荒川のほとりにて

ボストンの理工系大学を卒業した社会人のたまごが社会の荒波にもまれるお話???

Graduate School Visit #3: Duke University

2006-04-03 | Campus Life
記憶が薄れつつありますが、Duke Universityの感想。

Duke大学はノースカロライナ州にあります。東海岸の南のほう。バージニア州の下だから、地域的には南部に属します。(だから、州全体は超保守。でも、DukeやUniversity of North Carolina, Chapel Hillがあるあたりは、めっぽうリベラルで、Liberal Islandと呼ばれたりするらしい。)

で、Dukeはどんなところだったかというと・・・

- 車社会へようこそ
アメリカに来て初めて車がないと生活できない場所を体験。だから、大学も空港まで大学院生のホストが迎えに来るほどの接待ぶり。(というより、迎えが来ないと大学にたどり着けないのよね。)滞在中は、どこへ行くにも車で運んでくれたから良かったけど、ここは車がなかったらすごーく生きにくいんだろうなあ、としみじみ実感した。道はハイウェイばかりで、歩道もついてないし。買い物も徒歩圏内で行けるお店は大学内にしかないし。でも、運転はボストンよりもはるかに簡単そうでしたよ、うん

- Southern Hospitality
南部の人は北部の人より熱心に客をもてなすらしい。
「らしい」というのは、Southern hospitalityという言葉は南部に来て初めて出会ったから(笑)。
今回の旅行では歯ブラシを持ってくるのをうっかり忘れてしまった。
ホテルのフロントに聞くと、備品を切らしていて、一番近いドラッグストアに行くのにも車がないと行けないと言う。
「あの、僕の車、貸すよ。」となんと自分の車を貸してくれようとするフロントマン。
いえいえ、免許を3日前に取ったばかりですから、と辞退すると、「僕は信用するよ。君さえ一人で運転しても大丈夫だと思えば。」
・・・ひょ、ひょっえー。きっと彼は自転車を貸すくらいの感覚で車を貸しているに違いない。びっくりですよ、びっくり。
しかし、どう考えても私は運転できない。夜にディナーに連れて行ってくれた教授に恥をしのんでお願いして、帰りにスーパーに寄ってもらうことに。
ありがとう、ありがとう、せんせい。
と感謝していると、同乗していたほかの学生が、「こんなSouthern hospitalityはボストンにはないだろう。」と得意気に言った。
・・・いえ、いえいえいえ、ボストンでは歯ブラシくらい車がなくても買えますから!

というと、なんだか誤解を生みそうだけど、実際Dukeの人はボストンよりも親切にしてくれました。みんな良い人たちだったなー。

- 土地はひろびろ
Dukeで一番びっくりしたのは・・・土地が安い!!
タウンハウスが1000万円代で買えちゃうというからびっくり。
ノースカロライナに住むポスドクの友人が、ノースカロライナ州では、学生は大学院に入ると、結婚して家を買う、と言っていたけど、確かにこの安さなら買っちゃうかも・・・。実際、大学院入ってから結婚して家を買ったカップルを少なくとも4組は見たぞ。。。おそるべし、アメリカの郊外リッチライフ!

- 人ものんびり
ノースカロライナでは、1日40時間くらいあるに違いない、と思うほどに、ここではすべてがのんびりしてました。
道を間違えて30分余計にかかっても、大丈夫、大丈夫。
1時間の電気泳動だってのんびりおしゃべりしながら待てるのさ。
研究室には一日12時間くらいいるけれど、
毎日、のんびり、のんびり。
けっこう幸せです

・・・あー、くーー、私のボストンでのストレスフルなせかせかした生活はいったいなんだったのでしょう。うらやましすぎる、この生活!

- 大学の命はバスケです
来るまでは知らなかったけど、Dukeのバスケチームは強い。全米一に強いみたい。アメリカの大学バスケチームで一番、ということは、NBAコースまっしぐら、ということだから、余程レベルは高いに違いない。
でも、それよりもびっくりなのは地元民(学生含む)のバスケに懸ける情熱!
まず学生でない人は、チケットは取れないと思ったほうがよい。
なぜなら、バスケチケットはシーズンチケットしか発売されず、購入権を買う抽選に入るだけで最低5000ドルの寄付をしなくてはならず、それでも一度購入権が当たった人は死ぬまでその権利を手放さないため、購入はミラクルに近いくらいに難しいのです。
だから、Dukeでは教授にとってテニュア(終身雇用職)を取るより、バスケのチケットを買うほうが難しい、というのは有名な話。
学部生は、毎年別枠で「先着順」にシーズンチケットがただでもらえる。ならば、並べばいいだけじゃん、と思うかもしれないが、この先着順も半端じゃない。な、なんと、3ヶ月以上も前から人々は並び始めるのです!!
Oh no...
まあ、シーズンチケットを一人で取ってもしょうがないから、10人くらいのグループで順番にテントで寝泊りをするらしいんだけど(複雑難解なルールによってこの先着順列も管理されていて、常時人がいないといけないらしい・・・。)、もう並ぶのが楽しくてやってるとしか思えません。・・・ま、きっとそうなんだろうけど(笑)。

- 切れ者の先生もいたりして・・・
のーんびりした大学の雰囲気のせいか、先生方ものんびりしている方が多かった。「へえ、学部で日本から来るなんてすごいねえ。」と身の上話を聞いてくる先生。私の研究への夢をのんびり聞きながら、「頭、切れるんだね。」とぽつりと言った先生。身構えていた私としては、ちょっと拍子抜けだったけど、それも大学があまり競争させてない証拠なのでしょう。

が、が、そんな環境でも、切れ者でバリバリ働く先生はいるもので、それが私にDuke受験を決意させてくれたPhilip Benfey教授。彼は、本当に、すばらしく恐ろしくべらぼうに頭が切れる先生でした。研究のストーリーも極めてロジカルだし、クリエイティブな上に王道を行く研究だし、プレゼンも質問の受け答えも、パーフェクトで、「この先生なら、手となり、足となり、尽くしてもいい。」と思うほどにべた惚れしました。

と、そんな話を、夕食会で別の女性の先生に話したら、「あ、あの先生のダンディな顔に惹かれたんでしょ。」とばっさり切られたけれど
それでも、私は主張したい。
顔で選んだんじゃありません!
(たしかに顔もかっこよかったけど。)

- ノースカロライナってサイコー
今回は、訪問中のホストがとにかく親切だった上に、大学訪問後にノースカロライナ観光に連れて行って下さった方のツアーコースがすばらしくて、とってもノースカロライナLOVEになってしまいました。教授として働くなら、こういう環境が一番なんだろうなあ。子育てもしやすそうだし、なによりあくせく競争してないところが、とても良かった。
でも、大学院としては、環境がぬるすぎる。
・・・そう思う時点で、私にスローライフは送れないのかなあ・・・(おろおろ)。

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