ミャンマーの学校では、この時期から新年度が始まる6月まで夏休みとなり、子どもたちにとっては今が一番楽しい時期だ。室内でゲームに没頭するのではなく、毎日暑さに負けず外で遊ぶミャンマーの子どもたちの元気な声がとても清々しい。
ジャパンハートのキッチンスタッフにも14歳・9歳・3歳の子どもたちがおり、夏休みの今はトレーニングセンターでお母さんの手伝いをすることもある。
先日、かかってくる予定の電話を待ちながら、私がトレーニングセンター内の部屋で仕事をしていると、「セヤー フォン(先生、電話)」と言って、9歳と3歳の子どもたちが呼びに来てくれた。そして、電話の部屋へ向かっていると、子どもたちもついてきて、子どもたちの方から私の手を引いてくれた。階段では、「セヤー OK?」と言って、私の手を手すりに持って行ってくれた。
電話の所に着くと、不運なことに電話がすでに切れていた。これに気付いた瞬間、9歳の子がとても申し訳なさそうにして何か言いたそうだった。だが、言葉は通じない。私は、そんな彼女に最高の笑顔と「チーズーデンバーデーノー(ありがとうね)」と言う言葉を返して、部屋に戻った。その後、電話をかけなおすために再度電話の所へ戻ると、なんとその子が電話をかけなおそうとしてくれており、いつも騒いで走り回っている3歳の妹もおとなしくその様子を後で見ていた。電話先の相手にあせったように大変真剣な話し方で何かを伝えていた。しばらくして、「セヤー フォン」と言って私に受話器を手渡してくれた。そして、私の電話が終わって、子どもたちはようやくほっとしたようないつもの様子に戻った。後で、ミャンマー語のできる日本人スタッフに聞いてみると、子どもたちはジャパンハートのヤンゴン事務所に電話をかけ、私に用のあるスタッフに変わるように一生懸命交渉していたそうだ。
このことは、子どもたちのご両親も全く知らなかったようだ。このように誰が教えた訳でもなく、誰が頼んだ訳でもない。もちろん言葉も通じない。しかし、たまたまかかって来た1本の電話からこんな行動が自然に取れる子どもたち ・・・。教育に携わっていると、こんな場面に遭遇することは良くあるが、何度遭遇してもほんっとに嬉しい。毎回、子どもたちや生徒たちの潜在力に驚かされる。今回の子どもたちは、大変素晴らしい行動力と判断力、そして何よりも自己責任感があった。
これからも引き続き子どもたちは日常生活の中で私たち大人が忘れがちな「基本的で大切なこと」にもっともっとたくさん気付かせてくれるに違いない。それだけに、いつも人間として教育者として自分自身の襟を正さねばと感じている。
塩崎
ジャパンハートのキッチンスタッフにも14歳・9歳・3歳の子どもたちがおり、夏休みの今はトレーニングセンターでお母さんの手伝いをすることもある。
先日、かかってくる予定の電話を待ちながら、私がトレーニングセンター内の部屋で仕事をしていると、「セヤー フォン(先生、電話)」と言って、9歳と3歳の子どもたちが呼びに来てくれた。そして、電話の部屋へ向かっていると、子どもたちもついてきて、子どもたちの方から私の手を引いてくれた。階段では、「セヤー OK?」と言って、私の手を手すりに持って行ってくれた。
電話の所に着くと、不運なことに電話がすでに切れていた。これに気付いた瞬間、9歳の子がとても申し訳なさそうにして何か言いたそうだった。だが、言葉は通じない。私は、そんな彼女に最高の笑顔と「チーズーデンバーデーノー(ありがとうね)」と言う言葉を返して、部屋に戻った。その後、電話をかけなおすために再度電話の所へ戻ると、なんとその子が電話をかけなおそうとしてくれており、いつも騒いで走り回っている3歳の妹もおとなしくその様子を後で見ていた。電話先の相手にあせったように大変真剣な話し方で何かを伝えていた。しばらくして、「セヤー フォン」と言って私に受話器を手渡してくれた。そして、私の電話が終わって、子どもたちはようやくほっとしたようないつもの様子に戻った。後で、ミャンマー語のできる日本人スタッフに聞いてみると、子どもたちはジャパンハートのヤンゴン事務所に電話をかけ、私に用のあるスタッフに変わるように一生懸命交渉していたそうだ。
このことは、子どもたちのご両親も全く知らなかったようだ。このように誰が教えた訳でもなく、誰が頼んだ訳でもない。もちろん言葉も通じない。しかし、たまたまかかって来た1本の電話からこんな行動が自然に取れる子どもたち ・・・。教育に携わっていると、こんな場面に遭遇することは良くあるが、何度遭遇してもほんっとに嬉しい。毎回、子どもたちや生徒たちの潜在力に驚かされる。今回の子どもたちは、大変素晴らしい行動力と判断力、そして何よりも自己責任感があった。
これからも引き続き子どもたちは日常生活の中で私たち大人が忘れがちな「基本的で大切なこと」にもっともっとたくさん気付かせてくれるに違いない。それだけに、いつも人間として教育者として自分自身の襟を正さねばと感じている。
塩崎