2011.3.11 14:46
あの日から9年…
ビルの10階にあったフロアで、PCのモニターやハードディスクが滑り落ちる中、パーテーションにつかまって、揺れが収まるのを待つ時間の長かったこと。
ミシミシとビルが軋む音
スタッフの悲鳴
鳴り響く緊急地震速報
非常階段の壁も所々剥がれていて、それでも黙々と…時に声をかけ合いながら避難。
地上に出ると冷たい霙混じりで、寒い。
隣りのホテルのロビーに身を寄せて、出勤スタッフが全員無事であることを確認しつつ、たまたま本社から出張で来ていた社員がモバイルで連絡を試みていた。
停電で信号は消え、道路は大渋滞…
歩道にはガラスや壁の破片が…
いつもは30〜40分の道のりを3時間かけて真っ暗な自宅へ帰宅。
幸いにも自宅は建っていたが、あらゆる家具が倒れ、部屋は足を踏み入れることすら困難な状況…
そんな中、母は耐熱式ストーブで湯を沸かし、鍋をかけ、夕食を準備してくれていたっけ。
暖房も使えないから、フリーズやセーターを着込み、ラジオから流れるニュースで震災の甚大さをようやく知る…
音の無い漆黒の夜
絶え間なく響く緊急地震速報
この時は、まだ自分と家族がとりあえず無事であったことで、これから数日は大変だぞって感覚だった。
電気が復旧してテレビの映像を見た瞬間、怖れとも絶望ともつかない愕然とした自分がいた…
今、自分の命があるのは、偶然の積み重ねでしかないのかもしれない。
どこかで偶然の分岐点が違う方に向いていたら、ビルが倒壊していたら…海沿いを訪れていたら…車が大破していたら…
震災発生時刻が近づくにつれ、あの時のことを思いながら、黙祷。
震災後、亡き父の命日に墓参した時、墓石が動いていて、菩提寺の本堂の方を向いていた。
寡黙で仕事一途の怖い父だったけど、未曾有の揺れの中で、母や家族の身を案じていたのかもしれない。
命は必然じゃない…
何かに守られて、
何かに導かれて、
独りで天に向かうまでの道のりを歩いている。
今、命あることに、感謝…
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