【筋肉地獄】ボディーブローのお手本(1)
今にもリンに殴りかかろうとしている男。
そんな男を更に挑発するように、自らの腹部を指差し、リンが呟く。
「いいよ、殴ってみなよ?」
【筋肉地獄】ボディーブローのお手本(2)
リンは短く息を吸い込み、全身に力を込めた。
途端に、弛緩していた筋肉が硬く引き締まっていく。
剥き出しの腹部に、くっきりと浮き上がる腹筋のブロック。
次の瞬間、男の拳がリンの腹に撃ち込まれた。
【筋肉地獄】ボディーブローのお手本(3)
ガッ!
拳に激痛。
まるで大木に拳を打ちつけたような感覚。
悲鳴を上げて、男は右手を押さえてその場にうずくまる。
鉄板のごとく硬化したリンの腹筋により、拳を痛めたのだ。
「ふふっ、それで本気なんだ?」
微笑を浮かべ、男を見下ろすリン。
「全然効かないよ?」
強靭な自らの腹筋を指でなぞりながら、男を嘲笑う。
【筋肉地獄】ボディーブローのお手本(4)
リンはしゃがみこむ男の胸元を強引に掴み、無理やり立たせる。
「私がボディーブローのお手本、見せてあげようか?」
痛む拳を抱えながら激痛に耐える男には、もはや戦意は残っていない。
短く悲鳴を上げて、男は恐怖に怯えた。
【筋肉地獄】ボディーブローのお手本(5)
無慈悲なリンの右手が、男の腹部めがけて撃ち出される。
強大な筋力と瞬発力に支えられて、少女の拳が凶器へと変わる。
拳が男の腹部にめり込む。
更に体を半回転。
腕を上方に振り上げる。
リンの腕力に耐えられる筈も無く、男の体が紙屑のように舞い上がる。
【筋肉地獄】ボディーブローのお手本(6)
地面に転がり、腹を押さえて激痛にむせび泣く男。
その惨めな姿を見下ろしながら、リンが口を開く。
「言っておくけど、これでも手加減してあげてるんだよ?」
「私が本気で殴ったら、キミの内臓、破裂しちゃうかもしれないし」
リンは自らの力を誇示するかのように、拳を握り締める……。