先日のブログ「自然の神秘を満喫」の続編になる。
白木峰高原で自然の神秘を満喫し、
帰路立ち寄った祐徳稲荷神社での出来事である。

楼門に足を踏み入れた途端、
頭上からオルゴールのような音色が降りてきた。
見上げると長さを違えた六本の金属管による風鈴が、
そよ風に揺らいでいた。
ところが、楼門を踏み出したら
今度は音がぴたっと止まってしまった。
つまり風鈴が鳴ったのは、楼門に留まっていた、
ほんのわずかな時間だけだった。
気のせいか。いや、確かにそうだ。
なにがしかの作為、さっとそんな感じさえよぎった。
短冊には表に『無病息災』、
裏に『一日も早い終息をお祈り致します』とある。
ひょっとすると神様が、毎年入院・手術を繰り返している
我が身を案じて下さってのことなのか。
首をかしげながらも、心の中はほっこりさせ駐車場へ向かった。

「さて、帰るとするか」車のドアを開けた。
すると、いきなり黒いトンボが飛び込んできたのである。
一般に『ハグロトンボ』と呼ばれているものらしい。
念のため、ネットで検索してみて驚いた。
何と『神様トンボ』とも言われているらしい。
最初は車中をせわしなく飛び回っていたが、
しばらくすると人に慣れたのか指先に止まるようになった。
そして羽を閉じたり開いたりする。
その様子が、まるで神様が
祈りを捧げているかのように見える、というのである。
さらに驚くことに、このトンボを神社で見たら、
それは神様が歓迎・激励してくださっている
サインだと思いなさい、とある。
無下にはできない。「家にお連れしようと思いますので、
そこらでお休みしていてください」そう思いながら家路を急いだが、
家に着いたらいつの間にか姿を消されていた。
ドア、窓はしっかり閉めていたはずなのだが……。

白木峰高原のショーから始まり、
風鈴、ハグロトンボへと魔法にかかったような一日であった。
言い伝えのように、幸運が訪れてくれるだろうか。
どのような幸運でも良いから。