とるにたらないブログ。

こころの病で文化をよむ(1)、(2) NHKラジオ

1.精神科医という仕事
2024年7月7日(日)放送分

2.躁(そう)とうつの昔と今
2024年7月14日(日)放送分

 

学習メモの抜粋です。

間違いあれば、
私の聞き間違いか、理解不足です。
また、" "内は感想だったり私が追記したものです。

かなり長文なので、読まないほうが良いと思います。

 

1.精神科医という仕事

・精神科医は患者の心を見透かすことが仕事ではない。
それに長けているわけではない。

むしろ、患者の心を深読みすることは禁物だ。

半歩遅れて同伴するくらいが多くの場合適切だと思う。

・心の病という言葉について。
日本語の心という範囲が広すぎる。

・統合失調症は脳という臓器の病気だ。
という考えもある。

・生活史が現病歴と密接に結びついているのが、
精神科医療の特徴であり、
したがって精神科のカルテは、
この部分が特に重要であり、
詳しくもなる。

・精神科の治療は、
薬の治療と、
言葉やコミュニケーションによる精神療法が、
2本の柱となる。

"私の経験では、薬一が99%以上だった気もするが。"

・第3の柱として、患者の生活の援助。
社会福祉でソーシャルワークというものが精神科では特に重要。

・街中の患者さんで統合失調症の人は少ない。
最近目立つのが適応障害だ。

・診察時間が足りない。

・診断基準について。
やはり、米国で作られた。

国際社会だから。

・共感的理解。
キーワードとして。

 

2.躁(そう)とうつの昔と今

・鬱という言葉は2010年に常用漢字に入った。
2010年より以前に、鬱が身近な現象になってきたという、
社会の変化の証拠ともいえる。

・どんなに恵まれた人生でも、
避けることが出来ないのが、
死別であり、時には生き別れるということ。

喪失体験と呼ばれるもの。

喪失によって、
多かれ少なかれ気持ちが沈むということを、
避けることが出来ない。

・キューブラー・ロス。
スイス出身の女性精神医学者。
1960年代の米国で、
癌などで死期が迫っている、
大勢の人々にインタビューを行い、

「死ぬ瞬間」(On Death and Dying.)
という書物に現し大きな反響を呼んだ。

・↑緩和ケアという発想が、
広く知られていない時代だった。

そんな状況でも、
多くの人たちが運命を受け入れ、
平穏に最後を迎えることが観察された。

・↑多くの場合、一定の心理的なプロセスが認められた。

5段階プロセス、
"このラジオでは以下の説明でした。"

1.否認、事実を受け入れることが出来ず否認する。
2.怒り、なぜ私がこのような目に合うのかと怒りを抱く。
3.取引、心を入れ替え、生活態度を変えることで、運命を逃れようとする。
4.抑うつ、打ちひしがれて塞ぎ込む。
5.受容、しかし、多くの人は、
人生の終わりを超えていく希望を見つける。

来世に対する希望、子孫に対する希望など、
人それぞれだが。

・↑は自分の死に対することであるが、
喪失体験一般に広く応用されている。

・喪失体験を乗り越えるには、
抑うつの段階を乗り越える必要がある。

"事実、自身の心と向かい合う必要があるってことでしょうか?"

・健康な鬱と病的な鬱。
うつ病患者の感じている鬱は、
健常者の憂鬱とは質的に異なっているという指摘がある。

・DSM
"精神疾患の診断・統計マニュアル"
では、抑うつ状態の診断の基準として、
①.気分が落ち込んでいること
②.何に対しても興味を感ぜず、喜びを感じない。
のいずれかを必ず含むこととされている。

