直列☆ちょこれいつ

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レビュー:scansnap fi-4110EOX3

2009年12月02日 | レビュー系


いまさら何世代前のものかは気にせずに、
scansnap fi-4110EOX3の使用感を書いてみます。

まず、scansnapとはなにかと言えば、
紙を送るタイプのスキャナです。

使った第一印象は、とにかく『速い』。
これに尽きます。

スキャンの画質をあげていくごとに
速度は遅くなっていきますが、
それでも原稿の入れ替えの手間を考えても
台スキャナよりは断然速いです。
特に、両面印刷のものの両面を読み取るのは
台スキャナだと長くやっているうちに
スキャンしたのが表だったのか
裏だったのかがわからくなって
確認する作業が必要になることがありましたが
いっぺんに読み取ってくれるので
確認しなくて済むようになったのが楽でした。

使っていて気になった点はいくつかあります。
なによりも問題だったのは、紙粉スジです。
最初の1000枚、2000枚くらいはよかった気がしますが、
その後は原稿台のガラス面の内側に入ってしまった
紙粉のせいでスキャン後のファイルに
カラフルな縦スジが入ってしまいました。

台無しになるのを承知で、
それでも不愉快ながら使っていたのですが、
保障期間後に壊れてもしかたがないと
分解してエアダスターでゴミを飛ばしてみたところ、
初期と変わらないきれいさで
スキャンできるようになりました。

メーカーはまったく認めていませんが、
事実としてエアダスターでの清掃は効果があります。
分解して、見たところだと紙粉を防ぐための努力は
まったくされていませんでした。
ユーザーが日々の手入れをできないのは
印象としてマイナスで、
こんなことならヘッドの周りは密閉してしまうなどの
防塵処理か、もしくはいっそカバーが開くようにして
ユーザーの清掃を認めるべきだったと思います。
どちらかといえば今の作りは、
塵は入るけれど清掃の手は届かないという点で、
構造的欠陥であるとしか思えませんでした。

それから、気になるのは重走でした。
スキャン予定のものを積み重ねてセットはして置けるものの、
紙送り機構がまんなかの一箇所にしかありません。
それもスポンジとゴムローラータイプだけです。
ものによっては滑ってしまいますし、
紙にローラー汚れの後がついてしまって
微妙だった上に、ローラーを磨いたり、
パッドに注意したりしなければ
すぐに紙が重なって送られてしまい、
長さ異常で止まってしまうのが困りました。

全体的に安っぽくてコストを削減したいんだろうなあと
思わせるような作りでしたが、せめてプリンタのように
紙を何箇所かの尖った歯車で送るような感じでも
よかったと思います。


次には、紙サイズの自動検知の方式が微妙でした。
用紙サイズを自動にしておくと、スキャンした紙に合わせて
ファイルサイズを変更してくれますが、
なぜか端が切れてしまうものがたびたびありました。
気付いたら、紙の縦幅によって
紙のサイズを測っていたのでした。
このため、縦をのばした変形用紙には対応しますが、
横をのばした変形用紙は横切れが起こってしまいました。
個人的には、自動検知を長さにするか
幅にするかは選ばせて欲しかったです。

また、それに関連して、スキャンアプリの
設定が貧弱だと思いました。
用紙サイズは自動読み取りだと思わぬところに
落とし穴があるし、一連のスキャンごとに
計算して遅れるような気がしたので、
スキャン前にスキャンする用紙の大きさを
指定してからスキャンしていました。
でも、大きさ指定はタスクトレイの
スキャンアイコンをワンクリックでは行えません。
右クリックして設定を出し、その中のタブを開いた上、
プルダウンメニューをめくって設定、です。
これがすごくめんどくさいと感じました。

他にも、重走した紙を取ろうと上面を開くと、
『カバーがあいています』のエラーが出て、
上面を閉めてもエラーボックスは閉じずに
スキャンが再開できません。
パソコンから離れた場所でスキャンしているのに、
パソコンの場所まで戻ってマウスを手に取り、
エラーボックスまで持っていってクリックというのは
大変手間でした。

序盤以降は重走が多発したので、
紙を複数枚セットするのは諦めて、
一枚一枚手差しでスキャンしました。
初めからこういうものだと思っていたほうが
気が楽かもしれません。
それでも台スキャナを使うよりは速いです。

一枚ごとの手差しスキャンであれば、
パッドはゴムでなく、前面をプラスティックシートで
覆った方がスムーズに行きました。
薄めの紙を送った時、カチッとぶつかって
動かなくなるのは、パッドが減って
奥の溝が浮き出たせいでそこにあたるためでした。


また、スキャンしたようでいて、
実はスキャンされていない真っ黒なファイルが
いくつもできることがありました。
読み取った画像をファイルに変換する処理の
失敗のように思えます。

いったんスキャンしたあとそこに気付いて、
欠けたページを探してスキャンしなおし、
その場所に戻すのはとても手間でした。

終わりの方になってようやく、
その原因は連続スキャンの熱のせいらしいと
わかったので、扇風機の風をあてて
冷却しながらスキャンしたところ、
200枚以上連続で読み取っても
壊れファイルはできませんでした。
そうでない場合は100枚を超えた時点で
作られる事が多かったので
いったんやめていました。

一応それでも壊れファイル判断としては、
読み取り先フォルダにサイズ表示を出し、
ページダウンを押しっぱなしにしておくと
壊れファイルが作られたところで
ファイルサイズが変に小さくなっているので
区別はつきました。
でもそれを見ながらスキャンするのもめんどうでした。
失敗したならそこで異常警告を出して欲しかったです。


というところで、全体的な評価は『悪くはない』
という感じです。

問題点は紙送りローラーと防塵機能と
スキャンアプリ機能であり、
使う上で重要な部分にはすべて欠点があります。

 消耗品は消耗した段階で完全に交換できたり、
内部にたまった紙粉はある程度で完全に清掃できたりする、
きちんと契約をしている会社で使うにはいいでしょうが、
一般ユーザーが家庭で使う分には
コストと手間が かかりすぎると思います。

新しいのは、解消されているといいのですけど。
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