
【実験学園】キャンギャル膝蹴り地獄(1)
街の裏通りにて。
青く輝く派手な衣装に身を包んだサラが、手を腰に当てて目の前の男を凝視している。
彼女は今日、キャンペーンガールのバイトをしていた。
だが、一人の男が執拗に付き纏うのに嫌気が差し、休憩時間にその男を人気の無い路地へと呼び出したのだ。
「正直、迷惑なんだけど。アンタ、ケンカ売ってるの?」
身も蓋も無い言葉を投げつけるサラ。
「あ?」
男が、その暴言に反応する。
「アタシの視界から消えてって言ってるの。アンタみたいな弱っちい男になんてまったく興味無いの。イラつくのよ」
サラの口が止まらない。次々と言葉の暴力を男に容赦なく浴びせる。
「て、てめえッ!」
顔を紅潮させ、サラに掴みかかる男。
肩を掴み、そのまま押し倒そうとする。
「へえ、やる気?」
サラの眉が吊り上がる。男は力を込めるが、サラの体は全く動かない。
「そんなに痛い目に会いたいんだ?」
サラが、動く。

【実験学園】キャンギャル膝蹴り地獄(2)
格闘で、ただの男が彼女に勝てる訳が無い。
力でも、速度でも、技術でも。身体能力の桁がまるで違う。
男の攻撃は全て易々と避けられ、もしくは正面から受け止められる。
そして、サラの反撃が始まる。
男の顔を、腕力にものを言わせて強引に掴み、胸に押し当てて固定する。
その状態から、右膝を跳ね上げる。
ゴスッ!
男の腹部に、サラの膝が突き刺さる。
「げほぉッ!」
全身が痺れるような痛みに、男が悲鳴を上げる。

【実験学園】キャンギャル膝蹴り地獄(3)
ゴッ!ゴスッ!ドスッ!
必死にガードする男の腕の隙間から、あるいは腕ごと。
細く尖ったサラの膝が、男の腹部を繰り返し攻め立てる。
男のみぞおちに、毒針が幾度となく打ち込まれる。
数回繰り返すと、衝撃に耐え切れなかった男の胃が、逆流し始める。
それを察知したサラは、男の頭部を傍にあったゴミ箱に突っ込む。
「好きなだけ吐けば?」
冷たく言い放ち、左膝を振り上げる。
ドグシャッ!
サラの左膝が男の腹部を串刺しにし、胃を変形させる。
「げぼっ……」
吐瀉物を口から吐き出し悶絶する男。
だが、サラの膝は止まらない。
ドゴッ!
ゴシャッ!
ドガッ!
何度も、何度も、何度も。
サラは自らの膝という鋭利なナイフで、男の腹部を抉り続ける。
男はもう声すらも出せず。
腕をだらりと下げ。
痙攣し、口から胃液を撒き散らす。

【実験学園】キャンギャル膝蹴り地獄(4)
男は、ゴミ箱に上半身を突っ込み動きを止めている。
その上に、サラが堂々と脚を組みながら座る。
「アンタとアタシの力の差、身に染みて理解したでしょ?」
サラが、男を見下ろす。
「アタシの気を引きたかったら、もっと強くなることね。返事しなさいよ、貧弱男」
自らの吐瀉物と胃液でできたプールに、頭を浸しながら気絶している男からは何の返事も無かった……。