ドアの開く音と共に 声がする
「リッリちゃん リッリちゃん」
「おぉ~~・・・・ △×◎#%*~※£・・・」
なにやら 言葉とも聞き取れない声だ
静かな秋の夜
突然 奇声が発せられる
「あーッ、やめてッ! イターィッ!」
窓のそばで その声は 止めていただきたい
その後 足音がする
ドッドッド
リリコが 階段を下っていく
朝
「昨日の夜は ラルゴがずっと 私の傍で寝てたよ~」
と 言うと
「オレのところには リリコがずっと いたのさ!」
と 自慢げだ
猫がいて
初めて成り立つ 夫婦の会話だ
「リッリちゃん♪ リッリちゃん♪」
声と共に 玄関を出て行く音がする
「リッリちゃん リッリちゃん」
これが 「ただいま」と「行ってきます」の代名詞になっている
現在の我が家なのであった
♪