マウスのきもち

マウスの気持ちを行動から考えてみるblog

猫と、マウス

2022-02-07 12:45:06 | ペット
猫と、マウス。トム&ジェリーが有名ですね。

猫とマウスに共通点があることが分かりました。
それは・・

猫は前足をぐぱーぐぱーして、通称「ふみふみ」しますが、これは、成猫の場合、甘えのサインであると言われていると思います。

実は、マウスもこのふみふみと同じ行動をすることが分かりました。
水を飲んでいるときに、その行動が確認されました。

母乳を飲んでいた時、同じことをしたことがあったのでしょう。
その名残は、マウスも猫も残るのですね。

ただ・・残念なことに、このふみふみは、甘えの行動に繋がっているかまではわかりません。
たまたま水がでにくかったため、そのような行動が出たのかもわかりません。

やわらかいマットの上にジュニア君を乗せてみましたが、新規な物に対する探究心が勝ってしまい、臭いをかぐばかりで、残念ながら、ふみふみの行動は、確認できませんでした。

マウスに甘えるという行動があるならば、どのような気持ちがあるのか、
その解明は、人間の様々な気持ちの最後に残る気持ちに繋がっているような
気がしています。


ジュニア君は、今日も、やさしくグーパーと手を動かしながら、こくこくお水を飲んでいました。

マウスの恋愛事情ーボク、モテるんだよー

2021-09-06 16:55:15 | 日記


2017年7月、太陽と青空と冷えたオールフリー。
そんな季節の中でおきた小さな恋の物語です。
 
 
まうくんの誕生
2017年4月上旬。
マウスの赤ちゃんが産まれました。
8匹。その中で1匹、小さい赤ちゃんがいました。
 
まうくん・・・元気に成長しよう!
できることがないマウソックは、せめて祈りを込めて歌を歌うことに
しました。
「シューベルト アヴェ・マリア」
 
 
まうくんの成長
まうくんは、元気に成長していきましたが、それでも、兄弟マウスより、
小さかった・・

マウソックは、歌を歌います。
「シューベルト アヴェ・マリア」。イメージは、サラ=ブライトマン。
 
手のひらに乗ったまうくんは、歌うマウソックを見ています。
おー、聞いてくれていますね。
気分ののったマウソック、まだ歌います。
 
・・音がずれました。
気にしません、イメージは、サラ=ブライトマンなので。
ボリュームを上げていきます。
♪あーべまりぃやー♪あー、ああああ、れどぅみーファー♪♪
 
まうくん、急に何を思ったのか、手のひらの中でくるくる動き出しました。
・・・咬まれました。
 
話しかけたり、くすぐったり、撫でたり、アヴェ・マリアを懲りずに歌い、時には大地讃頌も歌ったり、
「G線上のアリア」(CD)を聞かせたり。
そんなことを繰り返して7週間・・
 
 
花婿まうくん
まうくん、立派に成長しました。
兄弟たちと比べても全く同じ体格。小さいなんて思いません。
マウソックはまうくんを6匹のマウスちゃん達がいるお部屋へそっと
入れました。
みんな仲良くね。

・・・数時間後・・・のぞき魔マウソックが見た光景・・・

まうくんの周りを囲むようにマウスちゃん達がいます。
まうくんのとなりを2匹のマウスちゃん達がぴったりくっついて、
その前と後ろにまたマウスちゃん達が2匹ずつ。
 
おー、すごいねー、マウス団子だ!
・・・え?そんなに寒い?
ー温度計25℃。適温ー
 
違うよ、ボク、モテるんだよ。
マウス団子は愛の団子だった。
まうくんが動くと、マウスちゃん達も動く。そして、また団子。
・・・愛だね。
 
 
赤ちゃん誕生
それから1週間後、お部屋の中を見たマウソックは、ふっと、笑顔に
なりました。
妊娠したのは、6匹中1匹だけ。
なぜ、1匹だけだったのか、今までの同居生活、どんな思いがあった
のだろう・・・?一途?そんなワケないか・・
自分の思いにヘラヘラしながら、でも、聞いてみたい気持ちもありました。

まうくんは、その後1週間ほどマウスちゃん達と同居を続けた後、
別部屋へと移動しましたが、妊娠した1匹のマウスちゃんと
5匹のマウスちゃん達は、いつもマウス団子を作って寄り添っていました。
 
