このブログを開設してから丁度5年の歳月が経ちました。
これからも気楽にこのブログで文章を書き続けていくことでしょう。
今回のテーマは「初詣」です。
ウィキペディアで「初詣」の項目を見てみると、以下のような文章が記載されています。
(引用)
初詣が習慣化したのはそれほど古い時代ではなく、明治時代中期のこととされている。(略)京阪神において電鉄会社が沿線の神社仏閣をてんでんばらばらに「今年の恵方は○○だ」と宣伝し始めたために、(略)有名な神社仏閣にお参りするようになったといわれている。
(引用終)
この文章を読んで違和感を感じたので、かつて私が使った文献資料をまとめたメモをもう一度読み返してみることにしました。
このメモをもとに、初詣の習慣が定着した背景を書いてみると・・・
①1899(明治32)年に開業した京浜電気鉄道(現在の京急)が川崎から川崎大師にむけて参詣輸送を開始。
→行楽目的で遠方からの参詣客が発生
(このとき「今年の恵方は東だ」といった恵方の話もでる)
②その後、京浜電鉄が川崎から大森まで延伸したことをきっかけに、1906(明治39)年正月に川崎大師に向かう参詣客を対象に割引回遊乗車券を発売。
→正月に初詣をする人々が増える=正月の習慣と化す
この2点が初詣の習慣が定着した背景となります。
ですので、ウィキペディアの内容は誤っています。
ちなみに関西の私鉄と関係の深いものとして、現在でも行われている年末年始の終夜運転が挙げられます。これは1914(大正3)年に開業した大軌(大阪電気軌道・現在の近鉄奈良線等の前身)がその年の末に新聞広告で終夜運転のお知らせを出すことによって始められたものです。
とまあ、初詣って鉄道網の発達と大きく関係のあるものなのですよね。