山眠る子とのおしゃべりきりもなや
夜の雪の山道を運転しながら娘とおしゃべりをしていたのです。
「狸はどうしてるんだろ」
「冬眠でしょ」
「ああ、冬眠ね。あいつら冬眠か。
熊が出たら、どうする?」
「こわいね」
追いかけられたら、「逃げる?」と娘。
「ムリでしょう。足が速そうだもん。
いちかばちか、バックして猛スピードでブチあたってみる」
「お~、」と娘はいたく感心し、「おかあさん、冒険者」
「だってその方が、かすかな望みがある気がする」
「実際にそうなったら、そうはいかないでしょ?」
「でもね、もし・・・」
山は眠っているのに、娘と私は
仮想空間できりがないのです。
※ 山眠る 冬の季語