 そして、さらにしばらく経過して・・
マウス団子の中心には生まれた赤ちゃん(6匹)そして、ママ達がいました。
頑張って産んだマウスちゃん(1匹)も、見守ったマウスちゃん達(5匹)も、どの女の子も一生懸命お世話をして、赤ちゃんは、すくすくと
育っていきました。
 
 
 鮮やかに、形のないもの
あれから何年もたちました。
ふと手に取った「シューベルトのアヴェ・マリア」(CD)。
 
イントロが流れ、変わることのないサラブライトマンの声。
 
もうこの世にまうくんも6匹のマウスちゃん達も、あのとき生まれてきた
赤ちゃんもいません。
 
 
鮮やかに覚えているあのマウス団子。
黒毛のマウス達が残してくれた形のないもの。
今も、そして、これからもずっと温かい。
 
 

ジュニア君に告げる明日

2021-07-09 01:00:51 | ペット
「ジュニア君はきっと治る」をお読み頂き、誠にありがとうございます。
マウソックは、なぜJAC阻害剤をおもったのか・・
そのお話しの前に、ジュニア君の今を連載でお伝えします。
この連載では、日々、「ペットを飼う」ということを考えさせられているマウソックのその時々の感情を率直に記載しています。表現に疑問もあることながら、どうぞ宜しくお願い致します。


ジュニア君はいま・・

ジュニア君は、現在も、毎日痒みと戦っています。
回復したり、痒みがまた出たりを繰り返すたび、投薬と休薬を繰り返していましたが、ある日を境に劇的に悪化しました。

体調がよくなったのをきっかけに大好きなアーモンドの欠片を渡しました。
2〜3日、徐々に掻痒行動が増えてきたため、2021年6月13日投薬を再開。
それから、3週間経過しても、いつもなら治まる掻痒行動が治まらず、2021年7月3日動物病院受診。

食物アレルギーではない
今まで診療してくれた獣医師は、事情により欠勤していたため、代理の獣医師が診療してくれました。

「いや、これはアレルギーが因子の痒みじゃないじゃない、これは、別の因子を考えないといけない」

獣医師は、特発性の皮膚疾患の可能性を話始めた。
ににちゃんのときの、光景がよみがえる、ああ、病院を変えたのに全く同じことを言っている。
多少の不安が、嫌な予感を招きました。
「痒みが走り出すとそれが、止まらなくなる。痒みを止めてほしい」
マウソックは、絞り出すように言うと、獣医師は、効かないステロイドを入れ続けるのはよくないので、薬を変えると言った。
マウソックの不安がなぜか加速した。
「いずれ皮膚生検も視野に入れるがいまはそこまでを想定していません。」これは、違う、と感じるだけである。焦り、いら立ちそればかり。違うと思う根拠を説明できない。このままでは、ジュニア君が苦しむ未来しか見えてこない。獣医師の説明に信用より不信が勝る。

「助けたい。必ず」マウソックは、願いを口にした。
「これで様子をみましょう」と、獣医師は言った。

信じよう、決意を促す穏やかな声と微笑みだった。


不安

会計の時、看護師は、こともなく、告げた。
「これが、痛みを止めるお薬ですね。お大事に。」
マウソックは、尋ねた。
「痛み?痒みじゃなくて?」
「はい・・先生がそのように・・」

服薬しても治まらない掻痒行動。アレルギーじゃないという獣医師。以前とは違う薬。こちらの薬のほうがいいのかもわからない。
「わかりました。」

帰り道、ひたすら言い聞かせた。大丈夫、大丈夫。痒みは止まるから。
ジュニア君に、自分自身に。

夕方服薬。そして、真夜中3時頃。
なんとなく気になり、ジュニア君のお部屋を開けて、ジュニア君の様子をみました。
「え・・なんで・・」
そこには、毛がとれ、表皮がはがれ、内皮が一部むき出しになっているジュニア君がいました。とても痒かったのだと思います。
毛の隙間から見えた地肌も赤く、体温も高かった。


マウソックは激怒した

マウソックは、心の内にあった気持ちを夜中に一人で怒鳴り散らしました。
あれほど言った、慎重になってほしい、痒みを止める薬を慎重に調薬してほしい。
どうして、なんで、どうして、私の言うことを真剣に聞いてくれないのか、
聞いていたなら、なぜ、数時間でここまで悪化するのか、どうして、自分の臨床経験だけで、判断するのか、信じられない、症例に合わせて、変更できるからこその臨床経験ではないのか、なぜ、症例に合わせて慎重に段階を踏むことがどうしてできないのか、薬は本当に正しかったのか、あれほど、こうなってからでは、遅いといったのに。

