一小応援団 和(なごみ)

和(なごみ)は、学校・PTA・地域が協力し合い、子どもたちの安全確保や健全育成に取り組む団体です

PTA活動や学校支援ボランティアを初めとする社会奉仕への評価は?

2016-10-03 05:16:38 | 学校行事

 
配偶者控除と言うのは、専業主婦を対象に設けられた税金の所得税の控除ですが、これは歴史的・社会的に何故設けられたのか?というと、いわゆる内助の功といって、子育てや社会奉仕(PTA活動・学校支援ボランティア)、老人介護などの負担を昔は主婦層が無償で提供している場合が多かったですから、その面で税金で優遇して社会全体をうまく円滑に廻していこうという考え方だったのです。

 ところが、これを来年度以降は国の施策として撤廃する動きがあります。すると、どうなるのでしょうか。 おそらく、いわゆる”内助の功”という名の「家庭での子育て」や「老人介護」が金銭的に困難な状況になってきます。だからといって、保育所に入所を希望する者全員が預かってもらえるわけではないので、今回の配偶者控除撤廃の結果は、一般庶民から広く浅く増税して国民生活がより貧しく厳しくなっていくことに外なりません。

 老人介護の問題もそうです。公的な機関に全員の要介護老人が預かってもらえるのではなくて、介護認定が3以上でないと特養入所は出来ないし、介護保険料も値上げされ、そこで働く現場の介護報酬も値下げされます。したがってトリプルパンチです。国民全体の家計がどんどん厳しくなってきますから、より豊かな生活を送ろうとすれば、もっと長時間労働を強いられ、死ぬまで働き続けないといけなくなるのです。
 
そこで、本題である所の子どもの教育に関してのPTA活動や学校支援ボランティア活動です。

これらについては、フルタイム勤務でなくて専業主婦やパートタイマーだったらやり易いでしょうね・・・と云われても、配偶者控除がなくなってしまえば、奉仕活動はやればやるだけ時間が取られて働く時間が少なくなって収入が減るので、出来るだけ参加したくないという気分や意識がだんだん蔓延してきて、実際問題、全国津々浦々でPTA活動などの奉仕活動がやりにくくなる世の中になっていくのではないか?と危惧されます。 いや、既にそうなって久しいのではないかとも思われます。

政府は何故いま配偶者控除を撤廃しようとするのか?というと、過去の政治では、老人介護の経費は介護保険で賄うので、配偶者控除は失くす方向で検討するとか、現在では、女性の社会進出を奨励するために配偶者控除はなくすべきだ云々で、要するにその時々の政治の流れで廃止するための様々な大義名分が出現しているわけです。が、一貫して増税が真の目的であるという点には変わりはありません。

 「女性の社会進出」と一口に云っても、家事労働の負担が非常に重くて、もっと外で働きたくても働けないような家庭の事情のある女性はいくらでもいます。即ち、女性のおかれた環境によっては出来ないものは出来ないのです。ですから、そういった厳しい家庭環境をさらに極限まで追い詰める場合が、今後多々出てくるでしょう。また、働きに出る事が出来たとしても、高額な保育料や老人養護施設の料金を支払うために、より長時間の労働を強いられる女性も、今後はますます増えていく事でしょう。

 学校関係では、こういった原因で増えていく貧困、基本的生活習慣の乱れからくるところの低学力の対策、いじめ撲滅、不登校や虐待対策に、より一層、関係機関や地域が一体となって取組みを進めていく必要性があると認識しなければなりません。

 これらの取組みの例として、テレビや新聞等で報道されているように、晩御飯も食べられない子どもたちに対する「子ども食堂」の取組みが注目されています。また、一人ぐらしの老人の介護のための援助の一つとして、わが町の社会福祉協議会では、ささやかながらも、月に1回のお弁当の配食サービスの取組みや安否確認の家庭訪問、いきいきサロンなどの取組みを展開しています。就学前の子どもと保護者のための「子育てサロン」も毎月開催していますし、下校時の児童の見守り活動も定期的に行っています。教育委員会管轄の「ゆめ本部事業」では学習ボランティアによる「放課後の補充学習」や「授業支援」も町内の各小中学校で行っています。また、安全ボランティアの皆さんによる毎日の登校時、下校時の見守り活動には本当に感謝しなければなりません。

 こういった社会奉仕の働き手は、主として現状では保護者、PTA、主婦層や定年退職後の男性が担っています。これらの無償ボランティアの働きは、地域社会の教育力を高め、或いはセーフティネットとして、今後は、よりいっそうの評価を受けてしかるべき存在として認識していかないといけないと思います。一億総活躍時代というのは、何も、収入を得るために外に出る事だけじゃなくて、こういった地道な地域での無償ボランティア活動も含まれる・・・という認識が、今後は国民全体に浸透していく必要性があるのではないか?と考えます。


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