星の林でも月の舟でもなく

波の花、の話。

母方の祖父母は和菓子店を営んでいた。らしい。
「らしい」というのは、二人とも早くに亡くなってしまい
私は面識がないので。

飴細工や練りきりが綺麗だったという話や
戦中、砂糖が調達出来ず豚の餌集めで何とか暮らしていたとか
そんなこんなを時折母から聞いてきた。

先日、初出の話を聞いた。
商家に育った母は、午後に塩を買うときは
お店で「波の花ください」と言っていた。
ググると一発だけど、夜間の塩の移動を嫌う風習があるらしい。
お店のおばあちゃんが、「波の花」を買いにきた若かりし日の母に
「あらまあ!!若いのによく知ってるわねえ、ずいぶん久しぶりに聞いたわ」
と。

なんだかいい話だなあと思う。
漫画に使えないかな、と思う。
俺は学がないし、
そういうアカデミックなのは描いてないしな。

なので、ここに書いてみたですよ。
ご清聴ありがとうございました。