出された。また、(1)刑法200条の尊属殺重罰規定は最高裁で違憲判決が出て、その後条文は削除された。
問 1 文中の(ア)と(イ)にあてはまる語をそれぞれ下より選べ。 (ア=48 イ=49 )
①信条 ②信教 ③ ④人種 ⑤人身
問 2 文中の<A>・<B>にあてはまる語をそれぞれ下より選べ。 (A=50 B=51 )
①身分 ② ③相続 ④血統 ⑤家元
問 3 下線部(1)について、「尊属殺重罰規定」の説明として適切なものを下より選べ。 52
① 子による親殺しは死刑又は無期懲役となる
② 子による親殺しは死刑又は無期あるいは15年以下の懲役だが、すべて実刑となる
③ 親による子殺しは死刑又は無期懲役となる
④ 親による子殺しは死刑又は無期あるいは15年以下の懲役だが、すべて実刑となる。
⑤ 親殺しあるいは子殺しは共に死刑又は無期懲役となる
第9問 次の各問に答えよ。
問 1 憲法18条「奴隷的拘束及び苦役からの自由」について適切でないものを下より一つ選べ。53
①この規定は公権力だけでなく、私人間にも適用される。
② 懲役刑などの刑罰は18条に違反しない。
③ 徴兵制による兵役は18条の「苦役」にあたる。
④ 強制参加の労働奉仕は18条違反とはいえない。
問 2 憲法33条・34条「逮捕に対する保障」「捜索・押収に対する保障」について適切でないものを下より一つ選べ。 54
① 現行犯逮捕又は準現行犯逮捕は逮捕令状を必要としない。
② 逮捕状を発する司法官憲とは裁判官のことである。
③ 緊急逮捕や別件逮捕の場合は逮捕令状を必要としない。
④ 家宅捜索や所持品を押収する場合は別々の令状を必要とする。
問 3 憲法38条「供述の不強要、自白の証拠能力」について適切でないものを下より一つ選べ。55
① 自己に不利益な供述を強要されないというのが黙秘権といわれる。
② 不当に長く抑留・拘禁された後の自白は証拠とすることができないと定めている。
③ 自白が唯一の証拠である場合は有罪とされないと規定している。
④ 正当な理由なしに供述を拒むことはできないと定めている。
問 4 「罪刑法定主義」の原則について説明として適切でないものを下より一つ選べ。 56
① 憲法31条は法律に定められた手続きによらなければ刑罰を科せられないと定めている。
② 裁判で一度無罪とされた場合でも法律に違反している証拠が見つかれば処罰される。
③ 実行時適法とされた行為を後で法律に違反することになっても刑事上の責任は問われない。
④ 不正な行為であっても法律に定められていなければ処罰することは違法となる。
第10問 次の文を読み、あとの問いに答えよ。
第21条の「表現の自由」と区別される。第21条は、第1項で「集会、( ア )及び言論、出版その他一切の表現自由」はこれを保障すると規定し、さらに第2項で「( イ )の禁止」と「( エ )の秘密」を規定している。 しかし、この「表現の自由」は( ウ )の福祉との関係で議論が多い。たとえば、1999年に成立した「( エ )傍受法」は、犯罪捜査の目的で電話の盗聴や電子メールなどの傍受を一定の条件で認めるものであり、憲法21条の規定から疑問が多い。
問 1 文中の(ア)・(イ)に適当な語をそれぞれ下より選べ。(ア=57 イ=58 )
①印刷 ②検閲 ③組織 ④報道 ⑤結社
問 2 文中の(ウ)・(エ)に適当な語をそれぞれ下より選べ。(ウ=59 エ=60 )
①通信 ②公益 ③公共 ④報道 ⑤公衆
第11問 次の各設問の答えを解答欄に記述しなさい。
(設問1)「郵政民営化」法案は国会で成立しましたが、「民営化」にどのような問題があるのか指摘しなさい。また、その問題点について簡単に自分の意見を述べなさい。
問題点
意見
(設問2)小泉首相の「靖国参拝」について、憲法上どのような問題があるのか指摘しなさい。また、その問題点について簡単に自分の意見を述べなさい。
問題点
意見
(設問3)自民党の憲法9条の「改正案」について、どのような問題があるか指摘しなさい。また、その問題点について簡単に自分の意見を述べなさい。
問題点
意見
(設問4)「グローバリズム」について、必ず「村上ファンド」「M&A」の語を使って説明しなさい。
1年( )組 ( )番 氏名( )
