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マウスのきもち

マウスの気持ちを行動から考えてみるblog

マウスの恋愛事情ーボク、モテるんだよー

2021-09-06 16:55:15 | 日記


2017年7月、太陽と青空と冷えたオールフリー。
そんな季節の中でおきた小さな恋の物語です。
 
 
まうくんの誕生
2017年4月上旬。
マウスの赤ちゃんが産まれました。
8匹。その中で1匹、小さい赤ちゃんがいました。
 
まうくん・・・元気に成長しよう!
できることがないマウソックは、せめて祈りを込めて歌を歌うことに
しました。
「シューベルト アヴェ・マリア」
 
 
まうくんの成長
まうくんは、元気に成長していきましたが、それでも、兄弟マウスより、
小さかった・・

マウソックは、歌を歌います。
「シューベルト アヴェ・マリア」。イメージは、サラ=ブライトマン。
 
手のひらに乗ったまうくんは、歌うマウソックを見ています。
おー、聞いてくれていますね。
気分ののったマウソック、まだ歌います。
 
・・音がずれました。
気にしません、イメージは、サラ=ブライトマンなので。
ボリュームを上げていきます。
♪あーべまりぃやー♪あー、ああああ、れどぅみーファー♪♪
 
まうくん、急に何を思ったのか、手のひらの中でくるくる動き出しました。
・・・咬まれました。
 
話しかけたり、くすぐったり、撫でたり、アヴェ・マリアを懲りずに歌い、時には大地讃頌も歌ったり、
「G線上のアリア」(CD)を聞かせたり。
そんなことを繰り返して7週間・・
 
 
花婿まうくん
まうくん、立派に成長しました。
兄弟たちと比べても全く同じ体格。小さいなんて思いません。
マウソックはまうくんを6匹のマウスちゃん達がいるお部屋へそっと
入れました。
みんな仲良くね。

・・・数時間後・・・のぞき魔マウソックが見た光景・・・

まうくんの周りを囲むようにマウスちゃん達がいます。
まうくんのとなりを2匹のマウスちゃん達がぴったりくっついて、
その前と後ろにまたマウスちゃん達が2匹ずつ。
 
おー、すごいねー、マウス団子だ!
・・・え?そんなに寒い?
ー温度計25℃。適温ー
 
違うよ、ボク、モテるんだよ。
マウス団子は愛の団子だった。
まうくんが動くと、マウスちゃん達も動く。そして、また団子。
・・・愛だね。
 
 
赤ちゃん誕生
それから1週間後、お部屋の中を見たマウソックは、ふっと、笑顔に
なりました。
妊娠したのは、6匹中1匹だけ。
なぜ、1匹だけだったのか、今までの同居生活、どんな思いがあった
のだろう・・・?一途?そんなワケないか・・
自分の思いにヘラヘラしながら、でも、聞いてみたい気持ちもありました。

まうくんは、その後1週間ほどマウスちゃん達と同居を続けた後、
別部屋へと移動しましたが、妊娠した1匹のマウスちゃんと
5匹のマウスちゃん達は、いつもマウス団子を作って寄り添っていました。
 
 そして、さらにしばらく経過して・・
マウス団子の中心には生まれた赤ちゃん(6匹)そして、ママ達がいました。
頑張って産んだマウスちゃん(1匹)も、見守ったマウスちゃん達(5匹)も、どの女の子も一生懸命お世話をして、赤ちゃんは、すくすくと
育っていきました。
 
 
 鮮やかに、形のないもの
あれから何年もたちました。
ふと手に取った「シューベルトのアヴェ・マリア」(CD)。
 
イントロが流れ、変わることのないサラブライトマンの声。
 
もうこの世にまうくんも6匹のマウスちゃん達も、あのとき生まれてきた
赤ちゃんもいません。
 
 
鮮やかに覚えているあのマウス団子。
黒毛のマウス達が残してくれた形のないもの。
今も、そして、これからもずっと温かい。
 
 

おやつの声が聞こえる。

2021-04-26 23:31:38 | 日記
アレルギーが、出てしまっている。

ジュニアくんをみたマウソックは、暗い気持ちになりました。

ステロイド薬と抗生剤を飲ませ続けて1カ月間。
休薬開始から2週間目、するどい爪で自分の脇腹を掻き立てるジュニアくんに、マウソックは、静かに言いました。

ジュニアくん、掻いたらだめよ

その声を聞いたジュニアくん、掻き立てるのを不意にやめました。
そして、確かに聞こえた声の方向を向きました。

だめよ

ジュニアくんは、じっとこちらを見ています。
「(おやつの声がしましたね!)」

だめよ、ね、ジュニアくん、掻かないのよ

マウソックは、念を押すようにゆっくり、うなずきました。

ジュニアくんも、こくり、うなずきました。
「(くれるの?おやつ?)」

いい子ですね

マウソックは、にこやかにまた、うなずきました。
ジュニアくんも、うなずきました。
そして、体を武者震いのように震わせながら、まっすぐマウソックを見つめました。
「(わくわくします。早くください。)」

