エラン購入を決めたので、トラを手放すための書類を揃えた。
ここ数年はほとんど乗っていなかったとは言え
長い時間僕の側にあったクルマだ。
店の片隅に置いてある姿を、訪れる度に確認してしまう。
いろいろな所へ行ったし、沢山いじった。
車庫を占領し、週末はまだ暗い早朝から爆音をたてて走りに出かけ
家族には迷惑をかけたけど、ある時期、自分の一部のようだった。
最後に乗ったのは一昨年の秋だ。
まずボンネットを開けて
ファンネルだけのウェーバーに被せておいた埃よけのラップを外す。
オイルと水を確認してからシートに座り
右手でシフトレバーのニュートラルを確認する。
キーを回し、燃料ポンプを動かしてガソリンの漏れが無いか再度覗き込む。
それからダッシュパネルのスターターボタンを押す。
数えきれないくらい繰り返したそんな動作をしているうちに
もうすっかり体がクルマに馴染んでしまう。
1958年製なので、今年でちょうど50歳になるこのTR3。
ずっと大事にされていって欲しい。
ストックしてあるパーツも、近々お店に運ばなくては。
ウィンドウスクリーンや、オリジナルのスチールホイールといった
大物がまだ保管してある。