こんにちは。法務屋です。
以前、『起業家と格差社会。』(2007年1月18日)でも明記しましたが、企業の存在意義・使命・目的は価値を生み出すことにあります。
しかし、同時に昨今の環境の変化の早さに飲み込まれるように、新しい価値も非常に短いスパンで陳腐化していきます。
この環境変化に耐え、時代に対応できるだけの価値を生み出そうとすると、その価値の創造にとって最適で合理的な組織を構築するための変革が必要となります。
現代の環境変化は、変化の早さ、ふり幅、回数いずれも過去に比する暇もない程、深刻な影響をもたらすため、企業は各最小の組織単位まで自律的に変化する『自己変革型組織』への変革が最良の選択であると言われています。
つまり、既存の組織を、『自律的に変革する組織』にするための『変革』が必要であるということです。
この『自己変革型組織』の参考となる概念が経営学者であるピーター・M・センゲの有名な『ラーニング・オーガニゼーション(学習する組織)』です。
これは「人々が強い意欲を持ち、コミュニケーションの方法を学びながら、システマティックなアプローチによって、共通のビジョンの実現を目指すチーム組織」と定義されています。
現在の環境に適応し、将来の環境の変化に対応するという強靭さと柔軟性を併せ持った組織が肝要であり、目標に向かって進むのみの強靭さだけでは下手をすると堅牢さ故にポキっと折れてしまう可能性があります。
組織は目標に向かってより良い結果を得るための学習を繰り返すのみでなく、目標への学習を行いながらも、目標自体への疑問や学習の方法自体を変える…つまり行動パターンを変化させるという学習もまた必要となります。
これらの組織の学習プロセスは、既存の目標に向かって学習するものを『シングルループ・ラーニング』、既存の目標に向かって学習するも、同時に既存の目標や前提そのものも疑い時には変革するものを『ダブルループ・ラーニング』と言います。
そう、『学習』とは知識を得るだけではなく、最適な方向に向かうための変革をも意味し、変化に即応できる組織とは『ダブルループ・ラーニング』の考え方が必須となるということです。(組織心理学者『クリス・アージリス』参照)
センゲは、変化適応能力を継続して進化させているような組織をラーニング・オーガニゼーション(学習する組織)と名づけましたが、その実現要素としてこれまた有名な『5つのディシプリン(規律)』を挙げました。
これらの要素が『学習する組織』を目指すための方法論となります。
見てのとおり組織に規模が小さいほど習慣化し易いものが多いですが、これらの諸要素は一つ一つの実施だけでも意味ある効果を得ることができると考えられます。
さて、私の職務の一つとして制度構築があります。
この制度構築に取り掛かる場合、単に制度構築と一言で表現しても何かを作ればそれでいいというわけではなく、予め慣習化された組織風土(『組織風土。』(2006年10月28日)参照)がまるで参入障壁かの様に存在します。
その中には人的要因もあれば、仕組みの機能不全に起因していることものもありますが、複数の問題が多層構造をなしている場合がほとんどですので一朝一夕とはいきません。
既存組織の変革に取り掛かる場合、社会心理学者であるクルト・レビンはその手段として、下記の表にある①~③の各プロセスを提示しました。
当ブログの過去記事『組織風土。』は、言うなればこのプロセスの中の『①解凍』と『②移動』を述べたものであり、組織が“慣れ”と既得権益の喪失を恐れ変革に二の足を踏み現状に止まろうとする力『組織慣性力』とその打破について論じたものでした。
あくまで体系的な理論に対し具体的な持論を述べることで、我々、実務家はいかにそれを具現化させ、その結果をモデルケース(標準例)として誰もがトレース(追跡・複写)可能とできるかが使命の一つであり、組織風土改革について簡易で柔軟なフレームワーク(枠組み)とはどういうものかということを意識した記事でもありました。
これら、変革のための一連の過程で組織は、理念、経営目標、ビジョン、構成員の考え方などと共に変化していくことになります。
これが『自己変革型組織』への道の第一歩となるのです。
今、伝統の『管理する組織』は、逃れられない変化の波にのまれ陳腐化しようとしています。
あなたの所属する組織は見事、この波を乗り切っていくことができるでしょうか?
【Post script】
今日から字数を削って更に読みやすさを追求しています。
ずっと長さが気になっていたのです。
簡潔にまとめるために過去記事を持論として、そこから著名な理論を展開してみました。
これからも文章を更に削って行きましょう。
【参照】
『最強組織の法則』 ピーター・M・センゲ
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『法務屋経営大学院』
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