心を映すという心持の事
親父殿曰く。見つける時、体、足を一度に懸かる事である。爺様の目録には、水月(間合)真の位については映す心であると書いてある。また曰く。心を映すとは、他念の無いところである。捧心を見る心の内に他念ない心は、まるで水に月が映るようだというのである。
一尺虚空の懸の事
爺様の目録に一尺に虚空の懸の事、捧心を待たないでと書いてある。親父殿曰く。これは水月(間合)一尺(30cm)、又は太刀先一尺まで懸かっても捧心が見えない時は、自分の方から動いて、打つ心持である。虚空に打って見れば捧心に合う心である。一尺(30cm)よりは、虚空に仕掛けるべし。すなわち迎えとなる心持である。また曰く。付け懸かかっても、一尺(30cm)と詰まった場所には述べにくい勝つ有る心なのである。言うにも言われず。筆にも及ばない心持の勝ち口の虚空という。急に割りなき刹那の所の詰まった事を言うために一尺という心持でもある。
新目の教えの事
親父殿曰く。相手を見つめてしばらく経てば、観察力が暗くなって、思いのままに(相手の意図が)見にくいものである。自分の心の発する時の目の心持がもっぱらである。思いついた際はるし捧心を見る為である。爺様の目録にこの意味について書いていない。また曰く。この心は、目を塞ぎ居て、見ようと思う時は、目の明(観察力の強さ)、つまり見る眼精を心得なさい。捧心を見ようとしてまぶりつめているのは、(却って観察力が)暗くなる為、発せない前に捧心を思い、さのみ目だけでは見ないで、発する所にて見る心持、目を新しくする心持である。
打つに別れるという心持の事
親父殿曰く。発するところを見つけ次第早く打つ事が大事なのである。打つのは手ではない。心によって打つことにより、手に心が無いのを「別れる」というのである。爺様の目録にはこの件は書いていない。例えば、打ちにても、また所作にても、心に思うところにても、執着するところを打ち落とし、打ち落とした心にも、これは捨てると口伝にある別れる心持ちである。じ味多い教えである。
打ちに別れると心持ちの事
親父殿曰く。これは太刀を打ってくる打ちに、心を留めないで、心は残心と返して用いること。打つと心と別れる心持ちである。打つのに心を盗られないという意味である。爺様の目録にもこれ以外の意味は無い。また曰く。打つに別れ、体に別れ、気に別れ、心に別れ、念に別れ、所作に別れなさい、というのはいずれもすべて同じ意味である。
親父殿曰く。見つける時、体、足を一度に懸かる事である。爺様の目録には、水月(間合)真の位については映す心であると書いてある。また曰く。心を映すとは、他念の無いところである。捧心を見る心の内に他念ない心は、まるで水に月が映るようだというのである。
一尺虚空の懸の事
爺様の目録に一尺に虚空の懸の事、捧心を待たないでと書いてある。親父殿曰く。これは水月(間合)一尺(30cm)、又は太刀先一尺まで懸かっても捧心が見えない時は、自分の方から動いて、打つ心持である。虚空に打って見れば捧心に合う心である。一尺(30cm)よりは、虚空に仕掛けるべし。すなわち迎えとなる心持である。また曰く。付け懸かかっても、一尺(30cm)と詰まった場所には述べにくい勝つ有る心なのである。言うにも言われず。筆にも及ばない心持の勝ち口の虚空という。急に割りなき刹那の所の詰まった事を言うために一尺という心持でもある。
新目の教えの事
親父殿曰く。相手を見つめてしばらく経てば、観察力が暗くなって、思いのままに(相手の意図が)見にくいものである。自分の心の発する時の目の心持がもっぱらである。思いついた際はるし捧心を見る為である。爺様の目録にこの意味について書いていない。また曰く。この心は、目を塞ぎ居て、見ようと思う時は、目の明(観察力の強さ)、つまり見る眼精を心得なさい。捧心を見ようとしてまぶりつめているのは、(却って観察力が)暗くなる為、発せない前に捧心を思い、さのみ目だけでは見ないで、発する所にて見る心持、目を新しくする心持である。
打つに別れるという心持の事
親父殿曰く。発するところを見つけ次第早く打つ事が大事なのである。打つのは手ではない。心によって打つことにより、手に心が無いのを「別れる」というのである。爺様の目録にはこの件は書いていない。例えば、打ちにても、また所作にても、心に思うところにても、執着するところを打ち落とし、打ち落とした心にも、これは捨てると口伝にある別れる心持ちである。じ味多い教えである。
打ちに別れると心持ちの事
親父殿曰く。これは太刀を打ってくる打ちに、心を留めないで、心は残心と返して用いること。打つと心と別れる心持ちである。打つのに心を盗られないという意味である。爺様の目録にもこれ以外の意味は無い。また曰く。打つに別れ、体に別れ、気に別れ、心に別れ、念に別れ、所作に別れなさい、というのはいずれもすべて同じ意味である。