3DSの自動ボタン押し器を作ったあと、
セットして寝ていたら寝ている間に電池が切れて
動作がとまっていました。
これをどうにかしたいと考えて、思いついたのが半永久電池です。
3DS自体、寝ている間に電源がきれるかもしれないので電源は必須です。
それと同じ電源を利用し、電池代わりになるものがあれば
とても便利になるでしょう。
そこで思いつくのは、汎用電源であるUSB。
USB 5Vを電池の1.5Vに変換して使えれば、
USBポートさえあれば3DSもボタン押し器も
ずっと動かすことができるのです。
というところで、5Vを1.5Vに変換する回路図を探し、
中身を多少理解し、真似て部品を注文して回路を組みました。
でも、同じ回路でふたつ作ってみたものの、どちらも動作しません。
テスターで導通を確かめても、電気は通るようです。
でも線をつないでみても豆電球すらつかない原因は――
・USB電源が、自作電池もどきの動作電圧に達していなかった
・わたしがはんだ付けの際の熱で部品を壊した
・そもそもの回路図が間違えていた
あたりのどれかだろうと結論付け、部品を封印したのが前回までのあらすじ。
今回、駅前のダイエーが閉店してしまうということで、
中のお店でセールをやっていました。
そこで出ていたのが、デジタルテスターとデジタルクランプメーターです。
電子工作には必須だとかつて読みました。
どちらがどうなのかよくわからなかったので調べてみたところ、
デジタルテスターが電子工作用、
デジタルクランプメーターがビルなどの
大きくて太い回路、強い電流用だと書いてあったので、
デジタルテスターを買いました。
デジタルテスターは、電気関係のいろいろなものが
デジタル表示されるものです。
買ったら使いたくなるもので、いろいろあって、
封印していた電池もどきを引っ張り出しました。
交流電源-USB電源変換器に先端を差し込むと、
5.0Vと表示されます。電圧は間違いないようです。
こうなるとあやしくなるのがわたしの回路。
この、半永久電池、電池もどき、USB電池のチェックに入ります。
最初はどう調べたいいのかわからなかったので、導通を調べました。
もちろん前回調べたとおり、導通はあります。
でも、最初大きな数値が出たあと、
どんどん小さくなって導通がなくなってしまう箇所もありました。
これがどういう意味かわからず、
コンデンサが蓄電をはじめるために
電気が通らなくなるのかといったんは納得させました。
けれどその後、電圧の計り方モードの使い方がわかってきたので、
もう一度図りなおします。
通電した状態で電源の+と-をバイパスさせて計ると5.0Vなら、
回路に入るところのむき出し導線を計っても5.0Vのはずです。
そのままGND線に片方を置いて、電流の通りに+の先端を沿わせても、
5.0Vは出続けるはずです――が。
あるところで5.0Vから急激に減り、0Vになります。
なんなのかとよくよく基盤を見たら、はんだ不良でした。
片方の導線ともう片方の導線が、導線同士接触しているのですが、
二つは奇跡的な見た目と位置で、まったくはんだがついていなかったのです。
そこで、それをはんだづけ。
チェックを続けていったら、変換部品のあとの回路で5.0Vが
1.48Vくらいになっていました。
参考の回路図は正しかったのです。
まさか本当に5Vが1.5Vになっていたなんて、
数字を見て図の作者にあやまりながら、本当に感動しました。
それでも実際の動作部品につなぐ線の先をチェックすると
導通がなかったため、内部の断線も原因かと思ったのですが、
しばらくチェックしていたらなぜか導通が起こりました。
その状態で試しに豆電球を当ててみると――光りました!
とうとう電気が通じたんだ、1.5Vなんだとまた感動しながら
ボタン自動押し器のモーターに接続してみたところ、
モーターは充電池の時よりも軽快に動き始めました。
これで完成です。
◆◆画像14-02-15◆◆
いっときは動作しないとがっかりして封印していたのに、
デジタルテスターによって失敗箇所が特定できて
直すことができたのでした。
さて、もうひとつ、半永久電池基盤が残っています。
一つ目の回路図が正しかったということは、
こちらにもなにか物理的なミスがあるのでしょう。
……という目で見ていたら、意外と早く断線を発見しました。
導線を使うのが面倒で、コンデンサや抵抗の足を
導線にするように折り曲げて半田付けしていたのですが、
そのうちの一本が離れた位置で終わっていました。
それを修正して半田付けしたら、こちらも動作するようになりました。
いままで、アナログテスターでは導通くらいしか
調べることができませんでした。
でもデジタルテスターは、ダイヤルを使うモードに合わせるなど
使い方がちょっと難しいですが、
何を調べているのか、電圧はどれくらいあるのか、
電流はどれだけあるのかが、
数字で表示されるのでわかりやすく、とても扱いやすいです。
ダイエーの閉鎖はわたしとデジタルテスターの出会いをもたらしました。
なお、作るのには一個八時間くらいかかりました。
回路自体はそう難しくはなかったのですが、
動作機器の電池ボックスに差し込んで使えるようにする、
ダミー電池づくりにすごく手間取りました。
5V→1.5Vや3V変換機はどうしても作るのが面倒で
買いたい方は作れますのでどうぞ。