特定非営利活動法人精神医療サポートセンター

発達障害、統合失調症、アルコール依存症、ベンゾジアゼピン系薬剤の依存等々、精神科医療についての困りごとに対応いたします。

上半身裸で全力疾走

2007年07月21日 | 看護論的経営論
ある活動をするため、父親と自宅から大阪方面に向かっている途中、やたらと渋滞が目立った。

いつもは渋滞のすることのない場所であり、カーナビでもその情報は無い。なぜ渋滞が続くのかと思いながら、高速道路の大きな橋に差し掛かる。

少しずつ、移動する何かが目に見えてくる。近づくにつれ、それがはっきりとわかってきた。





人間である。




高速道路の路肩に人間が見えてきたのである。しかも移動している。特に、高速道路で人の姿を見ることはさほど珍しくないだろう。非常停車している車、あるいは道路公団の人など、色々見かけるので、何をしている人かと考えるのが普通であろう。

しかし、明らかにそれらの理由ではないという事がわかる現象を眼にした。


※上半身裸であるということである


しかも、その人は移動している。ただ移動しているのではなく、全力疾走しているのである。おまけに天候は雨。更に私の考えは深まる。

(少し脱線するが、あなたはこれを見て、または聞いて、どう思うだろうか。この気持ちをわすれず、後で自分自身を振り返っていただきたい。)

そのとき色々考えた。誰かと喧嘩をして、車から降ろされたのか、いや、短距離ではあるが何かの理由があり、どこかに移動しているのか。それらはどれも、雨の中上半身で全力疾走しているという条件下では、当てはまるはずも無く、おおよその見当がつくようになった。

上半身裸である上、何かの汚れも目立つ。ひたすら前を見て全力疾走し続けている。渋滞はその人を脇見するために起こっているものだったようだ。

私はすぐに110番をした。
警察は、「はい、何度か連絡をいただいております。今向かっております。御丁寧にありがとうございます。」となんども礼を言う。常識を知らない対応をとる警察官も少なくない中、不快感を得ることなく情報提供ができた。

よほどの理由がなければ、ほぼ精神科疾患により起こされた行動であったのだろうと判断がつくが、それよりも、その精神的負担・身体的負担を少しでも早く、その苦しみから開放してあげたかったというのが私の気持ちであった。

おそらくその後、救急体により搬送されたのだろう。
もうすこし早く発見できなかったのかと思ったりもしたが、通報の内容はともあれ、なんどか110番されていたということだったので、冷たいと言われる昨今の人間関係にも少しは安心することが出来た。

この話を聞いて、最初にあなたはどう思っただろうか。そして、終板に向かって読みすすめるにつれてあなたの気持ちはどう変わったか。私はそこを深く振り返っていただきたい。







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