こんにちは。五十嵐です。夏ですね。
今回はそんな夏にぴったりの曲をご紹介しようと思います。
(以下動画の埋め込みが実際の記事に反映されないようでしたが、編集ページに行くと見られますので、お暇な方はどうぞ)
フランス・ギャルという歌手をご存じでしょうか。ご存じでない方が多いと思います。
でも、この歌に聞き覚えのある方は多いのではないでしょうか。烏龍茶のCMで使われていましたね。
アイドルという存在に批評的な、ものすごい歌ではなのですが、今回はここには触れません。
<iframe width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/hs22Smspn9w" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>
ちなみに本人が歌った日本語版もあります。翻訳ゼミのブログなので本当は二つのヴァージョンの歌詞の違いなどについて書かなくてはいけないのだと思いますが、それも今回はしません。
<iframe width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/b-RCdj1Bq8s" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>
さて、「フランス・ギャル」とは大きく出た芸名だな、という感じがしますが、ウィキペディアによれば「ギャル」の方は本名だそうで、イザベル・ジュヌヴィエーヴ・マリ・アンヌ・ギャル(Isabelle Geneviève Marie Anne Gall)というそうです。もちろん芸名の通りフランス生まれ。1965年にセルジュ・ゲンズブールが作詞作曲した上の「夢見るシャンソン人形」(原題の直訳だと「蝋人形、詰め物をした人形」らしいですが)で、全ヨーロッパ規模の歌謡曲コンテスト、ユーロヴィジョンで優勝して一躍世界で有名人になります。
ですが、このフランスギャル、詳しいことはよくわからないのですが、60年代末からドイツのデッカと契約して、オリジナルでドイツ語の歌を歌っているのです、フランス・ギャルなのに。
今回は、YouTube上にアップされている動画の中から、フランス・ギャルのドイツ語曲ベスト3を発表したいと思います。「曲の変さ」はもちろん「状況の変さ」も含めて評価しました。つまり、僕が面白いと思った動画を今から三つ紹介します。
第3位「ちょっとだけゲーテ、ちょっとだけナポレオン」(Ein bißchen Goethe, ein bißchen Bonaparte)
<iframe width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/p9g4Md_huII" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>
歌詞の内容は「ちょっとだけゲーテみたいに頭がよくて、そんでもってちょっとだけナポレオンみたいに情熱的、そんなボーイフレンドがいたらステキなのにな!」みたいな感じです。「わたし、名前はフランス・ギャルっていうんだけど、ドイツも好きよ」ということを分かりやすく打ち出していると言えるでしょう。多分ドイツのレコード大賞みたいな番組での歌唱で、奥に審査員がいるのでかわいい曲調にも関らず妙な緊張感があり、やたらとセットの規模が大きいのも加えて不思議に世紀末的な雰囲気が漂っています。あとの2つも違う年のこの番組での歌唱なので、この感じが好みでない方はここで読むのをやめていただいて結構です。
第2位「コンピューター3号」(Der Computer Nr. 3)
<iframe width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/Uf-n7YfRKqc" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>
「コンピューター3号、私にピッタリのボーイフレンドを見つけて!」みたいな歌詞です。この曲について書いている日本語のブログも何個かあるので、もしかしてその筋では有名なのかもしれませんが、この動画でもっとも注目すべきはコンピューター3号の声が挿入されるときに映る観客たちのなんとも言えない表情でしょう。1968年(クラフトワークがデビューする7年前)にはこの曲は斬新すぎたのか、それとも曲を聴くときはいつもこんな風なのか、ともかく、フランス・ギャルの良くも悪くも元気いっぱいの歌と踊りとのギャップが素晴らしいですね。
さて、いよいよ次は栄えある第1位です。
第1位「ようし、それじゃあピアノプレイヤーだ」(Dann schon eher der pianoplayer)
<iframe width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/-7Rbqw51EHI" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>
「楽器をやってる男の子は男の子どうしばっかりで仲良くして、私のことはぜんぜん構ってくれない。ようし、それじゃあ私はピアノプレイヤーになろう!」というようなことを歌っています。曲としてはとりたてて変なのは冒頭の甲高い女性コーラスくらいで、今までの2つに比べると普通なのですが、会場がまったく普通じゃありません。背景の一面に合成された紫の花畑と、大きく浮かび上がる遺影を思わせる白黒のフランス・ギャルの顔。僕が日本人だからそう思うのかもしれませんが、自分の盛大な葬式で歌っているようでもあります。そして曲が終わった後一瞬だけ映る客席の長いテーブルの異様さ。そして最後のアンコール(?)には背景一面にフランス・ギャルの遺影でびっしりと埋め尽くされるのです。もはや変とか変じゃないとかそういうことではなくなってしまっています。僕はこの動画をはじめて観たとき、「世界の終わりの光景だ」と思いました。
以上、フランス・ギャルのドイツ語曲ベスト3でした。ゼミのブログの記事がこんなことでよかったのか自信がありませんが、こういうことになりました。
最後に、松永先生にお許しをいただいたので、趣味というか、勉強というか、なんとなくで自分で書いた小説とかドイツ文学の掌編の翻訳とかをWeb上に挙げていることを宣伝して、この記事を終えたいと思います。
https://kakuyomu.jp/users/isoyama_en/works
