上田正樹／Mature Disco Night in Fukuoka

イタリア人建築家が手掛けたというスタリッシュなホテル「イルパラッツォ」。70年代、大人達を熱狂させた「赤坂MUGEN」を再現するMU-ZA企画のイベント第二弾『Mature Disco Night』は、その地下にある「クロッシングホール」で開催された。石造りの玄関を入り階段を降りると、フロアにはドレスアップした妙齢の男女たちが思い思いにグラスを傾けている。イカした空気に、胸が躍り始める。

パーティのスタートはDJタイム。70年代～80年代Discoナンバーのオンパレード。最初は様子を見ていたお客様たちも、絶妙なラインナップに身体をどんどん揺らし始め、会場のボルテージはあげあげに。

そしていよいよ「UEDA MASAKI BAND」の登場。
錚々たる外国人アーティストに混じり、唯一日本人で「赤坂MIUGEN」に出演していたという上田正樹氏。この日の上田氏は、自身のライブとはひと味違っていた。彼のルーツであろうR&Bの名曲たちに上田色のスパイスを加え、幾重にも膨らませながら、日本人離れした歌声を鳴らす。力強くも痺れるほどソウルフルでセクシー！ ギターの養父氏はじめバンドも凄いグルーブで魅せ、フロアはまさにダンスホールのごとし。みんなが音楽を身体全体で感じ表現している。一流アーティストの生演奏にあわせて自然に身体が踊りだす、だなんて、本当に贅沢なDisco Time！

夜毎お洒落した大人達が集い、本物の音楽とお酒を楽しんでいたという「赤坂MUGEN」。自分は「MUGEN」は未体験だったが、この日のクロッシングホールは、間違いなくその空間が蘇ったのだと感じた。そして、この空間が日常的にあった彼の時代を、羨ましく思った。

さとｐ