未成年者が犯罪事件を起こしたとき、警察や検察官の取り調べのあと家庭裁判所に送られる。家庭裁判所は、少年を少年( ア )に収容して事件の調査や各種の検査を行う。これを観護措置という。少年法に基づいて審判が行われるが、(1)改正少年法では、「故意に人を死に至らしめた罪」にあたる凶悪事件では、 A 送致が原則となった。
少年審判は非公開で、裁判官1名と家庭裁判所 B が前方に座り、少年と C が向かい合う形で行われる。審判では、( イ )などの施設への送致や< D >などの処分を決定する。
刑法では刑事責任能力を14歳以上と規定している。しかし、改正前の少年法では刑事処分は16歳以上と規定していたため、神戸児童殺傷事件の犯人である14歳の少年は刑事裁判にかけられず、医療少年院への送致処分となった。
この事件をきっかけに(2)少年法の見直し論議が強まり、少年法の改正が実現したが、最近の凶悪事件の増加で、ふたたび少年法改正の声が強くなる傾向にある。
問 1 文中の(ア)と(イ)にあてはまる語をそれぞれ下より選べ。(ア=36 、イ=37 )
①刑務所 ②観護所 ③少年院 ④拘置所 ⑤鑑別所
問 2 文中のA~Cにあてはまる語をそれぞれ下より選べ。 (A=38 、B=39 、C=40 )
①調査官 ②警察官 ③付添人 ④刑務官 ⑤検察官
問 3 文中の<D>にあてはまる語を下より選べ。 41
①禁固刑 ②保護観察 ③観護留置 ④精神鑑定
問 4 下線部(1)について、改正の内容にあてはまらないものを下から一つ選べ。 42
① 一定の重大事件については検察官を審判に関与させることができる。
② 必要があれば裁判官3名による合議制で審理を行うことが可能となった。
③ 少年審判の間、少年の観護措置期間を最大4週間から8週間に延長可能となった。
④ 被害者に対して、審判の記録閲覧など一定の範囲で配慮することを盛り込んだ。
⑤ 被害者側の申し出で、少年審判の席に被害者側代理人を立ち会わせることができる。
問 5 下線部(2)の「見直し論議」の中に「実名報道」の禁止規定がある。これは少年の権利保護という考えに基づくが主として憲法上次のどのような規定と対立するものであるか、一つ選べ。 43
①表現の自由 ②法の下の平等 ③人身の自由 ④思想・良心の自由 ⑤個人の尊重
第7問 次の文を読み、あとの問いに答えよ。
国民の司法参加を実現する目的で、2009年までに(1)裁判員制度を導入する予定になっている。これは一定の刑事裁判について事件ごとに市民から裁判員を選出し、裁判官との合議制で裁判を行うものである。日本でも戦前の一時期に( ア )制が実施されていた。現在、これに類似しているものとしては検察審査会がある。これは国民から無作為で審査員を選出し、検察官による A 処分の是非を審査するものである。
(ア)制はアメリカやイギリスなどで実施され、事実審理を市民が行い、量刑は裁判官が行う制度である。これに対して、フランス・ドイツなどで実施されているのは( イ )制といい、市民と裁判官がいっしょに事実審理と量刑を決める制度である。
問 1 文中の(ア)・(イ)に適当な語をそれぞれ下より選べ。(ア=44 、イ=45 )
①審査 ②参審 ③審判 ④弁審 ⑤陪審
問 2 文中のAにあてはまる適当な語を下より選べ。 46
①無罪 ②不起訴 ③執行猶予 ④観護 ⑤鑑定
問 3 下線部(1)「裁判員制度」の説明として正しくないものを下より一つ選べ。 47
① 裁判員は選挙人名簿から無作為抽選により選出する。
② 70歳以上の高齢者や学生を除き、原則として裁判員を辞退できない。
③ 裁判員として選出され、理由なく裁判に欠席すると処罰される。
④ 裁判員には裁判で知りえた情報について守秘義務が課される。
⑤ 公務員は原則として裁判員に選出されない。
第8問 次の文を読み、あとの問いに答えよ。
憲法第14条は「すべて国民は法の下に平等であって、人種、( ア )、性別、社会的身分又は門地によって、…差別されない」と規定している。この「社会的身分又は門地」とは家柄や出身による差別のことで、< A >差別はこれにあたる。また、在日朝鮮人やアイヌ民族への差別は( イ )に対する差別にあたる。
