直列☆ちょこれいつ

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レビュー:ゲーム『桜坂消防隊』

2010年10月11日 | レビュー系



PS2のゲーム、『桜坂消防隊』をやりました。
ストーリーモードで全面Sをとるところまではがんばりました。

ゲームとしては、火災の火を敵として、
ホースの水という銃を撃ち、火を消していくという、
3Dのサバイバルやバトルものといった感じのものです。
敢えて言うなら、バイオハザードやメタルギアソリッドで、
銃で敵を倒す雰囲気といったところでしょうか。
個人的には、バイオハザードのおまけステージの、
マーシナリーズが一番近い感じがしました。

ゲーム自体は、発想がおもしろく、システムもおもしろいです。
燃え落ちる前に消火をしてまわり、
残り火があると燃焼が進み、一部屋完全消火すると
その部屋はもう燃えないというのも、
ゲーム性として、よかったです。

ただ、問題は、マップの難易度です。
ただクリアするだけなら、ゲームオーバーになることもありますが
数回の挑戦でクリアすることができます。
この手のゲームとしての難易度は高くありません。

けれど、実はこのゲーム、マップにはそれぞれ
アイテムが落ちています。
また、マップごとに最終面で評価が出てきます。
このアイテムの集め方と評価によって、
エンディングのすっきりさが変わってくるのです。

事件に巻き込まれた消防士の主役が、
その事件の真相に迫っていくというのが
ストーリーとなりますが、
適当にプレイして適当にクリアしていただけでは、
『事件はなんとなく始まって、なんだか終わっていました』
というわけのわからないエンディングにしかなりません。

ゲームうとしてはよくても、ストーリーはめちゃくちゃだなあと
攻略サイトを見たら、点数などによってルートが変わると
書いてあるのを見つけて、
はじめて別の可能性に気づいた次第です。
ここらへんの情報は、最初か、もしくは
最高エンドを迎えられなかったときにでも
出してほしかったと思います。

また、最高エンドへ向かう条件である、
マップでの高得点の出し方も、出しておいて欲しかったです。
わたしとしては、消防士なので、
時間内に消火率を100%(延焼率を0%)にすることが
何より重要だと思っていたのですが、
実は鎮火よりも、閉じ込められていた要救助者を早く救い出し、
建物は最低限消火して逃げ出すほうが
評価が高くなると知ってがっかりしました。

それを意識して、アイテムをきちんとひろいつつ、
火もできるだけ消しつつ、人命救助と建物からの脱出を
すこしでも早くする、というプレイをすると
適度な難易度になりました。
条件が最初から提示されることで
おもしろさがあがるゲームというのはあると思います。

その他、ゲーム内で残念だったのは、
常に目指すのがそういうプレイだったことです。
どうせならステージごとに特色を出すために、
最初にミッションでも出てきたらよかったと思いました。
たとえば、『どの部屋の延焼率も70%にせずに鎮火せよ』や
『完全消火せよ』、『要救助者を意識があるうちに
発見して救助せよ』といったものです。

あとは、マルチエンディングらしいですが、
基本的にはルートが一本なのが残念でした。
たとえば、小説で言うなら、推理小説の
種明かしの章が三つつに分かれていたとしましょう。
クリア時にプレイヤーの評価がAだったらその章を全部読めて、
評価がBだったら二つめまで読めて、
評価がCだったら一つめまで読めて、
評価がDだったら何も読めずにゲーム終了、
というような形式です。

これは、マルチエンディングとしっかり言えるタイプの、
マルチエンディングではありません。
これならたとえば、拾ったアイテムや評価、推理によって
放火犯自体が変わって行くような仕組みにして欲しかったです。
そしてそれにより、ステージの建物自体が、
それぞれのルートでしかできないものになるとか、
ステージの順番や難易度が変わっていくとかしていけば
おもしろかったのにと思います。

その他、システム面を見ると、
まず、カメラ視点が気持ち悪い事がたびたびあります。
狭い部屋で消火に入ると、
カメラは主役の背中にゆっくり寄っていくので、
最終的にはカメラには主役を挟んだ壁しか
見えないということも起こります。
また、カメラの移動が遅いため、
カメラ視点を変更しようとしてもなかなか動かず
いらいらすることもままありました。

次に、セーブできるタイミングが微妙です。
ひとつの章が終わったところでセーブできますが、
セーブ後、次の章へ移ったあとで、
前の章のアイテム鑑定の結果や手紙などが届きます。
それを見た後、セーブすることはできずに
次のステージに入ってしまいます。

ステージでは高いランクを取ろうと思うと、
リセット作業は必須になります。
でもリセットをすると、始まるのは章の頭から。
消火活動に入る前に、またアイテム鑑定の結果や
手紙の受け取りなどの文字が入るのです。

せめて、イベントなどが終わってから
セーブできるようにして欲しかったです。
また、ステージ中にロードできるなりの配慮も欲しかったです。
ロードがないために、失敗したと思ったら
主役が炎の中に飛び込んで任務失敗し、
やり直すしか手はありませんでした。
わたしはそれだけで丸2日かかりました。
クリア後に、記録されたプレイ時間が
8時間ちょっとであることに気づいて愕然としました。

それに、イベント関連はスタートボタンでスキップできるものもあれば
ページめくりボタンを押して、会話を進めないといけないものもあり、
その混在がめんどくさかったです。
どれもスタートボタンで飛ばせるようにして欲しかったところです。

その他では、絵が残念でした。
ステージ中動く、小さな3Dグラフィックの人はいいのですが、
章の中で会話する、大きな3Dの顔は表情も特になく、
かくかくと口だけ動く感じなのはもったいなかったです。

それから、装備の差。
インパルスは空気をためているときに
衝撃を受けると、圧縮がすべてなくなるのが微妙でした。
ほかにも、インパルスとホースでも、
行動に違いがないのは気になりました。
たとえばホースを装備したキャラは、
通常より動きが遅くなるとか、
通り道に炎があると使えなくなるとか、
あまりに炎を受けるとホースが切れて消火できなくなるとか、
ホースとインパルスで大きな差があっても
いいのではないかと思いました。
今のままでは、インパルス装備を強要されているステージは
単なる嫌がらせのようになってしまっています。


全体的に見るとシステム面では不満が残りましたが
ゲームとしては面白かったです。
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