マウソックは、ジュニア君に向かって手をヒラヒラとふりました。
ジュニアくんは、後ろ足で立ち上がると、片手でそばのおもちゃをつかみながら、片手をおもむろに上げました。

そして、さかさかマウソックの前までよってくると、立ち上がり、鼻をヒクヒク、口をぱくぱく動かしました。

おやつ。

ついさっきまで痒そうにしょぼしょぼしていたジュニアくんの目は、きらきら、見るものを深く吸い込むように輝いています。


飼い主は 引き込まれる前に立ち去らん 瞳の輝くに


余談-マウソックの大きな声で独り言 第4回

2021-01-28 00:05:52 | 日記

余談ーマウソックの大きな声で独り言をお読みいただき、誠にありがとうございます。

前回、「余談ーマウソックの大きな声で独り言 第3回」では、飼い主が声をかけて、手を振るとマウスが手を振り返すことから、考察を重ね、集団生活と模倣行動は何らかの相関関係があるのでは?とお話ししました。

今回、「余談ーマウソックの大きな声で独り言 第4回」では、その仮説の根拠となった研究を紹介させていただきます。


早稲田大学の研究
―隔離飼育されたマウスの「周囲に馴染まない」⾏動は、集団飼育されたマウスとの同居で改善―

■登場鼠物
 マウスA君
 マウスB君
 マウスCくん
 マウスDくん

■観察
 生後4週間で離乳した(巣立った)A君、B君、Cくん、Dくん
 A君 :一匹生活スタート!
 B君 :一匹生活スタート!
 Cくん:集団生活スタート!
 Dくん:集団生活スタート!

 そして・・・35週間後
 A君、B君、Cくん、Dくん、みんなで、集団生活スタート!

 A君 :集団生活になかなか慣れません・・・
 B君 :集団生活になかなか慣れません・・・
 Cくん:集団生活にすぐ慣れたよ!Dくん、くっつこ!!
 Dくん:集団生活にぼくも、すぐ慣れた!Cくん、くっつこ!!

 そんな2匹をみていたA君、B君・・・さらに数日後
 A君、B君、Cくん、Dくんみんなで仲良くくっついてマウス団子が完成。      


 図1 マウス団子・・暖・・
 (マウス団子:ハドリング(寄り添い行動))
 Topic(下記、参考資料を参照)より、赤い線がついているマウスが、
 このお話しに置き換えると、CくんとDくんに該当します。

■考察
 ―集団生活をするまわりのマウスを見て自然に真似をするようになる―
 このような実験から、周囲になじまない行動は、集団飼育されたマウスと
 の同居で改善すると結論付け、精神疾患の治療法開発研究への寄与に期待
 できるとしています。

マウソックの観察
マウソックは、この結論に、+αとして、環境が個々のマウスに合っているという前提条件も結果に大きく影響すると思っています。詳細は、以前記載した「マウスが鬱になっちゃった」をお読みください。

マウスが鬱になっちゃった
概要
ととくん、ここくん、ももくん、ぽぽくんは、マウス団子を頻繁に作っていました。そのうちにマウス団子が壊れることが頻繁にみられるようになりました。観察を続けると、ぽぽくんが執拗な攻撃に合っていることが分かりました。そして、ぽぽくんは、鬱様行動をとるようになってしまいました。

なぜ、寄り添い行動から鬱様行動を発するまでの攻撃行動になってしまうのか、また別の一例を下記します。

■ジュニア君とあーちゃんの場合
ジュニア君は、離乳して1か月程経過したのち、3〜4日ほどあーちゃん(ジュニア君の父親)と同居生活をしたことがあったのですが、マウス団子を作っても、すぐに鳴き声をどちらかがあげるほどの攻撃行動をお互いがしていました。
このころ、あーちゃんとジュニア君は劇的に生活環境が変化したため、不安があったのだと思います。実際、不安様行動として、1)あまり動かない 2)暗いところにいる時間がやたらに長いということが観察されました。 そして、しきりに鳴き声を上げていました。
4日目以降、2匹を単飼育にした結果、時間がかかりましたが、次第に不安様行動が減っていきました。