朝、ジュニア君を小脇に抱え、自宅をでました。午前6時半。
向かったのは、動物病院。

どうしても許せなかった。聞く耳を持たず、自分の臨床経験だけで進めたことに傲慢を感じずにはいられなかった。

獣医師は青ざめて立っていた
マウソックは、静かな待合室に入ると、ジュニア君にお水をあげました。
ジュニア君は、マウソックを見上げると、こくこく水を飲み、また鋭い爪で
掻き立てました。

だめよ。掻いたら。
マウソックは、静かに言うと、ジュニア君は、マウソックの顔を見上げました。
痒いんだよ。とても。

マウソックは、コントロールの効かない痒みとたたかう小さな黒毛のマウスを見つめました。
ごめんね、ほんとうに・・力がないね・・
言葉も、要領も、機転も、知識も、すべて、つまり、能力が、圧倒的にない。

そんな人間が言いうことは、所詮、わめいたぐらいで、何も伝わらないということか・・気が付いていたけれど、認めたくないからいつも誤魔化しているけれど、最後は、結局、後悔。こんな繰り返しの飼い主では、ペットは、生きていけない。ほしいのは、ただ能力。どうすれば得られるのか。

そのとき、その静かな待合室の扉が、カランコロンと音を立てました。
振り向くと、青ざめて呆然と立ち尽くしながら、こちらを見つめる獣医師がいました。

おやつの声が聞こえる。

2021-04-26 23:31:38 | 日記
アレルギーが、出てしまっている。

ジュニアくんをみたマウソックは、暗い気持ちになりました。

ステロイド薬と抗生剤を飲ませ続けて1カ月間。
休薬開始から2週間目、するどい爪で自分の脇腹を掻き立てるジュニアくんに、マウソックは、静かに言いました。

ジュニアくん、掻いたらだめよ

その声を聞いたジュニアくん、掻き立てるのを不意にやめました。
そして、確かに聞こえた声の方向を向きました。

だめよ

ジュニアくんは、じっとこちらを見ています。
「(おやつの声がしましたね!)」

だめよ、ね、ジュニアくん、掻かないのよ

マウソックは、念を押すようにゆっくり、うなずきました。

ジュニアくんも、こくり、うなずきました。
「(くれるの?おやつ?)」

いい子ですね

マウソックは、にこやかにまた、うなずきました。
ジュニアくんも、うなずきました。
そして、体を武者震いのように震わせながら、まっすぐマウソックを見つめました。
「(わくわくします。早くください。)」

マウソックは、ジュニア君に向かって手をヒラヒラとふりました。
ジュニアくんは、後ろ足で立ち上がると、片手でそばのおもちゃをつかみながら、片手をおもむろに上げました。

そして、さかさかマウソックの前までよってくると、立ち上がり、鼻をヒクヒク、口をぱくぱく動かしました。

おやつ。

ついさっきまで痒そうにしょぼしょぼしていたジュニアくんの目は、きらきら、見るものを深く吸い込むように輝いています。


飼い主は 引き込まれる前に立ち去らん 瞳の輝くに


余談-マウソックの大きな声で独り言 第4回

2021-01-28 00:05:52 | 日記

余談ーマウソックの大きな声で独り言をお読みいただき、誠にありがとうございます。

前回、「余談ーマウソックの大きな声で独り言 第3回」では、飼い主が声をかけて、手を振るとマウスが手を振り返すことから、考察を重ね、集団生活と模倣行動は何らかの相関関係があるのでは?とお話ししました。

今回、「余談ーマウソックの大きな声で独り言 第4回」では、その仮説の根拠となった研究を紹介させていただきます。


早稲田大学の研究
―隔離飼育されたマウスの「周囲に馴染まない」⾏動は、集団飼育されたマウスとの同居で改善―

■登場鼠物
 マウスA君
 マウスB君
 マウスCくん
 マウスDくん

■観察
 生後4週間で離乳した(巣立った)A君、B君、Cくん、Dくん
 A君 :一匹生活スタート!
 B君 :一匹生活スタート!
 Cくん:集団生活スタート!
 Dくん:集団生活スタート!

