月夜の記憶

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バジリスク~甲賀忍法帖~第4巻

2011-02-19 | 感想
バジリスク第4巻の感想です。


第4巻は半年前の物語から始まります。
まだ伊賀と甲賀が不戦の約定を結んでいる、かりそめの平和であった頃。
伊賀と甲賀、それぞれの忍びたちは、その平和を楽しんでいるようです。特に緊張する朧のしゃっくりを止めようとする伊賀のみんなが微笑ましいですね。
朧が緊張する理由、それは弦之介とのお見合いを控えていたからでした。弦之介と朧の出会いは、これが最初だったのですね。(アニメではもっと幼い頃に出会っていた場面もありましたっけ?)

お見合いでドジっ子な朧の事を気にいる弦之介。伊賀と甲賀の平和をこの人となら一緒に作っていける、きっとそう思ったに違いないです。

すでに命を落としている蛍火と夜叉丸がこっそりとデートしていた場面もそうです。平和だった頃に戻りたい、そう思わせてくれました・・・。



場面は現在に戻り、弦之介達は朧の鷹を発見します。覆面で姿を隠しているのが弦之介である事はここではっきりわかりますね。朧の鷹を見て、朧の事を想う・・・それだけで弦之介である事が確信出来ます。
と言う事は弦之介に化けているのが左衛門。伊賀を騙すためにそのような策を使っているのでしょう。


朧の鷹を追う左衛門と陽炎。残された弦之介と豹馬の前に現れる天膳。
ここで初めて弦之介の目が塞がれている事を天膳は知ります。そういえば朧の目が塞がれている事は甲賀衆は知らないんですよね。
天膳は弦之介に「わしと朧様の祝言を見せつけられぬのが残念じゃ」と挑発しますが、豹馬の瞳術でまたも死ぬ事に。

弦之介は朧の鷹を気遣い、まだ朧の事を想っている事を仲間達に気付かれてしまいます。弦之介の想いもまた・・・簡単に消えるような想いではないのですね。


天膳に襲われた事を思い出し怯える朧は心を閉ざそうとしています。そして天膳の真の心が見えず迷う小四郎。左衛門は天膳の死を利用し自分が天膳に化ける事に。残された忍者達の戦いはまだ終わらない・・・。

小四郎は弦之介達と出くわします、そして小四郎と豹馬の一騎打ち。目の見えぬ小四郎に豹馬の術は効きません。目が見えないとは言え、純粋な戦闘力と言う事で見れば、小四郎が随一の使い手であると言う事は天膳も認めるほどです。小四郎は豹馬を打ち果たします。
豹馬の死の瞬間の記憶は、幼い弦之介と出会った時の事でした・・・。


そしてその小四郎も、陽炎と左衛門の手にかかります。朧を、姫様を失ったと思わされ、我を失う小四郎、それをなだめたのは朱絹になりすました二人の言葉。小四郎は朱絹の思いにこたえ、心を重ねたまま・・・そう思い込んだまま・・・陽炎の毒により息を引き取ります。


小四郎の死、豹馬の死骸を見つけるのは朧と朱絹、待ち伏せる陽炎と左衛門。この道で、一体何人命を落としていくのか・・・そう思った時、殺し合いを止めたのは朧の言葉でした。朧はまだ戦いたくないのです、でもその本心をこらえて朱絹を説得しようとします。
朱絹は天膳の不死について知っているようですが、甲賀の二人はその意味が理解出来ません。まだ・・・天膳は何かしてくる、バジリスクを読んでいて一番好きになれないのは天膳です。


そこに登場するのは阿福の籠行列。偶然にも伊賀側に命運を託した阿福と出会った朧と朱絹は、自分達が戦う理由を知る事になります。それを聞いていた左衛門と陽炎もまた、同じように理由を知り、それを弦之介に伝えます。

弦之介と朧、結ばれるはずだった二人が争わねばならない理由、果たして納得出来たでしょうか・・・。
朧は理由を知ったからこそ、そのような理由で伊賀と甲賀が戦う必要はないと感じたようです。大御所家康、そして半蔵を説得して、争いをやめる方法を考えようとしています。
弦之介はどう思ったでしょう・・・。
朱絹は小四郎の仇を取る事で頭が一杯です。阿福と同行する事になる朧と朱絹。


そして天膳は不思議な術でまたも蘇ります。

残った人数は伊賀、甲賀とも3人ずつ。

物語は最終巻へ。

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