「対話する社会へ」(暉峻淑子著:岩波書店)
「豊かさとは何か」を世に送り出して約30年、一貫して人々の暮らしに関わる様々な問題提起をしてきた筆者の最新刊。発売されてから、すぐに購入しました。
帯に、「戦争・暴力の反対は、平和でなく対話です」と書かれています。その考えに至った筆者の個人としての経験、あるいは「対話研究会」という筆者も参加する地域の取り組みを通じての蓄積、社会で起こっている事象を「対話」という視点で分析すること等を通じて、何を考えることが必要かを呼びかけています。
僕自身も日々の生活の中で、いろいろな方と話をすることで考えが磨かれていくというか、気づかされることがとても多くあります。個々の違い(苦手意識のようなもの)はありますが、やはり人は人の中(集団)でこそ成長するし発達するのだと思います。物事をすすめるのは、合意や納得が必要であり、時間がかかるものです。筆者が「対話や討論がない社会は支配者にとってこの上なく都合がいい」との指摘は、その通りだと強く思います。新自由主義に基づく政策が進められている今の日本は、対話がなくなってきている社会とも言え、人々の安全・安心な暮らしが崩壊していることをあたらめて気づかされました。
対話が生み出した新しい動きも紹介されています。やはり地域から、考えて取り組んでいかないと、社会を動かしていくことはできません。一つ一つ地道に取り組もうと思います。
おすすめの一冊です。
http://booklog.jp/users/na1129jr/archives/1/4004316405
最新の画像もっと見る
最近の「読み終えた本」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事