数えきれないくらい対応してきた“クレーム”…まぁ、どんなお仕事でもありますよね。
前職では、いわゆる“重クレーム”の対応が回ってくることもあって、数日同じお客様と、1〜2時間電話してた…のもありました。
よくクレーム対応の基本で、(時・人・場所を変える)って言うのがありますが、これはケースバイケース。これが功を奏す場合もありますが、まずは(初動)が大切。
お客様が怒っている=理由がある。
理由が何にせよ、怒っていることは事実なので、それを理解する姿勢を示すことが重要ですね。
よく、「マニュアル通りに話したら、突然キレられた」「無理難題を押し付けられた」etc…こっちには非がないからと、お客様を論破しようとするスタッフがいましたが、これはダメなんですよ。
逆に、ひたすら「すみません」って言い続けるのもダメです。
お客様の温度が上がってしまったら、まず、何が気分を害した原因かを察知しなければいけません。
当事者が直接言われる場合もありますし、「お前じゃ話にならん!上を出せ!」ってパターンもよくある。
どちらにしても、ここで“対応交代”になるわけですね。(人を変える)の状況です。
電話対応の場合、セオリーとしては「対応できる者から折り返し」。ここで少しでも時間の猶予がもらえれば、当事者から状況を聞いたり、対応音声を確認して原因を特定。こちらも対策や提案を持って次の対応に臨むわけです。
ただ、発火して「すぐに変われ!」っていう状況だと、もう“即時交代”になります。これはもうドキドキの極み…何回あたっても怖いものですよ。
お客様の名前やデータくらいは交代前にモニタで届くことが多いですが、交代してから対応中に刻々と送られるケースも少なくない。
こんな時は、まず自分がどういう立場の者かを伝えて、お客様に「不快な思いをさせた」お詫びをします。
ここでは、怒りの原因に対してではなく、あくまでも当事者の対応で完結に至らなかった事実についてのお詫びです。
この時点で、お客様の温度感がわかるので、次に切るカードは何が適切かを、思いっきり考えます。
怒涛の苦情を言い出されたら、ひたすら口を挟まずに傾聴しつつ、原因を探るしかありません。ここでちょっとでも対応を誤ると、収集がつかなくなりますね。話を聴きながら、送られてくるデータを確認しながら、メモを取りながら…って状態。
この時、PCで仕事をしているなら、絶対にキーボード音を出しちゃダメ!
「お前、なにカチャカチャやってんだ!話聞いてんのか!」と激昂したお客様を何人も見ています。
あくまでも、お客様のお話を真剣に聴いている(実際は色々やってても)状況で対応することが大切。
稀にですが、即時交代してみたら、怒ってなかった…っていうのもあります。「さっき対応した人、新人?話通じなかったんだけど」とか、単に口調が強い方だったとかね。
で…延々と不満を述べられるのを聴き、原因が見えたら、タイミングをみてこちらから切り出すんですが、ここでコツがあって、まず「今回、私どもに◯◯◯〜であったという点で、間違いございませんか」と、原因を言葉で明確化する。
それによって、“ちゃんと言いたいことが伝わったな”と理解できるし、こちらも“そこを解決すれば着地”って見えるわけです。さらに、後からお客様が過剰要求をしてくる場合もあるので、「先日こう仰っていましたよね」と言えるためにも、お怒りの原因を復唱しておきます。
着地点が判明したら、あとはこちらがどこまで歩み寄れるか…になるので、その場で提案できることなら丸めてしまいますし、自分の裁量で決められなければ、“持ち帰り”にします。
ここでも注意が必要で、お客様に「やってくれそう」的な期待を持たせる発言は避けます。特に金銭が絡む場合、割引くとか無料にするとかの要望には、安易な返事をしてしまうとダメですね。
お客様=自分の都合の良い方に考える傾向が強い
言った言わないの話になると、大抵企業側が不利になるものです。まぁ最近では“全通話録音”が多いので、録音確認すれば一発ですけど、「ネットやSNSに書くぞ」とか「裁判起こすぞ」って方も少なくない。
どっちも本当にやったお客様がいました…すごい執念だなぁと思いますけど、勝算はあまり無い気がします。
で…次の対応で、お客様とまた対峙するわけですが、私の場合、提案は何段階かに分けて用意して臨みます。
(これで収めたいな)→(ここまでならOK)→(最終手段)みたいな感じ。当然事前に根回ししますし、作戦立てるんですけど、今まで最終手段を使ったことはないかな。
時間とかシフトに合わせられれば、自分で二次対応しますし、お客様も「昨日お話をさせていただいた◯◯です」って言った方が話が早い。
この時は、余計な話をするより、提案を切り出すことが多いですね。まず「◯◯◯〜とさせていただきたい」とはっきり伝えて、その提案の根拠とかメリットを添える感じです。
今までの対応が上手くいっていれば、ほとんどは想定内で着地します!
レアなケースですが“決裂”着地しなければならない時もありました。一切の要求を拒否して、お客様から切ってもらえたら成功ってパターン。
ナンセンス・クレームとか、過剰要求の場合ですね。
こういう対応は、業務知識だけではなくて、メンタル強くないと乗り切れない。相手も揚げ足取ってきたり、一筋縄ではいかないので、片っ端から“論破”していく対応を余儀なくされます。
こうなったら、他の担当出せって言われても出しませんし、相手が「もういい!」って言うまで持久戦。負けたこと無いです…。
ずいぶん長々と書いちゃいました〜
対面接客の時のクレームだと、またちょっと変わってくるんですけど、次の機会にします(^^)
これって誰かの参考になるのかなぁ…
いや、きっと、もっと大変な対応している人がたくさんいるはず。
クレーム対応したお客様で、その後ご指名でご連絡いただくようになったり、リピート顧客になった方もいましたし、「あの時は酷いこと言って申し訳なかった。」って仰る方も少なくなかったので、楽しくは無いけど嫌いでも無かったかな…。
人と人ですから、感情や相性があって、お客様全員違う人間なんだもの、難しくて当たり前ですよね。