ピエロの綱渡り

お勧めできない綱渡り人生

豚脳大王

2009-09-25 | よしなしごと -随想
 これまで食べ物の話は極力書かないよう自粛していたが、前回、豚肉の話を書いたら反応がふだんより多かったので(豚肉の話よりも、ケーキの写真に反応したようだったが)、味を占めて今回も食べ物の話、豚肉の続き。    生物でいちばん旨い部位は、生物としてもっとも機能している部位である、というのが吉田健一氏の持論で、それに倣えば、まず旨い部位の筆頭に脳ミソ、続いて内蔵、生殖器、しまいに肉、ということになるだ . . . 本文を読む

豚肉礼賛

2009-09-18 | よしなしごと -随想
 風邪をひいたりで体調を崩すと、喉がスッキリする生姜をたっぷり食べ、はちみつレモンなどが欲しくなるが、何よりも豚肉が食べたくなる。野菜をたっぷり入れた中華風パスタ、生姜焼き、角煮、豚足煮、こういうものを体が欲するのが自分でわかるし、食べた後は、実際に治りが早くなるようである。豚肉はビタミンB1やタンパク質の宝庫だというような栄養知識を知らされるのは後づけの納得であって、そんなことを云われなくても、 . . . 本文を読む

縁あって…

2009-09-08 | 哲学
 先述の件に関して、おそらく阿部謹也氏が指摘したいのは、特に哲学の場合に見受けられることだが、西洋哲学はたいていの学科にあっても、東洋哲学があまり無いのは、日本の大学としてはおかしいのではないか、ということだろう。確かに、元来われわれの血となり肉となっていると云えるのは、西洋哲学ではなく、仏教や儒教など東洋の思想である。前世とか輪廻転生、あの世などという考えは、特に信心深い人でなくとも、どちらかと . . . 本文を読む

学問と世間

2009-09-04 | よしなしごと -随想
 阿部謹也氏は、自らの出発点と前半の主な力点をドイツ中世史に置いており、氏の『ハーメルンの笛吹き男』『中世の星の下で』などは私も面白く読んだが、それらヨーロッパに関する研究だけでは満足しなかったことが、おそらく氏の経歴の後半に書かれたどの著作からも感じ取られることと思う。  と云うのは、たまたま『学問と「世間」』という著作を古本屋で見つけて読んだが、大学でフランス風をやたらに吹かすくせに、ご当人 . . . 本文を読む

彼方への憧れ

2009-09-01 | よしなしごと -随想
 西洋哲学も漫然と読んでいるうちは、なかなか面白いような気がしないでもないが、自分でそれに没頭し、その枠に沿って何かまとめなくてはならないとなると面倒である。なぜ日本人である自分が西洋哲学を研究しなくてはならないか、の問題が休火山下のマグマのように、目にはさやかに見えねども常にそこに存在し、いつ爆発するかわからない。それが爆発しなければ、アリストテレス研究者なりデカルト研究者なりとして一生を過ごす . . . 本文を読む