伝授! 理系の就職

理系の就職は小手先の就職テクニックでは成就しない。在学中に専門能力と知的体力を高め、就職活動で自分の価値を極大化しよう!

Coffee Break[01] 日立のコマーシャルを見ました

2005年08月06日 | 就職

今日、日立の「世界不思議発見」を見ていたら、こんな宣伝がありました。

「つくろう」というシンプルなタイトルでしたが、「いいものを作り続けます」という、技術の日立らしいメッセージでした

ちょうど今日「日本は技術者で支えている」という記事を投稿したところだったので、なかなか感じるところがありました。

我々エンジニアの醍醐味はなんと言っても、苦労に苦労を重ねてやり遂げたときの感激です。理系を志した自分がこの世に生きた証です。

私も、DVD用の半導体レーザを実用化し、製品として出荷されたとき、凄く嬉しかったです。今はLSI開発の仕事に移りましたが、あと暫くすると、久々に感激の瞬間がやってきそうです。会社あげて新聞発表したり、記者取材を受けたりして、お祭り騒ぎになると思います


日立のお話をしたところで、松下のお話もちょっとだけしましょうか。

この会社は3年ほど前、相当危なかっです。何がって、経営の神様といわれる松下幸之助さんが、右肩上がりで大きくしてきた会社だったのですが、創業以来80年も経つと制度疲労が起きますよね

それを見事に再生させたのが今の社長の中村さんです。文系の営業出身の方のようですが、日本における製造業の重要さを説いておられます

その『松下再生』の生々しい記録を綴ったのが、この本です。一読をお勧めします。

冒頭の木は誰もが知っている「この木何の木、気になる木」です。日立製作所のHPの壁紙サイトから頂きました。

-03- 日本はエンジニアが支えている!

2005年08月06日 | 就職

それでは、日本では理系の人間は、もはや評価されないのでしょうか?商社が物流さえしていれば、日本は発展できるのでしょうか?

そんなことはありませんを見ましょう。これは2004年の日本の貿易収支です。全体としては941億ドルの黒字ですが、その黒字を支えているのは商品の輸出であることが分かります。サービス収支は300億ドル以上の赤字です。

つまり、原料や部品を輸入して完成品を輸出するというスタイルは戦後60年間、一貫して変わっていないのです。商社や金融は華々しいものの、依然として国際的には優位な立場にはありません。

ひとつ変わったことがありますね。それは知的財産です。原料は無いですが、頭脳という資産は今の日本に溢れています。IT産業やソフトウエア産業は、これからの日本の重要な輸出産業になるでしょう。

最近はメーカやIT産業に嫌気がさして、商社や証券会社に就職する理系学生も増えていますが、この表から分かる通り、日本を支えているのは依然として物とそれを活用するソフトウエアなのです。

「高付加価値の商品を世界中にお届けする」ことが、世界における日本の存在意義なのです。

大学生全体の2割しかいない理系学生。そう、あなた達一人一人が日本の将来の立役者なのです

-02- エンジニアの能力と給料 ~国別格差~

2005年08月06日 | 就職

社会人になると、給料を貰うようになります。当然、金額には個人差があります

つまり、あなたの価値は社会から評価されて決まります

友達や同僚よりも、給料多い方がいい!? そりゃそうです。 でも、外国と比べたことはありますか

上のグラフを見ましょう。日本の中堅技術者の月給を100とすると、韓国、台湾は40、中国、インドに至っては1桁台

10年前までは、この賃金格差は能力格差を反映していたでしょう。つまり、我々日本人エンジニアは中国やインド人エンジニアの10人分の生産性があったと思っても、余り間違いではありませんでした。

ところが、今はどうでしょうか。日本企業は、こぞって中国インドに開発拠点や研究所を作り始めました。理由は簡単。現地で優秀なエンジニアが半分以下の給料で雇えるからです

中国とインドでは優秀な学生はアメリカの大学で勉強し、4~5年アメリカ企業で経験を積んでから、母国に凱旋します。

10年前は韓国と台湾が同じようにアメリカ留学を推奨していました。その結果優れた能力とビジネス感覚を兼ね備えた若手技術者が激増しました。今これらの国の技術力が日本を脅かしている理由の一因はこれです

企業は10年前の痛い経験から、これらの国と競争するよりも、共存を図る方が賢いことを知りました。それに、中国とインドは、韓国、台湾と異なり、巨大市場としての魅力があります。ですから、現地で一貫して開発・製造・販売が出来ます。

とうわけで、今後も日本企業の外国でのエンジニア採用は拡大するのは間違いないところです。われわれエンジニアの採用市場はグローバル競争の時代に突入したのです

さあ、あなたは大丈夫ですか。中国やインドの優秀な学生の3人分以上の仕事が出来る自信がありますか?

-01- 就職するということ

2005年08月06日 | 就職
理工系学生の皆さん。

簡単に自己紹介。私は現在某超有名企業で最先端LSI開発の責任者をしてます。100人に近いエンジニアと毎年何十億円もの開発費をかけ、世界最先端の技術を量産技術まで仕上げています。学生時代に「半導体レーザを生涯の仕事としたい」と誓って今まで頑張ってきた自分には、半導体デバイスが一億個も集積される超LSIの開発責任者という立場は、身に余る光栄なことです。

さて、我々理系の人間は、小さい頃から人一倍頑張ってきました。難関大学に入り沢山の実験やレポートをこなし、「社会に出たら、世の中がもっと便利になるために頑張ろう」と思っている。 ・・・・これがわれわれ理系人間ですよね

では質問です。そこまで頑張ってきて、自分の能力を活かす仕事か見つかりましたか?自分のライフワークを見つけましたか

もう一つ。自分の能力をを最大限に表現する術は身につきましたか

残念ながら、日本の若手技術者には、この質問に胸を張って「はい」と言える人が少ない

胸を張れる人を増やしたい。そういう思いで、このブログを始めます。
現在のグローバル化した就職戦線と、その中に否応無く置かれている自分自身に早く気がついてください

このブログは就職が近い学生さんだけではなく、入学間もない方々にも是非一読頂きたいです。