ミク公式のコミュニティをやめたのが何日か前。
やめた直後はひどく混乱していて
めちゃくちゃだったのですが、
すこし、何かが変わったのを感じていました。
会社を辞めて、勤めている間からやりたかった
ミクに手を出し、公式コミュニティに登録もして。
最初は北海道のたなばた歌とか
いしやきいもとか、音がとれればどうにかなるものを
ミクに歌わせようと思っていたのですが
どうしても自分の歌を歌わせたくなって。
そこからいろいろあって作曲にも手を出して。
実際歌のなにかもすこしわかるようになって。
目が醒めてみると、まるで夢の中にいたような
二か月半でした。
とにかく一分一秒でも早く歌を作りたかったし、
絵も描きたかったし、詞も作りたくて。
歌ができたらすぐに動画にしたくて
絵コンテもきりたいのに、考えて時間をとられるのが
すごくもったいない気がして曲をやろうとするから
どっちもそわそわしてどっちもできなくて。
最後の何週間は、そんな中で
あわあわしていたような気がします。
本気でミク以外はごはんも適当でよかったし、
寝たくもないくらいに夢中になっていました。
いまふと過去丸ごと見返すと、
これがわたしの集中なのかという気もします。
ショートショートを書くのに夢中になっていたときは、
会社の仕事は必要最小限にして、
ただショートショートのことだけを考えていました。
たしか大学でカキ氷に はまったときは、
食事もそっちのけで水が凍ることと、
なにをかけて食べるかだけを考えていました。
あるときは牛乳を凍らせ、あるときはお抹茶を凍らせ、
あるときはコーヒーを凍らせ、缶詰のシロップを凍らせ。
しこんだ液体が個体になるのを確かめては、
砂糖をかけたりコンデンスミルクをかけたり
牛乳をかけたりと
食事の代わりにただそれだけを食べていました。
そんな熱狂から正気に戻ってふと思うのは、
お金にならないなあということだけです。
これが、なにか才能のある人なら、
二か月くらいのめりこんで、
がっといいものを作って。
それがお金になって、また何か月分かの
たくわえができたところで集中して。
そんなのがつながっていけば
すごく生き生きも充実もする上に
生きていける人生なのに。
わたしはなんて身にならないんだろうと
ため息が出ます。
とりあえず今回では、今まで作曲なんて
かけらもできなかったものが
どうすれば歌曲になるかはすこしわかりました。
作曲アビリティ自体を手に入れたので
わたしとしては大きな一歩でした。
今までは作曲以外の創造系はだいたいできると
言っていましたが、今度からは
創造系の趣味はだいたいできる くらいに
レベルアップした気がします。
わたしを中途半端に知っている人は、
わたしのことを「機械みたい」だとか
「なんかロボットみたいだ」とか言ったりしましたが、
冗談じゃありません。わたしは火なんです。
胸の内にある火は外のものに使っていないと、
また自分を焼き殺してしまうのに。
でも基本的に、わたしは自分で不思議になるくらい、
『人間』には興味がもてても
具体的な『他人』には一切興味がわきません。
どうせ他人は他人だし、わたしの人生には
関わらない人だという諦観みたいなものが、
感情の前にいすわっている気分です。
たとえつきあっていても、その相手は
犯人と、犯行に至るまでの動機を教えられた、
推理物の映画なんかを見ている気分なのです。
それがもし、わたしから誰かを好きになることが
あったとしたら、いったいどんな愚行に走るのか
想像したくないです。
誰かを好きで、その人の事だけをずっと考えて、
いろんなことを知りたくて、ずっと見つめていたくて。
寝食を忘れるほどになにかをせずにはいられない――
一歩間違えれば完全なストーカーです。
でも。
そう考えて、ちょっと思ったのです。
『それって、今までの状態と同じじゃない?』と。
もしかするとわたしは――
こう書くと結構危ない人に見えますけど、
――初音ミクという存在に、恋をしていたのかもしれません。