・↑①について、元うつ病患者曰く、
病気の時の抑うつは、
通常とは違うとのこと。
悲哀感に近いとのこと。

・↑、ある精神医学者は、
うつ病で観察されるのは、
悲哀感ではなくて、
悲哀の不能であると言っている。
悲しむことが出来ないということ。

・②について。
好きだった食べ物の味が感じられない、
趣味が楽しめない、
性欲がなくなった、
世間のニュースに興味が持てない、
など。

・うつ病は身体的な不調も多い。
なので、内科で見てもらって、
問題なしでうつ病の発見が遅れることは、
案外有りがち。

・DSMには長短あるが、
抑うつエピソードの診断基準は、
割合良くできている。

・③食欲が低下か増加し、
体重の増加か減少が著しい。
減少のケースが多いでしょう。

食べられないだけでなく、
消化の能力も落ちているらしい。

・④眠れない、寝すぎ。
早朝覚醒、入眠困難、熟睡感の欠如など。

・⑤話し方、動作が緩慢になる。イライラして落ち着きがなくなる。

・⑥疲れやすさを感じたり、やる気が出ない。

・⑦自分に価値がないと考え自責的になる。

・↑死についての考えが浮かんでくる。
自殺願望と言われるが、
講師は違うと思う。

死についての考えを、
振り払いたいと思っても、
頭に浮かんでしまう。

・うつ病ではないかと思ったら、
地域のクリニックを受診して、
うつ病なのか、相談するのもよいと思う。

・仏教の法事で49日が重視されるのは、
死別後に一応の心を整理をつけるのに、
このくらいの期間が必要だということなのかもしれない。

でも、
辛さが自分の手に余るとき、
うつ病の症状が出ているとき、
49日過ぎても日常のリズムが取り戻せないときなどは、
専門家の助言を仰いでほしい。

・WHOでは2017年に世界で、
約3億人のうつ病患者がいるとされている。

・日本では世界の中でうつ病率が低い国である。

"自殺率は高いのだがな。"

・ヒポクラテス。
病気の原因について、
体液説をとっていた。

四体液がある。
血液
粘液
黄胆汁
黒胆汁

・↑古代インドからギリシアに伝わったと言われている。

・古代ギリシアの学問の、
実証性の無さは、
歴史的限界であったと思われる。

・↑うつ病は、黒胆汁の過剰によって起こると考えた。

メランコリ(メランコリア)は黒胆汁を表すギリシア語に由来している。

・躁病は血液の過剰によって起こると考えられていた。

・躁病は英語でマニアというが、
ヒポクラテス時代のギリシア語由来である。

熱狂、精神的偏重を示す言葉だった。

・躁病は治療の必要があるのか?。

躁病は、
度外れて爽快にあり、過剰に元気になる。

その人の本来の性格とは違う行動をして、
社会の信用を失ってしまう。

・平安時代の辞書にも、
精神の変調として、
てん:癲癇などの発作性疾患
きょう:幻覚や妄想
躁:躁病だと思われる
があげられている。

・うつと躁の原因と治療。

・うつ病の原因とはなんなのか?。
過剰なストレスによって、
心が折れてしまった状態というのが、
多い感がえ方だと思う。

・うつ病の本来の概念は違った。
落ち込む理由がないのに、
ひとりでに気分が落ち込んでゆくものを、
うつ病と言った。

・明治維新で、
精神医学はドイツを手本とした。
クレペリンなどの考え方。

・↑クレペリンは、
理由もなく落ち込むことを、
内因性うつ病と言った。

脳という臓器の働きに不具合があり、
うつ病になるということ。

・双極性障害。
抑うつと、躁病の症状が出るもの。

以前は気分の障害として、
うつ病とひとまとめにされていたが、
最近では、
違いが強調されるようになった。

・↑双極性障害には薬による治療が必要。

・うつ病の治療は、
1に休養、
2に薬。
である。

逆ではない。

時間の経過とともに、
自然に回復してゆく傾向がある。

・抗うつ薬の効果は実証されているが、
あくまでも症状の軽減であり、
休養の効果を高めるために使う物だ。

・日本人は忙しすぎるというのは、
精神科の外来風景からもうかがえる。

・↑休養が取れないため、
本来は予後良好の疾患であるはずのうつ病が、
難治の慢性疾患になってしまう。

・うつ病になったら休めばよいという、
共通認識があれば、
うつ病の治りは格段に良くなるだろう。

そうしたゆとりこそ、
いまの私たちが見失っている、
大事な秘訣ではないかと思う。

・うつ病の人に、
頑張れと言うものではないというのも同じこと。

・ただし、励ましていけないという意見には、
首をかしげる。

励まし方にもよるのだから。

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