マウソックの考察
早稲田大学の研究と私のマウス飼育経験から、いかに環境から不安をとりのぞくか、それが、マウスの模倣行動につながるのではないかと思っています。

このように結論つけられる数値データは持ち合わせていませんが、不安様行動が確認される間は、縄張り意識もあってか、マウス団子を作らず、作ってもすぐに壊れ、周りを見て自分も同じような行動をとらないことを飼育観察から確認しています。

マウソックの記憶の中で
ににちゃん、ぽぽくんが私の手元を去って、今、しばらくの時間が過ぎたことに気が付きました。

一生懸命に手を振り返してくれたににちゃんぽぽくんは、
まぁ、ベスト!ってわけじゃないけど、この環境はまあまあかなぁと、
伝えてくれていたのではないか


マウソックの目にゆらゆらと涙があふれてきました。


それを、壊してしまったのは、飼い主でした。
ににちゃんは、おやつによるアレルギーによって、掻痒行動が止められず、
皮膚疾患を患い、全身に発症してしまいました。

ぽぽくんは、次第に体重が軽くなり、重さを感じられなくなりました。
死期が近いことを悟った飼い主は、闇のようなかなしみに耐えることができず、栄養ミルクを好きなだけあげてしまいました。
ぽぽくんは、体調をくずし、亡くなってしまいました。

今、手元にいるジュニア君は、手を振ることをしてくれていません。
手元にいてくれる時間は、限られています。
至らない飼い主は、手元に残った最後のマウス、ジュニア君の顔を見つめて、手を振り続けています。

―何をいっているの?どうして手をひらひらさせるの?-

時々、顔をかしげながら、ジュニア君の目は、今日もまっすぐに私をみていました。

参考資料
早稲田大学 Topic
https://www.waseda.jp/top/news/62583

ぽぽくんからの注意

2020-09-23 05:13:44 | 日記

秋深し、木の葉が風とおどり始める2019年11月上旬。
日曜朝8時頃。


マウス達と同居するようになってから、起きたことがない時間に起きるようになった
マウソック。
布団から這い出てくると、カーテンを開けます。
そして、窓を思いっきり開けると冷たい空気が朝の光とともに部屋へ浸透してきました。

おはよう!おはようございます!!おはよう!おはようございます!!!

職場でもこんなに何回も大音量で言ったことがありません。
でも、この言葉、大声で言うと目が覚めて、結構すっきりします。

朝に弱く、起きるとフラフラして、毎朝どこかにぶつかりながら歩いていたマウソックは、マウス達のおかげで少しずつ朝に強くなりました。

みんな、元気ですか?
はい、コンドロイチンタブレットです。これで、足腰の心配を減らしましょう!

1匹、1匹に直接手渡します。
元気よく受け取ってくれました。


ぽぽくんからの注意
最後の1匹、ぽぽくん。
おはよう!コンドロイチンタブレットだよ!

待ちきれず、前足をお部屋の壁に付けて後ろ足だけで立ち上がり、ぼんぼんジャンプ。
ぽぽくんは、お太り様なので、跳ねるたびに、丸い重そうなお腹がぼむぼむ揺れています。

えー、大丈夫?
マウソックは、にゅっとぽぽくんに、顔を寄せてみました。
マウソックとぽぽくんの距離、およそ20cmくらい。

大丈夫そうだね。
見た目大丈夫そうでも安心できないのが小動物ですが、でも、いつもと全く同じ動きなのでよし!

おはぁようございます!!
そのとき、ぽぽくんがふらぁっと後ろへ倒れそうになった。

!!
と、思ったら、もとどおり。壁に手をつけて、後ろ足だけで立ち上がっています。
が、固まったまま。

?!
ぽぽくん、しばらく固まったままマウソックをまっすぐ見ていました。


 ・・・鼠による人間の口臭チェック、歯を磨けと注意を受けるかな・・・

マウスの内緒話 ーぼくは、怒っているー

2020-06-23 12:28:02 | 日記
熱日を浴び続けた建物は、夜になっても冷めなかった。
そして、人間の叡知のひとつ熱交換機の限界に迫ってくる。
2017年、夏の夜。

