小麦句会 on blog

俳句「麦の会」の句会のひとつです。 ネット句会を月二回行っています。 この句会は誰でも参加できます。

第508回小麦句会結果発表(1)

2023年09月08日 17時09分50秒 | 1日句会

台風13号、あちこちに大雨をもたらしているようですね。

線状降水帯もはっせいしているとか。

こちら九州熊本は雲は多めですが、青空がひろがって、かなり暑いです。

台風としては消滅して、上陸はないとの予報ですが、充分お気をつけください。

 

結果発表です。

今回も2回にわけて。

(今回は、スーパーと、モノクロなど恋愛や記憶につながる句が多かったですね。出題者として集計しながら面白く拝見しました。)

 

♪♪♪

食欲と体重計が怖い秋  カンナ

○(泉)この残暑では、食欲もなかなか進みません。

〇(瞳人)若い人はいいですね

 

スーパーもAEDを置く酷暑かな    泉

 

(選外)(卯平)上五中七の句材は面白い。ただこのまま読むと何処にでも置いてある「AED」が「スーパー」にも置いてある。それは「酷暑」だからと言う理が伺える。上五の「も」と「酷暑」を推敲すれば面白い句になるのでは。

 

スーパーで出会うせんせい夏休み    楊子

〇(珠子)ひらがなの「せんせい」がなかなか雄弁です。双方ちょっと恥ずかしいことでしょう。  

○(卯平)このせんせいは多分幼稚園の「せんせい」か、それとも小学校低学年の「せんせい」だろう。「先生」だとまた句の趣も違う。詠み手家族とスーパーで偶然であった担任の「せんせい」。日常の景が詠まれている。夏休みと言う背景でほのぼのとした景が伺える。

○(泉)ユーモラスな俳句だと思います。

○(餡子)同じ町内の学校に勤めている先生とか、車で買物に来る先生とか。会う機会は多いのでしょう。「せんせい」と平仮名書きにしたのが、大変良いと思いました。  

〇(春生)先生もびっくり、生徒もびっくり。戸惑ったり嬉しかったり・・・。  

〇(カンナ)先生が登場してドラマが生まれた。

〇(まきえっと)先生から解放されて一人の人間を感じます。

◯ (アゼリア) 場所が変わるとせんせいの印象も変わって新鮮です。 

 

(選外)(あき子)買い物中のせんせいに会うのは、嬉しいような恥ずかしいような。

 

スーパーに紛れ込みたる赤蜻蛉     アゼリア

〇(春生)秋も深まってくると、赤とんぼがいっぱい出てきます。スーパーへも紛れ込むことがありますね。秋たけなわの感じが出ました。   

○(幹夫)リズム佳く様子が詠まれている。

○(ちせい)ちょっとした偶然事に俳味を感じた。

 

スーパーのちらし熟読秋うらら    あき子

〇(楊子)秋は美味しそうなものが載っていそうですね。

○(アネモネ)「秋うらら」がいかにもだと思いました。  

○(泉)この暑さで野菜が高騰しています。

〇(藤三彩)新聞折込の数店のチラシを比較する。買出しと料理担当の主夫です。

◎(ちせい)熟読できたのはうららのおかげなのかもしれません。

 

悠々とあか牛自適な秋茜     藤三彩

〇 (多実生) 牧の牛は寝そべりいつも悠々自適です。

◯(道人)これぞ秋の阿蘇の句。「あか牛」で切れるので中八は気にならなかった。

 

雲は秋歩いて巡る道の駅      道人

◎(アネモネ)「雲は秋」いいですねえ。得心です。  

○(卯平)臨場感がある。ただ「巡る」の読みで道の駅が幾つもありそれを渡り巡っているのか、それとも「道の駅」の構内を歩き巡っているのかが少々不明。「雲は秋」と言う上五の位置からすれば前者の観賞だろうか。そうすると「道の駅」は何方かと言うとドライブ用。だから道の駅と道の駅の間はドライブインとして結構距離がある。それを歩いて巡ると言う景だとすると「歩く」が単に散歩程度ではないだろう。少々モヤモヤ感はある。

〇(藤三彩)鰯雲などが出てくると秋を感じる。道の駅は何があるのか愉しみ。

〇(あき子)「雲は秋」に詠嘆と悲しみが宿っているよう。

○(宙虫)秋が歩かせる。その感覚が伝わる。

 

秋声へ迫り出すデッキ火口原   珠子

○(餡子)「秋声へ迫り出す」で頂きました。 下五にもう一工夫有れば◎でしたが・・・。

◯(道人)このデッキに立って雄大な火口原の秋の声を聞いてみたい。

〇(まきえっと)「迫り出す」の目の付け方がいいですね。

◎ (アゼリア) 秋声へ迫り出すデッキー巧みな措辞と感心しました。

○(宙虫)秋声、火口原、読み方によれば深い心情も見える。

 

秋の山椅子に雌雄の犬を乗せ     ちせい

 

新涼やインクの匂ふ同人誌      春生

◎(楊子)写真のモノクロからの発想に飛躍があっておもしろい。

○(卯平)類似類句はあるだろう。しかしこの季語で安心して観賞出来る。「同人誌」に共感。

○(アネモネ)「インクの匂ふ」が「新涼」といい具合にマッチしています。  

○(仙翁)爽やかに、同人誌を出してください。

〇(まきえっと)しっとりしていますね。

◯(道人)「インクの匂う」の手作り感がいいですね。

〇(瞳人)涼しさ、いいですね

○(ちせい)詩誌にしろ歌誌にしろ俳誌にしろ、インクの臭いで空気を感じた。

 

三日月に履かせる靴を買いにゆく  宙虫

◎(珠子)確かに三日月にはおしゃれな靴が似合いそうです。店の隅っこに忘れられている靴の箱があるかもしれません。昔々たった一つ売れたことのある靴が。

○(卯平)少女趣味的ではあるが「おや?」と思わせる句。先行句はあるかも知れない。

◎(春生)この発想は素晴らしい。脱帽です。どんな靴を買ったのでしょうか。

○(幹夫)メルヘンチックなところに共感。

◎(めたもん)何となく漂うシンデレラ感、童話感。三日月の夜、王子様は城を抜け出して……。不思議な感覚の句です。

◯ (アゼリア) メルヘンチックで楽しい句と思いました。

 

尾根遠く眺め秋日のサンデッキ    アネモネ

◎(あき子)遠近感のある気持ちの良いデッサンと、音の流れが美しい。

 

お迎えのパパと自転車月まるい   めたもん

〇(カンナ)動詞がないのが俳句らしくて良いと思います。

○(仙翁)小学生の句としてとてもいいですね。

 

モノクロに変わる思い出秋の風   まきえっと

○「秋の風」にはモノクロ感が強い。だから緩い感じは否めない。しかし上五中七のタイムラグに詠み手の実感が伝わる。夏の恋も終わった。

○(幹夫)モノクロが秋の風にマッチしている。

〇 (多実生) 思い出も写真もセピア色です。

 

道の駅高原野菜売る盛夏   多実生

 

コンビニに用なし残る暑さ故    仙翁

 

新作の動物麺麭や秋涼し  卯平

○(泉)ユーモラスな俳句だと思います。

〇(めたもん)楽しげな上五、中七と下五の季語「秋涼し」の取り合わせがいいと思います。

 

 

    つづく

 

 



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