ふう、やれやれまいったな。
せっかく外食しようと思ってフレンチのお店に電話してみるけど、
どこもお休みだね。まあこんな時期だからしょうがないんだけれど。
夕食どうしようか。
えっ、つくってくれるの?
やあ嬉しいな。何をつくってくれるんだろう。
(ナガオの彼女、冷蔵庫を探る)
どらどら、材料は何かちょっとだけのぞいてみよっと。
ふんふんまずネギだね。それから鷹の爪・・ん?フレンチじゃないな
まさか・・豆腐にニンニク・・
(頭を抱えて)・・麻婆豆腐・・
いや、君の得意料理だって重々承知さ。
でも確か一昨日も食べたよね・・ってああニンニク炒め始めちゃった。
何でこんなに繰り返し作るのかな。
どのくらい繰り返すのかっていうとね・・
郊外に砂浜の広がる海岸があってさ。
そこに打ち寄せる波のように繰り返すんだよ・・
・・・ん?どうしたんだい不満げな顔をしてさ。
話が短い?
だって君は僕の長い話があまり好きじゃなかったはずだろ・・
・・え?あなたは何もわかっていないだって?
なんだよ!!じゃあ僕はいったい・・
(バタン!)
(ナガオの彼女部屋を飛び出す)
・・ふう,やれやれまいったな。
なんだか僕たちうまくいっていないみたいだ。
どれくらいうまくいってないかっていうと・・
不定期連載「蚕は夜まゆを紡ぎ、カラスは昼巣をばらす」 つづく
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