ありがとうございました。
今回はそんな夏にぴったりの曲をご紹介しようと思います。
(以下動画の埋め込みが実際の記事に反映されないようでしたが、編集ページに行くと見られますので、お暇な方はどうぞ)
フランス・ギャルという歌手をご存じでしょうか。ご存じでない方が多いと思います。
でも、この歌に聞き覚えのある方は多いのではないでしょうか。烏龍茶のCMで使われていましたね。
アイドルという存在に批評的な、ものすごい歌ではなのですが、今回はここには触れません。
<iframe width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/hs22Smspn9w" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>
ちなみに本人が歌った日本語版もあります。翻訳ゼミのブログなので本当は二つのヴァージョンの歌詞の違いなどについて書かなくてはいけないのだと思いますが、それも今回はしません。
<iframe width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/b-RCdj1Bq8s" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>
さて、「フランス・ギャル」とは大きく出た芸名だな、という感じがしますが、ウィキペディアによれば「ギャル」の方は本名だそうで、イザベル・ジュヌヴィエーヴ・マリ・アンヌ・ギャル(Isabelle Geneviève Marie Anne Gall)というそうです。もちろん芸名の通りフランス生まれ。1965年にセルジュ・ゲンズブールが作詞作曲した上の「夢見るシャンソン人形」(原題の直訳だと「蝋人形、詰め物をした人形」らしいですが)で、全ヨーロッパ規模の歌謡曲コンテスト、ユーロヴィジョンで優勝して一躍世界で有名人になります。
ですが、このフランスギャル、詳しいことはよくわからないのですが、60年代末からドイツのデッカと契約して、オリジナルでドイツ語の歌を歌っているのです、フランス・ギャルなのに。
今回は、YouTube上にアップされている動画の中から、フランス・ギャルのドイツ語曲ベスト3を発表したいと思います。「曲の変さ」はもちろん「状況の変さ」も含めて評価しました。つまり、僕が面白いと思った動画を今から三つ紹介します。
第3位「ちょっとだけゲーテ、ちょっとだけナポレオン」(Ein bißchen Goethe, ein bißchen Bonaparte)
<iframe width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/p9g4Md_huII" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>
歌詞の内容は「ちょっとだけゲーテみたいに頭がよくて、そんでもってちょっとだけナポレオンみたいに情熱的、そんなボーイフレンドがいたらステキなのにな!」みたいな感じです。「わたし、名前はフランス・ギャルっていうんだけど、ドイツも好きよ」ということを分かりやすく打ち出していると言えるでしょう。多分ドイツのレコード大賞みたいな番組での歌唱で、奥に審査員がいるのでかわいい曲調にも関らず妙な緊張感があり、やたらとセットの規模が大きいのも加えて不思議に世紀末的な雰囲気が漂っています。あとの2つも違う年のこの番組での歌唱なので、この感じが好みでない方はここで読むのをやめていただいて結構です。
第2位「コンピューター3号」(Der Computer Nr. 3)
<iframe width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/Uf-n7YfRKqc" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>
「コンピューター3号、私にピッタリのボーイフレンドを見つけて!」みたいな歌詞です。この曲について書いている日本語のブログも何個かあるので、もしかしてその筋では有名なのかもしれませんが、この動画でもっとも注目すべきはコンピューター3号の声が挿入されるときに映る観客たちのなんとも言えない表情でしょう。1968年(クラフトワークがデビューする7年前)にはこの曲は斬新すぎたのか、それとも曲を聴くときはいつもこんな風なのか、ともかく、フランス・ギャルの良くも悪くも元気いっぱいの歌と踊りとのギャップが素晴らしいですね。
さて、いよいよ次は栄えある第1位です。
第1位「ようし、それじゃあピアノプレイヤーだ」(Dann schon eher der pianoplayer)
<iframe width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/-7Rbqw51EHI" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>
「楽器をやってる男の子は男の子どうしばっかりで仲良くして、私のことはぜんぜん構ってくれない。ようし、それじゃあ私はピアノプレイヤーになろう!」というようなことを歌っています。曲としてはとりたてて変なのは冒頭の甲高い女性コーラスくらいで、今までの2つに比べると普通なのですが、会場がまったく普通じゃありません。背景の一面に合成された紫の花畑と、大きく浮かび上がる遺影を思わせる白黒のフランス・ギャルの顔。僕が日本人だからそう思うのかもしれませんが、自分の盛大な葬式で歌っているようでもあります。そして曲が終わった後一瞬だけ映る客席の長いテーブルの異様さ。そして最後のアンコール(?)には背景一面にフランス・ギャルの遺影でびっしりと埋め尽くされるのです。もはや変とか変じゃないとかそういうことではなくなってしまっています。僕はこの動画をはじめて観たとき、「世界の終わりの光景だ」と思いました。
以上、フランス・ギャルのドイツ語曲ベスト3でした。ゼミのブログの記事がこんなことでよかったのか自信がありませんが、こういうことになりました。
最後に、松永先生にお許しをいただいたので、趣味というか、勉強というか、なんとなくで自分で書いた小説とかドイツ文学の掌編の翻訳とかをWeb上に挙げていることを宣伝して、この記事を終えたいと思います。
https://kakuyomu.jp/users/isoyama_en/works
ありがとうございました。