宮城の作家希望

作品など

23、話す獣

2020-10-16 13:07:00 | 小説
『何を言っているんだ彼女にも手伝ってもらうんだ大聖女の教え子なら尚更だ』
ネガは怒鳴る様にエレガを説得した。

その時アカネは猫の後を追うミャーを追いかけて森の中に入っていた。
『あら、今まで平原だと思っていたのに森もあるのね』

『ミャーミャー』ミャーが呼びかけた。
見ると罠に掛かった大きい獣が動けずに佇んでいた。
アカネはすぐさま罠を外してやった。すると、
『ありがとう済まないねドジったよ』
何と獣が話しをしたのだ。

『あんたら巫女さんかい霊波が凄いね』
『霊波ですか?あなたは何故人間の言葉を話せるのですか?』
『そりゃワタシが神獣であんたらが巫女だからだべ。あんたらも罠に気い付けやな』
方言的な言葉遣いの神獣と名乗った獣は何処かに消え。2人はエレガの横で猫と遊んでいた。

『何話す獣、神獣だって』
『2人を巫女だと言ったのですか!しかも森ですか、私の作った空間はここだけです森など有りません問題が増えましたね』

『地上に戻って探すしかないなオレもこっちで探してみる』
ネガはそう言うとアカネの体から何かを抜いた。
『心配するな君達の記憶をサンプリングしただけだ』
『ネガには体がないので地上には行けない』
エレガが捕捉したがアカネには意味が通じていない。

アカネは不満げな表情を浮かべるばかりだった。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