今日も暑かった・・・全然涼しくならない・・
マウスくん達、大丈夫ですか?
このころは、一時的に5匹の雄マウスが、1つのお部屋で同居していました。
5匹とも保冷剤で冷えているお部屋の壁にぺったり張り付いています。
以前、このお部屋のそばに氷を置いてみたのですが、冷えすぎてしまったため、今度は保冷剤にしてみたら、あまり冷えない、すぐに溶けてしまうで、調節難・・
常時毛皮着用のマウスくんたち・・暑いよね・・
クーラーで適温になっていますが、でも、やっぱりなんだかんだ暑さに包まれてしまう。
もう、ぐったり・・

翌日・・
朝早くから太陽が元気に空をのぼります。
今日も暑いです!と青い空が伝えてくる午前7時。
寝られなかったな・・しんどいな・・・
夏空を見上げて、太陽かがやきすぎ、とか、夏は1週間くらいになるよう
もっと地球が調節せぇとか、夏だけロックダウンで経済活動量を落とさない方法を考なあかん、・・・ぶつぶつ。ぶつぶつ。
でも、地球の自転と公転に文句を言うレベルの人間が、もし、経済活動量を落とさない方法を持っていたら、それは、もうパンドラの箱。
・・・・。
マウソック、文句を垂れ流したら少し落ち着いたのか、室内の空気を循環させてみようと素直にイトーヨーカドーでサーキュレーターを購入しました。
お昼頃、汗だくで帰宅。

サーキュレーター登場!
サーキュレーターは、白くてマッシュルームみたいな形。
スイッチON。ぶおーと頑張る音と冷風が出てきました。
おおぉぅ・・・・・
暑い日差しの中、頑張って運んできたかいがありました。
「弱」冷風ですが、部屋の中の空気を動かして、暑さをどけてくれている気がします。
多分、いいね!
マウソックは、マウスくん達にも涼しさがしっかり届くよう、マウスくん達のお部屋と同じ高さの植木鉢の台にサーキュレーターを置きました。
そして、部屋の涼んだ空気をよろこびながら、いつの間にか眠ってしまいました。

事態は、起きていた。レベル:最悪。
午後6時。
マウソックが起きたときに見た光景・・・
サーキュレーターが「強」になっていて、マウスくん達に激突。
丸くなってみんなで、目をつむって必死に耐えています。
マウスくん達のお部屋に敷いている紙製の床敷もそちらこちらに吹き飛ばされてしまい、おしっこが床敷に吸収されず、体がところどころべたべた。
!!なんで?
あわてて、スイッチOFF。
みんな、がたがた震えていました。
震えが止まらず足取りもおぼつきません。
おそらくですが、マウソックが寝返りしたときに誤ってサーキュレーターのリモコンを押してしまったのだと思います。そのため、マウスくん達に強冷風が激突する位置でサーキュレーターの首振りが偶然停止。
その時間、およそ5時間。
なんてことを・・ごめん、ごめんね。
マウソック、散らかったお部屋をきれいにしてから、一時的に毛布を掛けました。
しばらくするともわもわ、暑さがまた漂い始めた。
マウソックは、毛布を取るとおもむろにお部屋の扉を開けて、一匹のマウスくんを手に取り体温を確認。
良かった、大丈夫だ・・・

マウスには逆鱗がある
マウソックは安心して、マウスくんをお部屋に戻しました。
すると、みんながお部屋に戻ったマウスくんへわらわら寄ってきました。
マウスくんのお顔をのぞき込んだり、体を少しばかりくっつけたり、
かおを寄せて、ひそひそ・・ひそひそ・・ひそひそ・・
どのマウスくんもマウソックに背を向けて、なんだろう・・マウスの内緒話・・?
そのとき、
1匹のマウスくんが、マウソックと向き合いました。そして、後ろ足だけですっと、立ち上がりました。
その姿、毅然。
体勢を戻すと、一呼吸。

そして、規則正しく力強く、しっぽを左右に動かし始めた。


しっぽは、床敷とこすれて、シャ、シャ、と音を鳴らしています。
例えてマムシの威嚇音に似ている。
え!え!
思わず見入るマウソック。
耳はぴんと立ち上がり、細く三角につりあがる眼。
シャ、シャ、鳴り続ける音。
泰然たるマウスくんから、ぎろり、眼光が一気に放たれた。
人間マウソックは、マムシマウスの視線から逃れられず、瞬殺、完全に喰われてしまいました。

時間が過ぎていく。
太陽は沈みかけて、夜を迎えようとしています。
静かに眠るマウス達。
昼の残暑がある部屋の中からマウソックは、暗闇に沈んでいく窓の外を見ていました。
ごめんね、こわかったね。もう、しないよ。