久しぶりに貴金属関連の話について書く。
本日(2020年12月16日)、純プラチナETFを11株だけ3,210円で売却した。必ずしも売り時と思った訳ではないが、特定口座の年間利益調整のために中途半端に一部だけ売却した。
2021年1月8日の追加売却についても追記した。
今回売却した純プラチナETFは、コロナショックで貴金属も大きく下げていた今年3月17日に30株、2,190円で購入した分の一部だ。純銀ETFの替りに買ったのだった。その経緯とか純銀ETFの売買については以前書いた。結果的には、些細な指値には拘らず、当初の考え通りに値動きの大きい純銀ETFを買っておくべきだった。
純プラチナETFと純銀ETFの価格の1年間の比較チャートを以下に示す。
出所:元のグラフはヤフーファイナンス
コロナショックでの下げからの戻りに際して、純銀ETFの方は金価格に対する銀価格の出遅れ感から投機的資金が流入して大きく上げた。金にしても銀にしても、もはや投機的な動きが主導している。用途、産出コスト、産出量とかの話は後追いの補足説明には使えても、価格決定に対してはほとんど意味を持たなくなっている。貴金属で投機的資金が回りやすい順が金>銀>プラチナで、最近はプラチナにもようやく資金が回ってきた感じになっている。あくまで短期的な話としてだけど。
7月の記事だが、日経に以下のようなプラチナ投資に関する記事も出ていた。
(タイトル形式の引用でないと表示が崩れたので、この形式で)
昔、プラチナは金よりも高いのが普通だったが、2011年ぐらいから逆転され始め、2015年以降は本格化して差が開き、最近では金の方が2倍以上高くなっていた時期もあった。昔から純金積立をしていた私は、プラチナや銀が割安になってきたと思った頃からプラチナや銀へも積立投資をしてきた。開始時期はプラチナで2011年、銀で2014年からなので、昨今のにわか投資家とは年季が違う。だからと言って儲かるとは限らないが、スポット購入も交えて投資してきた結果、プラチナや銀の積立でも利益が出る平均買いコストになっている。
私にとっては貴金属への投資は積立が基本なので、ETFの売買は遊び半分で少額で比較的短期で行うものになっている。今回の純プラチナETF 11株の売却で利益は1.1万円ほどに過ぎないが、暴落時に拾えたので利益率46%弱、年利換算61%強の好成績となった。残りは、来年には様子を見ながら利益確定するつもりだ。
なお、プラチナに関して、最近は水素絡みで燃料電池車の電極触媒としての用途に関心が集まっている。この用途でプラチナ需要が長期的に増加し、長期の値上がりが期待できるというストーリーである。自動車産業での貴金属の利用に関しては、例えば昨年6月の記事だが、割と詳しい解説がある。
環境絡みは息の長いテーマになるのは間違いないだろう。貴金属の値上がりによる長期的利益は、積立の方で得たいと思っている。
余談だが、子供の頃(50年ほど前)冬になるとテレビで白金カイロの宣伝をよく見た記憶がある。白金(プラチナ)の触媒作用を利用して、ベンジンを分解して熱を取り出すので、この名前になっている。今もあるのかなと思って調べたら、ロングセラー商品としてまだ売られていた。正式名称はハクキンカイロらしい。使い捨てカイロより環境に優しいから、これも環境関連用途だ。
ハクキンカイロについて
【2021.1.7追記】
ちょうどいい金とプラチナの価格差のチャートを見つけたので貼っておく。2011~2012年の逆転は一旦解消されたが、2015年から再度逆転し、価格差が拡大していったことがよく分かる。
出所:金相場・プラチナ相場の動向分析 Let's GOLD
https://lets-gold.net/chart_gallery/chart.php?chart=8
【2021.1.8追記】
残っていた純プラチナETF 19株を3,480円で売却した。利益は2.4万円ほどだが、利益率58%、年利換算72%と、12月に売却した時よりもさらに好成績となった。昨日、昨年来高値を更新していて、まだ上値はあると思っているが、元々短期を想定していたし、保有銘柄数整理の一環として売却した。先にも書いた通り、純プラチナ積立も継続しているので、今後の利益はそちらに期待している。
昨日追記したチャートのドル建てのプラチナ価格の推移を見ると、2017年以降、頭を押さえていた$1,000ちょっとの所を昨秋ブレークしている(円建てでは円高で遅れた)。単純にチャートを見れば、次は2016年の高値の$1,200手前が目処となる。しかし、金に対してのプラチナの出遅れ修正、燃料電池車等の需要拡大、ドルを始めとする通貨の過剰供給の継続を考えれば、さらなる上値も十分あり得ると考えている。