小泉自民が圧勝 ? 本当に圧勝なのでしょうか?
9月11日投開票の衆院選挙は自民・公明の連立与党が三分の二以上の議席を獲得する圧勝、野党第一党の民主党が大敗という衝撃的な表現でマスコミは一斉に報じました。
県内投票率67.08%は前回を9.30ポイントも上回っており、小選挙区比例並立制度下では過去最高でした。葉山町全体では72.42%と、県全体を5.34ポイントも上回っており、関心の高さが伺えます。
町内各投票所別投票率(%)
第1 木古庭会館 69.19
第2 上山口会館 71.36
第3 下山口会館 71.31
第4 旧役場跡 71.36
第5 役場庁舎 74.24
第 6 光徳寺 71.60
第7 堀内会館 70.20
第8 長柄下町内会館 69.70
第9 長柄御霊神社 70.88
第10 葉桜児童館 77.26
小選挙区制度の怖さ
今回、自民党の得票率は57%で、民主党の43%に対し、圧勝と言うほどでは有りません。しかし、議席数では、民主の19%に対し、自民は実に81%という大差となりました。自民党が郵政民営化以外の重要な政策に対し、国民の真の願いに真摯に対応しなければ次ぎの総選挙で同じパターンの逆転もあり得ることと思います。
復活当選の怪 ???
地域で落選した候補者が、並立制で復活当選する今の方式はなかなか理解できません。
自民・公明の連立与党で三分の二以上の議席獲得の意味
小泉自民党は、この選挙の争点を「郵政民営化是か非かの国民投票」と謳い上げ、郵政民営化の実現により、他の全ての改革が約束されたようなイメージを作り上げることで、改革への期待票を獲得したと言われています。あるマスコミの論評では、「先行きに対する不安を抱く善良なる国民に対する完璧なまでのマインドコントロールの結果である」と述べておりました。私は、衆議院解散そして総選挙突入の時点で今回の解散に大いなる疑問を感じ、このブログでも意見を載せました(8月8日)。 有権者は4年間の議員の任期に何を期待するのか、そして、景気対策・年金問題・対アジア外交・米軍再編 ・北朝鮮拉致問題・自衛隊のイラク派遣・そして憲法改正問題など当面する多くの課題にどう立ち向かうのかを判断すべく望んだと思います。しかし、実際にはこれらの課題への対応は何ら示されることはありませんでした。
憲法改定発議を白紙委任
自公に三分の二以上の議席を与えたことは、憲法改定発議を「白紙委任」したことになります。
憲法を改定する場合、現在の日本国憲法第96条では、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、「憲法改定案」を国民に提案し、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする。と定められております。一般の法律改正には、衆参各議院において出席議員の過半数の賛成ですむことと比べると、憲法改定の重大性が伺えます。
衆議院のカーボンコピーに過ぎない参議院は無用!!
衆議院で可決の後、参議院で否決されても再度衆議院で三分の二の賛成があれば、その法案は成立するのが現在の仕組みです。この度の総選挙で自公与党が三分の二を確保したことにより、「良識の府」としてのクチェック機能は事実上働かなくなります。こうなれば、憲法を改正して参議院を無くし、一院制にすることで財政改革にも寄与すると思います。