熱海を代表する宿として多くの日本を代表する文豪たちに愛されたという「起雲閣」へ行ってきました。
この建物は大正8年に船舶事業で財を成し海運王(明治海運)と呼ばれた内田信也の別荘として建てられ、その後(大正15年)鉄道王の異名を持つ根津嘉一郎の手に渡り、
さらに昭和22年には実業家の桜井兵五郎が「起雲閣」として旅館を経営され、その時のお客には山本有三、志賀直哉、谷崎潤一郎、太宰治、船橋聖一が宿泊されているそうです。
その後旅館が廃業とり平成12年からは熱海市の所有となり、一般に公開(入館料500円)されています。
文学にはまるっきし縁の無い私ですから、文豪には興味が湧きませんが、贅を凝らして建てられた建築物に些か興味があり見学してまいりました。
純和風の建物
落ち着きがあっていいですね~。麒麟と名付けられています。
ここのガラス戸はイギリスのVITAガラスで光が揺らぎ柔らかい温もりが感じられます。
現在のアルミサッシと違い木枠の窓ガラス戸は味わいがあります。
こちらは洋館で床がタイルとなっています。
タイルといってもそこんじょそこいらのタイルではないそうです。京都の池田泰山作で一枚一枚焼いているそうです。
綺麗な色をしていますが、床は温もりのある無垢の木が良いです。
綺麗な色をしています。
今でいうサンルームなのでしょう。
天井がステンドグラスになっていますね~。
玉姫から見た中庭です。
麒麟二階から見た洋館の建物 玉渓、玉姫
玉渓の暖炉
チョウナで削った木材でしょうか?
玉姫
食堂として使われていた部屋だそうです。
清水建設による建築で、桃山風の天井、長押を廻した真壁、欄間など和風仕上げです。
金剛
暖炉上方、白い穴のような部分ををよく見るとスペード、ハート、ダイヤ、クラブなどの螺鈿細工が施されています。
ステンドグラス
ぐるーっと回って、はなれの孔雀の間 和みます。
欄間は一本ものだそうです。
木枠のガラス戸越しに中庭を見ます。
暖かくなったらこの縁側で、のんびり大の字になって寝てみたいですね。
今はビルの谷間に取残されてしまった「起雲閣」ですが、建てた当時は熱海の海が目の前に広がっていたそうです。
伊豆の発展にもつながる温泉街「熱海」の更なる発展を願っています。
2012.2.2 13:00
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