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『巨人の星』、章の区切りと単行本の区切り

前の投稿;『巨人の星』原作KCと文庫とアニメ

KC3巻、文庫2巻で星一徹のへそ打法のあと、飛雄馬が小宮からエース番号1のユニフォームを譲ってもらったところで、原作では「地区予選開幕」の章に入る。これは都の予選をか勝ち抜いてKC3巻が終わり、KC4巻冒頭で青雲高校ナインが列車に乗り、甲子園球場についたところで「試合開始」の章に入る。
その後、KC4巻前半と文庫2巻後半では青雲高校が出場した甲子園大会前半戦を描き、愛知代表の尾張高校(アニメでは三河高校)との試合の途中で「おそるべきライバル」に移り、青雲が尾張高校を破って勝ち進み、左門豊作率いる熊本農林高校の対決を前にしたときで終わる。
飛雄馬は宿舎で左門との対決を夢に見て、それが左門の弟、妹たちによって身体の動きを封じられるようなものだった。

そのあとは文庫3巻に移るが、この巻に収録された「おそるべきライバル」は試合開始語4ページだけで、すぐに「なみだの投球」に移る。それなら、文庫3巻の初めから「なみだの投球」という章にしてもよさそうなものだ。

文庫3巻の途中、「優勝旗をかけて」で飛雄馬が決勝で花形に敗れ、一徹が飛雄馬に「不死鳥になれ」と語ったところでKC4巻が終わり、KC5巻の初めに続く。

KC5巻の終わりの「アウトかセーフか?」で飛雄馬が巨人入団テスト合格。ここで文庫の3巻も終わりになる。
KC6巻と文庫4巻の初めもテスト会場の場面だが、章はそこから「おれはやるぞ」に移っている。

KC6巻収録作品は文庫4巻にすべて含まれ、「初登板」の後半、67年の大晦日に一徹と明子が除夜の鐘を聴く場面でKC6巻は終わり。次に「新しい門出」で飛雄馬が初日の出を拝むとき、後ろで速水が爆睡している場面で7巻が始まる。

文庫4巻の末尾、「かたい決意」で自主トレのあとの巨人選手が台湾につき、列車で移動。文庫5巻は「台湾キャンプ」の章で始まる。金田からアドバイスを受けたあと、金田が帰国し、台湾に残った飛雄馬が感動して、グラウンドの白線引きを押して走りまくる場面でKC7巻が終わる。

KC8巻の末尾は飛雄馬が大LB1号を完成させ、伴がター坊に「おばけを見たんじゃ」と言って終わる。これは文庫5巻の途中で、次のページから「連敗脱出」の章に入る。

飛雄馬が大LB1号を王選手相手に披露し、公式戦で左門を相手に使ったところで、やっと次の「大リーグボールの正体」に入る。
この知らせを聴いた阪神の花形が記者団に「勝負をとおしてこたえる以外ありませんっ」と言って素振りをする場面で文庫5巻終了。これはKC9巻の途中。

KC9巻末尾から10巻初めまでは、自動車部品工場で花形が鉄球を鉄バットで打つ特訓をしている場面。これは前後が「血まみれのバット」に含まれるが、ここでの単行本の区切りは雑誌連載時の区切りと一致していたのであろう。

KC15巻の末尾は花形が村山実監督の自宅で消える魔球の正体を見抜き、左門もアパートで「100-80=20」の策に気づく場面。これで「危うし!消える魔球」の章が終わり、次の「飛雄馬のしごき」の章では星と伴が自主トレで投球練習をしている場面で、これがKC16巻の始まり。「100-80=20」の数式も登場する。
次に文庫9巻の終わりは星が伴をしごいたあと、牧場の誘いでライバルたちと後楽園で座談会。非公式の勝負となり、飛雄馬が敗北を痛感し、球場から去る場面。
「きのうの英雄きょうの敗者」であるが、これは文庫の10巻冒頭まで続く。

文庫9巻は消える魔球の誕生で始まり、その事実上の敗北で終わった。
野球漫画の魔球の中でもインパクトの強い大LB2号だが、まさに線香花火のように儚(はかな)い魔球であった。

KC16巻の末尾は「刺客志願」。
KC17巻の冒頭では花形が「黒い霧」の八百長に怒りをぶちまけるが、これは文庫では前の「刺客志願」の後半の話として組み込まれた。
アニメでは第150話「刺客志願」のあと、花形の怒りの叫びが第151話「対決、その前夜」として独立した話になっている。

KC18巻の最後は70年オールスターのうち、場所を大阪に移した試合。
大LB3号を投げた飛雄馬がベンチで倒れて終わり。
章の題名は「出た!大リーグボール3号」であるが、そのあと、KC19巻の冒頭では花形が明子をレストランに誘い、自分の過去を打ち明けている。
これは文庫11巻では「出た!大リーグボール3号」の後半部分に組み込まれている。
KC19巻の本編、漫画が描かれているページでは、最初の副題は「ある座談会」である。

アニメ本編では花形の過去編が割愛されていたが、『巨人の星【特別編】猛虎花形満』でアニメ化されたらしい。
また、原作で星がオールスターを舞台に3号を初披露していたとき、花形と明子がスタンドで観戦していたが、アニメではこれも省略。代わりにアニメでは最終回の対中日戦で花形と明子が並んで試合を観る場面が追加された。

なお、原作で花形は球宴のときの星飛雄馬の下手投げを「大リーグボール三号のきざし」と明子に言いながら、公式戦で対戦したとき(「血ぞめの大リーグボール3号」)は「星くん!お初にお目にかかる大リーグボール3号…いや、それらしきものをじっくりおがませてもらう」と心で行っており、どうも矛盾した男である。

ちなみに飛雄馬高校時代の「血ぞめの親指」と左腕プロ後期「血ぞめの大リーグボール3」では「血」のあとの「ぞめ」が両方とも平假名、二軍時代の「血染めの手で栄光をつかめ」では「血」のあとの「染」も漢字である。

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2008年10/7 10/9前後 10/13
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