非嫡出子と嫡出子の< B >差別を認めた民法の規定をめぐる裁判では合憲判決が出されたが、「法の下の平等」という精神から疑問も多い。日産自動車定年差別裁判では、民法90条の公序良俗に違反するという判決が出された。また、(1)刑法200条の尊属殺重罰規定は最高裁で違憲判決が出て、その後条文は削除された。
問 1 文中の(ア)と(イ)にあてはまる語をそれぞれ下より選べ。 (ア=48 イ=49 )
①信条 ②信教 ③ ④人種 ⑤人身
問 2 文中の<A>・<B>にあてはまる語をそれぞれ下より選べ。 (A=50 B=51 )
①身分 ② ③相続 ④血統 ⑤家元
問 3 下線部(1)について、「尊属殺重罰規定」の説明として適切なものを下より選べ。 52
① 子による親殺しは死刑又は無期懲役となる
② 子による親殺しは死刑又は無期あるいは15年以下の懲役だが、すべて実刑となる
③ 親による子殺しは死刑又は無期懲役となる
④ 親による子殺しは死刑又は無期あるいは15年以下の懲役だが、すべて実刑となる。
⑤ 親殺しあるいは子殺しは共に死刑又は無期懲役となる
第9問 次の各問に答えよ。
問 1 憲法18条「奴隷的拘束及び苦役からの自由」について適切でないものを下より一つ選べ。53
①この規定は公権力だけでなく、私人間にも適用される。
② 懲役刑などの刑罰は18条に違反しない。
③ 徴兵制による兵役は18条の「苦役」にあたる。
④ 強制参加の労働奉仕は18条違反とはいえない。
問 2 憲法33条・34条「逮捕に対する保障」「捜索・押収に対する保障」について適切でないものを下より一つ選べ。 54
① 現行犯逮捕又は準現行犯逮捕は逮捕令状を必要としない。
② 逮捕状を発する司法官憲とは裁判官のことである。
③ 緊急逮捕や別件逮捕の場合は逮捕令状を必要としない。
④ 家宅捜索や所持品を押収する場合は別々の令状を必要とする。
問 3 憲法38条「供述の不強要、自白の証拠能力」について適切でないものを下より一つ選べ。55
① 自己に不利益な供述を強要されないというのが黙秘権といわれる。
② 不当に長く抑留・拘禁された後の自白は証拠とすることができないと定めている。
③ 自白が唯一の証拠である場合は有罪とされないと規定している。
④ 正当な理由なしに供述を拒むことはできないと定めている。
問 4 「罪刑法定主義」の原則について説明として適切でないものを下より一つ選べ。 56
① 憲法31条は法律に定められた手続きによらなければ刑罰を科せられないと定めている。
② 裁判で一度無罪とされた場合でも法律に違反している証拠が見つかれば処罰される。
③ 実行時適法とされた行為を後で法律に違反することになっても刑事上の責任は問われない。
④ 不正な行為であっても法律に定められていなければ処罰することは違法となる。
第10問 次の文を読み、あとの問いに答えよ。
第21条の「表現の自由」と区別される。第21条は、第1項で「集会、( ア )及び言論、出版その他一切の表現自由」はこれを保障すると規定し、さらに第2項で「( イ )の禁止」と「( エ )の秘密」を規定している。 しかし、この「表現の自由」は( ウ )の福祉との関係で議論が多い。たとえば、1999年に成立した「( エ )傍受法」は、犯罪捜査の目的で電話の盗聴や電子メールなどの傍受を一定の条件で認めるものであり、憲法21条の規定から疑問が多い。
問 1 文中の(ア)・(イ)に適当な語をそれぞれ下より選べ。(ア=57 イ=58 )
①印刷 ②検閲 ③組織 ④報道 ⑤結社
問 2 文中の(ウ)・(エ)に適当な語をそれぞれ下より選べ。(ウ=59 エ=60 )
①通信 ②公益 ③公共 ④報道 ⑤公衆
第11問 次の各設問の答えを解答欄に記述しなさい。
(設問1)「郵政民営化」法案は国会で成立しましたが、「民営化」にどのような問題があるのか指摘しなさい。また、その問題点について簡単に自分の意見を述べなさい。
問題点
意見
(設問2)小泉首相の「靖国参拝」について、憲法上どのような問題があるのか指摘しなさい。また、その問題点について簡単に自分の意見を述べなさい。
問題点
意見
(設問3)自民党の憲法9条の「改正案」について、どのような問題があるか指摘しなさい。また、その問題点について簡単に自分の意見を述べなさい。
問題点
意見
(設問4)「グローバリズム」について、必ず「村上ファンド」「M&A」の語を使って説明しなさい。
1年( )組 ( )番 氏名( )