 そして・・・35週間後
 A君、B君、Cくん、Dくん、みんなで、集団生活スタート!

 A君 :集団生活になかなか慣れません・・・
 B君 :集団生活になかなか慣れません・・・
 Cくん:集団生活にすぐ慣れたよ!Dくん、くっつこ!!
 Dくん:集団生活にぼくも、すぐ慣れた!Cくん、くっつこ!!

 そんな2匹をみていたA君、B君・・・さらに数日後
 A君、B君、Cくん、Dくんみんなで仲良くくっついてマウス団子が完成。      


 図1 マウス団子・・暖・・
 (マウス団子:ハドリング(寄り添い行動))
 Topic(下記、参考資料を参照)より、赤い線がついているマウスが、
 このお話しに置き換えると、CくんとDくんに該当します。

■考察
 ―集団生活をするまわりのマウスを見て自然に真似をするようになる―
 このような実験から、周囲になじまない行動は、集団飼育されたマウスと
 の同居で改善すると結論付け、精神疾患の治療法開発研究への寄与に期待
 できるとしています。

マウソックの観察
マウソックは、この結論に、+αとして、環境が個々のマウスに合っているという前提条件も結果に大きく影響すると思っています。詳細は、以前記載した「マウスが鬱になっちゃった」をお読みください。

マウスが鬱になっちゃった
概要
ととくん、ここくん、ももくん、ぽぽくんは、マウス団子を頻繁に作っていました。そのうちにマウス団子が壊れることが頻繁にみられるようになりました。観察を続けると、ぽぽくんが執拗な攻撃に合っていることが分かりました。そして、ぽぽくんは、鬱様行動をとるようになってしまいました。

なぜ、寄り添い行動から鬱様行動を発するまでの攻撃行動になってしまうのか、また別の一例を下記します。

■ジュニア君とあーちゃんの場合
ジュニア君は、離乳して1か月程経過したのち、3〜4日ほどあーちゃん(ジュニア君の父親)と同居生活をしたことがあったのですが、マウス団子を作っても、すぐに鳴き声をどちらかがあげるほどの攻撃行動をお互いがしていました。
このころ、あーちゃんとジュニア君は劇的に生活環境が変化したため、不安があったのだと思います。実際、不安様行動として、1)あまり動かない 2)暗いところにいる時間がやたらに長いということが観察されました。 そして、しきりに鳴き声を上げていました。
4日目以降、2匹を単飼育にした結果、時間がかかりましたが、次第に不安様行動が減っていきました。

マウソックの考察
早稲田大学の研究と私のマウス飼育経験から、いかに環境から不安をとりのぞくか、それが、マウスの模倣行動につながるのではないかと思っています。

このように結論つけられる数値データは持ち合わせていませんが、不安様行動が確認される間は、縄張り意識もあってか、マウス団子を作らず、作ってもすぐに壊れ、周りを見て自分も同じような行動をとらないことを飼育観察から確認しています。

マウソックの記憶の中で
ににちゃん、ぽぽくんが私の手元を去って、今、しばらくの時間が過ぎたことに気が付きました。

一生懸命に手を振り返してくれたににちゃんぽぽくんは、
まぁ、ベスト!ってわけじゃないけど、この環境はまあまあかなぁと、
伝えてくれていたのではないか


マウソックの目にゆらゆらと涙があふれてきました。


それを、壊してしまったのは、飼い主でした。
ににちゃんは、おやつによるアレルギーによって、掻痒行動が止められず、
皮膚疾患を患い、全身に発症してしまいました。

ぽぽくんは、次第に体重が軽くなり、重さを感じられなくなりました。
死期が近いことを悟った飼い主は、闇のようなかなしみに耐えることができず、栄養ミルクを好きなだけあげてしまいました。
ぽぽくんは、体調をくずし、亡くなってしまいました。

今、手元にいるジュニア君は、手を振ることをしてくれていません。
手元にいてくれる時間は、限られています。
至らない飼い主は、手元に残った最後のマウス、ジュニア君の顔を見つめて、手を振り続けています。

―何をいっているの?どうして手をひらひらさせるの?-

時々、顔をかしげながら、ジュニア君の目は、今日もまっすぐに私をみていました。

参考資料
早稲田大学 Topic
https://www.waseda.jp/top/news/62583