歌う狸ブログ

街角狸マニアがあらゆるマニアについて歌う「マニアソングス」誕生秘話

給水塔の歌"Top of the Water Tower"から見えたもの

2020-08-17 18:43:14 | マニアソングス Vol.2
みなさまお盆休みはいかがお過ごしでしたでしょうか。私はひたすら曲を作っておりました。9月26日、27日に開催されるマニアフェスタオンラインに向けてCDアルバム「マニアソングス Vol.2」をリリースする為です。このブログで散々ご紹介している通り、マニアの世界観を表現したオリジナル曲「マニアソングス」を細々と作って来ましたが、結構新曲が増えてきたので10曲たまったらCDを作ろうと密かに思っていました。そうこうしているうちにマニアフェスタオンラインの日程が発表されたのです。(主に)マニアフェスタで知り合ったマニアの方のことを歌ったアルバムなのでリリースするタイミングはマニアフェスタをおいて他にありません。ということで、いきなり締め切りが約一ヶ月後になってしまい、急いで残りの曲作りを始めたという訳です。(もちろん自費製作ですので出来る限り製作費を抑える為、CDのプレスは発注から納品まで大体3週間ぐらいかかってしまい、この休み中に曲が出来ていないとほぼアウトという状況に追い込まれました。)

そんな突如訪れた極限状態で作った曲が"Top of the Water Tower"です。早速お聴き頂けたら幸いです。(下のリンクの三角ボタンを押すと曲が再生されます。)


はい。イントロの3音ぐらいでもうお分かりだと思いますが、カーペンターズの"Top of the World"が元ネタですね。日本給水党党首 UCさんこと給水塔マニアの小山さんが給水塔の頭頂部だけを投稿するマニアックなインスタグラムをやっていて、アカウント名が@top_of_water_towerなのですが、前々からどこかで聴いたことがある名前だなと思っていたのです。(青空をバックに整然と並ぶ給水塔頭頂部はめちゃくちゃ綺麗なのでこちらのリンクから是非ご覧ください。)小山さんは給水塔の中でも団地にある給水塔の写真を撮り集めていらっしゃるのですが、日本全国を回って蒐集された給水塔データをまとめた本「団地の給水塔大図鑑」を刊行されています。

 
600箇所を超える団地を訪れて撮影した給水塔を分類した超労作で、写真に添えられたデータやキャプションを見るだけでも楽しい一冊ですが、やはり給水塔の巨大建造物としての独特な存在感や、個々の形状の特徴、そして老朽化でいずれ解体され失われていくという運命、その記録として大変貴重な書籍だと思います。

今回オマージュ(というかほとんどカバー)したカーペンターズや数曲前にやったビーチボーイズは古典でありながら今でも耳にする名曲ですが、意外に音楽をやっている人でもあまりにもスタンダード曲過ぎて実際に演奏したことのある人は少ないかもしれません。その名曲のエッセンスを吸収して再現するというのは、ものすごく勉強になりますし単純にめちゃくちゃ楽しいです。そして作詞は毎回マニアの方の研究成果や、対象物に込められた悲哀を限られた文字数で置き換えていく作業となりますが、これはジャズソング的アプローチに近いものがあります。(ある意味替え歌ですし。)そんな濃厚な要素が凝縮されたマニアソングスを是非ニヤニヤしながらお楽しみ頂けたらと思います。休みの間中ずっと暑い部屋に閉じこもって一人でマニアソングを録っているのですから、いつか「あいつはマニアソングマニアだな」と言ってもらえるようになりたいものです。

(1枚目のアルバム「マニアソングス」はマルシェルで販売しております。歌詞の下のバナーからご覧ください。)


Top of the water tower
作詞作曲:むらたぬき

ボックスのシルエット
壁面には団地名
高さを利用して水を届けるよ
君の街にもあるはずさ

徳利のプロポーション
魅力的な造形美
くびれの場所はよくみりゃ個性的
お気に入りを探しに行こう

I’m on the top of the water tower
団地の中にそびえる謎の塔
いつか役目を終えるその日まで
どうか見下ろして給水塔

円盤のスタイリング
美しい塗装色
ペンキの中に滲んだ錆は
刻まれた歴史の証

むき出しのそのフォルム
よく見える貯水タンク
無骨な見た目の大胆さ
細部に宿るこだわりよ


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