ママ友心理学

ママ友の世界は、心理学の宝庫である。

ママ友心理学5 習い事と単純接触効果

2007-04-03 22:23:08 | ママ友心理学
ママ友の世界は、心理学の宝庫である。

今回は、こどものの習い事について話してみよう。

「こどもが興味を持って、やりたい!と言ったら、習わせようと思うの。」
この台詞、登場頻度はとても高い。

おそらく、この言葉の裏には、
・子供の自主性を尊重したい。
・親が子供を無理強いさせるような教育はしたくない。
・無理強いをして、嫌いにさせたくない。
・無駄遣いをしたくない。

などの考えがあると推測できる。

「好き」という態度形成過程には、様々な要因が含まれる。
そのひとつに、「単純接触効果」という現象がある。
この「単純接触効果」、書いて字のごとく、
「接触すればするほど、好きになる」という人の行動傾向だ。

子供の習い事を考えたとき、好きになってほしいことであるならば、
子供の「やりたい!」という意思を形成するために、
習わせる、という選択肢も考えてほしい。

ただ、第一印象が少しでも悪いものならば、接触すればするほど、嫌いになるので、ご用心!


ママ友心理学4 怒りの理由づけ

2007-04-02 01:16:59 | ママ友心理学
ママ友の人間関係は、心理学の宝庫である。
今回は、シャクターの実験を参考に、ある例を分析してみよう。

あるママは、人間関係や子供の発達に関する悩みを抱えていた。
周囲のママたちよりも、年齢が高く、うまく輪に入っていけない。
人見知りの激しい子供は、サークルに参加しても壁の花。
思い通りにいかない育児…
イライラが募り、ストレスから常に怒りっぽくなっていた。

ある日の夕方、ママのご主人は、予定していた歓迎会が延期となり、
帰宅することになった。
ご主人は、メールで、「歓迎会が延期になったので、晩御飯をお願いします。」と連絡。
ところが、このメールを受け取ったママは、電話をしてくれればいいのに!と激怒。
早く帰宅する予定のご主人に、なぜ彼女は激怒してしまったのか?

理由は…
ママが怒る理由は、何でも良かった!!!といえる。

このママ、子育てのストレスから、怒りっぽくなっていた。
つまり、精神的に興奮状態にあった。
この「肉体的興奮状態」におかれた人は、その理由を
容易に見つけられる、社会的要因に理由を求める。
この場合、ご主人からメールを受け取るという社会的要因が、引き金となった。

さて、シャクターの実験だが・・・
被験者には、精神的興奮をもたらす注射を、ビタミン剤だと偽って打つ。
その後、半分の被験者は、楽しそうな人がいる部屋へ案内され、
残り半分の被験者は、怒っている人がいる部屋へ案内された。
その結果、前者は、「周囲の人が楽しそうだから、私は興奮しているのだ。」と理由付けた。
一方、後者は、「周囲の人が怒っているから、私は興奮しているのだ。」と理由付けた。

心理学の実験は、ママ友世界の理解に役立つ。

ママ友心理学3 何にでも否定的なママ友の競争心

2007-04-02 01:00:35 | ママ友心理学
ママたちの人間関係は、心理学的に興味深い。
今回は、バランス理論に基づいて、見てみよう。

ここ半年ほど、ママBはママAに強い敵対心を示すようになった。

輸入子供服が好きで、子供におしゃれをさせているママAに対し、
「日本製が一番よね。」とママB。
英語を子供に習わせているママAに対し、
「脳の混乱を招いて、発達が遅れるわよ。」とママB。
ケーキのお土産を持ってきたママAに対し、
「このあたりで一番おいしいケーキ屋さんは、他のところよ。」とママB。
新築マンションに住んでいるママAに対し、
「我が家は、古いけど、広いリビングが気に入って選んだの。」とママB。

ママBは、ことごとくママAを否定しようとする。
上記の4例に共通するのは、いずれも絶対的な答えがない、という点だ。
英語のの早期教育の是非は、明確な研究結果が得られていないし、
その他は、個人の好みによるところが大きい。
ママBが、このようなテーマを選択するには理由がある。

実は、ママB、かつて自分の子供に英語を習わせたいと強く希望していた。
ところが、体験レッスンに参加させた子供は、非常に人見知りが激しく、泣いてしまい、とてもレッスンを受けられる状態ではなかった。
その後、チックの症状が見られ、ママBは英語教育をあきらめざるをえなくなった。

この状況を分析すると、
①ママBは、子供に英語教育を受けさせたいと強く思っていた。
②ママBの子供は、英語教育を受けられない状態だった。
③ママAの子供は、楽しそうに英語教育を受けている。

以上の三事実は、ママBにとって、バランスが悪い関係だ。
はっきり言って、おもしろくない。
そこで、ママBは、これらの三事実が、均衡のとれた状態になるよう、
自らの態度を変容させる。

ママBは、②と③の事実を容易に変えられない。
唯一、ママBの意思によって、変えられる事実は①のみ。
ママBは、「子供に英語教育を受けサセタクナイと強く思った」に
態度を変化させた。
これにより、三事実は、均衡のとれた状態となる。

その結果、英語教育を子供に受けさせているママAに対し、
過剰なまでに否定を続ける。
ママBにとって、自己を肯定するための手段であったにちがいない。

もともと、家を行き来するほど親しかった二人だが、
その後の距離は、遠ざかるばかりだった。