●大国ロシア復活の野望
🔴【超大国の消滅】
30年前の12月8日、歴史の転換の舞台となったのはベラルーシのポーランド国境に近いベロベーシの深い森の中にある別荘。
エリツィン・ロシア、クラフチュク・ウクライナ両大統領とシュシュケビッチ・ベラルーシ最高会議議長のスラブ系3共和国首脳が、超大国・ソ連の消滅を宣言し、これに代わる緩やかな独立国家共同体(CIS)を結成する協定に署名した。
ソ連を構成する15の共和国が相次ぎ国家独立を宣言する中、ペレストロイカ(改革)でソ連延命を図ったゴルバチョフ大統領は敗北した。91年8月の保守派クーデターで求心力を失っていたゴルバチョフ氏は12月25日、テレビ演説で辞任を表明するしかなかった。
89年の冷戦終結から2年後。米国との核軍拡競争や資源価格の低下に疲弊し、民主化運動の波が押し寄せたソ連はあっけなく崩壊し、米ソ2極体制は終わりを告げた。米主導の西側は湾岸戦争にも勝利し「歴史の終わり」に酔った。
以降、旧ソ連圏は混迷の10年を迎える。
90年代前半の経済改革で新たに独立した国々ではハイパーインフレが起こり、国民生活は困窮を極めた。
ロシアではエリツィン大統領が権力闘争の末に最高会議(議会)ビルを戦車で砲撃した「モスクワ騒乱事件」も発生した。
性急な市場経済への転換と民主化は挫折を味わい、国民の生活と意識に深い傷痕を残す。
プーチン氏は後に、ソ連崩壊を「20世紀最大の地政学的大惨事」と呼び、多くの国民もソ連への郷愁に駆られるようになる。
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