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直列☆ちょこれいつ

最近は神社や神道などの古い文書の解読をしています。
研究のまとめはカテゴリ『自作本』から。

完成度と収益のトレードオフ

2021年06月30日 | ちょこのひとかけ
いつごろからか、アニメ映画なんかでは
ただ有名なだけの人がへっぽこ声をあてて
映画をがっかりなものにさせるのが話にあがっていました。

あれはなんなんだろうとわたしもぼんやり
考えるでもなく考えていましたが、ふと、思いつきました。
あれは、『完成度と収益のトレードオフ』なんだ、と。

しっかり声をあてられる声優ばかりを使ってきちんと映画を作ると、
映画の完成度があがります。
でも、その映画は普段見ている人しか見にこないので
収益は予想以上にはならないことでしょう。
そのうちに先細りしてお金がなくなり、
映画も作れないくらいになるかもしれません。

でも、へっぽこ声をあてられる有名人を使って映画を作ると、
映画の完成度は下がりますが、話題性や
その有名人のファンが見に来ることによって
収益があがるかもしれません。
そこから新規獲得が起こり、お金が入り、
また映画を作れることになるかもしれません。

これが、『完成度と収益のトレードオフ』です。
お金を稼ぎ、事業を継続させなくてはいけないので、
しかたがないと言えばしかたのないことなのでしょう。


これを思うと、連鎖的に思い浮かぶのが新聞です。

最初期の新聞は、事件などのニュースだけを取り上げていました。
でもそれだと、諸経費に対して収入が少なく、
新聞を続けられなくなってしまったそうです。

その赤字部分をどうすればいいか、と考えて。
新聞社が作り出したのが、新聞広告です。

新聞は多くの人が読むんだし、新聞に公告出せば
売り上げ伸びますよ、と企業にはたらきかけ、
広告宣伝費を出させたわけです。

これは、報道をゆがめました。
企業が、
『広告宣伝費を下げたら報道社つぶれるだろ?
金出してやってるんだから、うちの企業関連の
悪いニュースは報道しないようにしてくれよ』
と力をかけてくるようになったのです。
資本主義ではお金が力ですから、力には逆らえません。
これにより現在の偏向報道が生まれるようになりました。

新聞は、事件を事件のみでとりあげ、
重要性などから判断して真っ向から記事を書くという
新聞としての完成度を下げることで、
収益を上げることに成功したわけです。

今は世界を見れば明らかですが、
もちろん、新聞に限ったことではありません。
テレビやネットの報道でもそうですし、報道以外でもそうです。
これが『完成度と収益のトレードオフ』です。


こうして、『完成度と収益のトレードオフ』という概念に気づくと、
世の中にはこうしたものは数多くあることに気づきます。
前半はCMを少なく、後半は10分ごとにCMが入り、
CM明けはCM前にやっていた話を繰り返してから進む番組や、
画面が見えないほどの広告が出たり、
スクロールしようとすると広告が出て
変なページに飛ばされるサイト。
正しく行われれば人々のためになるのに
支持基盤や裏金のために計画がゆがまされ
少数のためにしからない政治屋の出す案件。
大手レビュアーにプレイされ よい点数をつけてもらうため、
序盤だけ手をこんで作るものの後半はすかすかになっているゲーム
などもそうです。


報道だろうと映画だろうと、案外やっていることの根底はおんなじで、
お金のためには完成度を犠牲にするというのは、
資本主義における『正義』です。
資本主義はお金がすべてですから、
お金が稼げそうなことに注力するのは間違ったことではありません。

でも。
心情的・道義的には『正しくない』と思ってしまうのも事実で。
そこらへんに不満を持つ人は少なくないのでしょう。
道徳的に見れば、『卑怯』で『汚い』行為とも言えますから。

資本主義の『正しさ』と道徳的『正しさ』。
どちらをどうとり、どうおとしどころを見つけるか。

その位置を見極めるのはとてもむずかしそうです。
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