『困ったわね、ここはどこなの?』
紺色のブレザーを着込んだ、学生服の黒井アカネは叫んだ。
『お困りのお嬢さん手伝いますか!』
声をかけたのは仮面の魔術師エレガだった。
相変わらず表情の分からない卵顔で話しかけた。
『...』『その白い顔は何』
『ヘェー君は驚かないんだ私を見ても、私は魔術師のエレガ、君は黒井アカネか魔術師だからそっちの世界の言葉も分かるよ』
『何、別の世界?』
しばらくアカネは考えるのを放棄したのかポカンとした表情をしていた。が、そこに現れた恐竜的な魔物を何事も無く切り裂き駒肉にするのを見ると『スゴーイどうしたの』と興味を示して聞いてきた。
彼女の話によると向こうの世界で学校に行く途中で、』
『学校て何』
今度はエレガが興味を示した。
そんな会話を交わすうちに親密となった所でアカネが話しだした。
学校に行く途中で鬼の様な魔物が現れ、アカネもフラワーステッキを手に戦かおうとしたのだが体当たりされ杖を落とした瞬間ここに飛ばされた。と言う。
時空転移は祖神魔法と呼ばれる失われた魔法だった。
『そんなバカな何故、時空転移が』
『時空転移⁈心さんがよく叫んでいた様な』
『心さんだって君は大聖女様の知り合いなのか、かつてこの世界を救った女神と言うが私はあえて大聖女様と呼んでいる。そして女神を辞めてしまった事も知っている、だからこそなのだがアカネ君が受け継いだのか、そうかそうか』
エレガは納得したとばかりに頷いている。
そしてアカネの手を取ると
『さあ行こう大聖女様の元へ』
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