
桜の季節

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テレビでは、ここぞとばかりに「どこそこで開花が確認できました」とか「徹夜で花見の場所取りです」等と、連日まるでイベントの高揚的な報道。
なぜこれほどまでに、日本人は桜をこよなく愛するのだろうか。
社会的に、3月~4月にかけては節目の行事が多い。
3月が年度末の企業は多いし、組織の改編や異動に伴う歓送迎会シーズンでもある。
卒業を迎えた学生にとっては、それぞれの進路で新しい生活をスタートさせる。
在校生にとっては、新しい学年に上がって新しい仲間達と新たな一歩を踏み出す。
それでなくとも、厳しい冬の寒さの終わりを告げる春の使者として、人々は癒しと和みの拠り所を桜に求めるのであろう。
四季の変化が大きい国ならではの光景であり、そこに生きる人々の心情なのか。
東京で咲く桜の代表的な品種は、ソメイヨシノ(「染井吉野」)。
江戸末期に、染井村(今の東京都豊島区駒込あたり)でオオシマザクラとエドヒガンを合わせて作られた品種だ。
ソメイヨシノは、樹齢20~30年がピークで、その後は徐々に樹勢が衰えていくらしい。
幼い頃、近所で桜の名所だった場所が、数十年ぶりに訪れてみると何とも寂しい状態になっているという事は、確かに経験がある。
都内の飛鳥山公園や上野公園など、長きに渡って名所として賑わうところは、維持の為に懸命な努力が払われているわけだ

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人間も、肉体的には20~30代がピークである。
たまには酒に溺れず、じっくりと桜と向き合ってゆっくり花見といきたいものだ。
と思ってはいても、ついつい


…なのだが。
写真は、近所の運河沿いにある桜並木。