直列☆ちょこれいつ

最近は神社や神道などの古い文書の解読をしています。
研究のまとめはカテゴリ『自作本』から。

NHKにようこそ

2008年05月23日 | レビュー系



NHKにようこそ とかいう漫画を読んでみました。
友達が驚いたというので見てみると、
作者は顔にペインティングをしている人では
ありませんでした。
名前のぱっと見が似ていたので、ずっとその人だと
思っていたのですが……。

そして中身を読んでみると、別の意味で驚きました。
一言でいうと……『神経症ハチクロ』。

というわけで、神経症の人々でやる、
ハチミツとクローバーです。
考えるのは恋愛だけ。しかもその人間関係も
ごくせまいところだけ。

恋愛不倫ひきこもり恋愛不倫ひきこもり。

……もう、それだけしかないんですかとためいき。
最初の何巻かはおもしろいかもしれないと
思いましたが、後のほうになると読むのが苦痛でした。
ハチクロよりはどたばたしていたので、
どうにか読めましたけど……。

最初、女の子がやってくるところは、
涼宮ハルヒの憂鬱を思わせます。
ああ、こうやって無茶にひっぱられて
巻き込まれていくのかなと思っていると、
中盤から女の子の言動が変なことがわかっていきます。
ここらへんもちょっとしたミステリーで面白いです。
でもその後。カウンセラーが登場したあたりから、
『やっちゃった感』がただよいます。
確か、「あえていうなら演技性人格障害」
みたいなことを言ってしまったところで
すべてがぶちこわしです。

それをやるなら、完全に演技性人格障害の
典型例を描いてしまったほうが
それっぽくなる気がしました。
下手に言ってしまったことで、症例との比較も起こるし、
どう見ても演技性っぽくないので
なにか下調べの甘さのようなものも
感じてしまって、レッテルだけが前に出てきて
しまったような感じもうけました。
『なにかわからないけど変』というので
そのまま貫き通して欲しかったです。

あとは……これもアニメになったそうですが、
最近のはやりなのかという気もします。
この狭い世界はすごく不自然で気持ち悪いです。
それと、ただ連続して起こる偶然も。

たとえば最初は、ごく狭いアパートのことしか
描かれません。狭い場所の狭い関係、
これはとても自然です。
うるさい隣人に踏み込んだら、実は知り合い。
これは話を始めるためには必要です。

でもそのあと、健康食品のキャッチを受けたら
それが高校のときの知り合いの女性だとか、
ネットゲームで親しく話した相手が、
その女性の兄だとか、
隣人の男性がいなくなって探していたら、
ホストになってうまく稼いでいた相手に、
自分が見つけられてしまうとか。

広い世界を出すくせに、それは何も描かれず、
ただ狭い世界を成立させるための意味しか
持っていません。
それも、ご都合主義ですべてが組み合わさります。

NHK自体も大した意味をもってませんでした。
これなら『やす子の太陽』の、
『日本・ヒップ・ケツ協会』の略語のほうが
ずっと輝いています。


……なんだかなあ。
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« イラスト:とーことーこ | トップ | イラスト:ゆびきりミク »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

レビュー系」カテゴリの最新記事