徒然なる桃龍の独り言

気ままに言魂放出します〜

太く短く…

2020-07-05 22:52:00 | 心💞
「太く短く生きたい」
亡き父が、母に言っていた言葉。

某大手広告代理店に勤めていた頃、路肩に停車した車の中でイビキをかいていると警察に通報があり、駆けつけた警察官が異常に気付いて救急搬送されましたが、そのまま病院で亡くなりました。

車で走行中にくも膜下出血を起こし、意識を失うまでのわずかな間に、路肩へ停車することで、事故を防いだのだろうと警察官が話していたそうです。

口数が少なく、厳格で、仕事一筋の父。

車が好きで、絵を描いて!というと、簡単な車の絵を描いてくれた父。

悪さをすれば、容赦なくゲンコツが飛んでくるし、妹と夜更かしをしていると、階下から大声で叱る父。

それでも、たまに寿司折や手土産を持って夜遅く帰宅して、寝ている私と妹を起こしたり、パチンコの景品のチョコレートを嬉しそうにくれた父。

家族で旅行に行った思い出も、休みの日はゴロ寝でテレビを観ている姿も、やはり父の在りし日。

父から直接聞いたことは無いけれど、私が結婚して親になった頃から、少しづつ母に父の足跡を聞くことになる。

父と母の馴れ初め…
学校を出てから、広告代理店で働くに至るまでの苦労…

決して裕福とは言えない家庭に生まれ育ち、他の兄弟が進学する中で、敢えて社会に出る決断をした青年の頃…

どんな想いで生きてきたのかな。

「太く短く生きたい」

今思えば、私が知る父は朝から夜まで仕事に忙しい、いわゆる“モーレツ・サラリーマン”で、家には寝に帰ってくるように見えた。

イクメンでもなければ、家事を母と分担するなんて光景もないし、寡黙に座っているだけで、【父の威厳】がそこにあった。

本当に一家の【主】として、父として、男として、46年を駆け抜けた生き方は言葉通りだったのかもしれない。

今日は父の命日で、奇しくも母の父の命日でもある。

生きていれば、父は87歳。
ガンコじぃじになっていただろう。


※菩提寺の境内に咲いた花※