MOONLIT STORY ~月夜の物語~

月明かりに照らされた惑星地球をテーマに星空の写真を撮り続けています。

アイスランド ハイランド編

2010-11-13 02:50:18 | アイスランド

ハイランドとは、アイスランドの内陸部の高地を意味し、おおむね標高300m以上の地帯を指す。
そこは火山と氷河の広がる無人の荒野だ。
道路は当然舗装されておらず、整地されていないので、最低でも4WDのSUVでないと、走行は無理。

海岸近くの生活道路であっても、ひとたびメインの道路から外れると、めったに車とすれ違うことはない。
ましてやオフシーズンのハイランドともなれば、トラぶっても助けはまず期待できない。
つまり、この時季にハイランドに一人で踏み入ることは、それなりの準備と覚悟が必要なのである。

願わくばハイランドを南北に縦断するルートを走りたかったのだが、この時季と私の車でそれをすることは自殺行為に等しい。なにせ、川を何度も渡るヘビーなコースだ。もちろん橋などない。川を渡るとは川の中を走って横断するという意味。
以前、日本人の学者が渡川に失敗して流されたことがあるそうだ。

今回、グーグルアースで眺めただけでもいかにもすごそうな場所の中で、そう奥地でもないところを目指してみることにした。
もし、車を捨てる羽目になったとしても、防寒着、寝袋、3日分の食料・水を担いで歩ける登山用のバックパックも用意した。
あくまでも天候や道路状況が許す範囲で、と言い聞かせながら。



ハイランドの入口。まだ道路は舗装されているが、まったく車とすれ違わない。




いよいよ本格的なハイランドへ。
道というよりわだちに近いが、想像していたよりはっきりとした道で一安心。山肌の苔が美しい。




そこらじゅう火山だらけ。まさに月面、SFの世界のよう。




目的地まであと10kmを切ったところで、川が現れた。事前の調べて2回渡らなければならないことはわかっていた。
水深を探ってみたところ、深いところではマフラーが水に浸かってしまいそうだ。
渡れるとは思うが、潔くここであきらめた。




夜まで時間がるので、3枚目の写真の右端の山へ登ってみた。




写真では大きく見えるかもしれないが、標高差110mだった。
思った通り山頂からの景色は絶景だ。日本人初登頂かも?




遠くから雨の壁が迫ってくるのが見えたので、大急ぎで山を降りたが、途中で捕まった。
風も10m/sを超え始めた。標高600mほどのため、寒い。
こんな過酷な環境でも、けなげに可憐な花が咲いている。




この地でもっとも撮りたかった光景がここ。
しかし、この夜晴れた時は既に月が沈み、撮影不可能。
北の空がなんだか少し明るい。もしかしてオーロラ?
オーロラとの初めての出会いは、正体がはっきりしないほど淡くて、感動も何もなかった。




これでハイランドを垣間見たい欲求の方は満たせたので引き上げた。
しかし、この光景を忘れられず、3日後に再びここを訪れた。
わずか3日で景色は一変。




雪景色の絶景。快晴になってきて、見渡す限り火山が連なっているのが見渡せる。




これは期待が持てるぞとわくわくしていたのだが・・・
日が沈むと共に雲が湧き始める。
高緯度のため薄明が2時間以上あり、すぐには星の写真は撮れない。
結局、月景は撮れたものの、撮りたかった光景は失敗に終わった。
ちなみにこの夜は気温-9℃まで下がった。
そして、二日間1台の車とも出合うことはなかった。

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