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翻訳実践・批評ゼミ

翻訳しつつ、翻訳について考える。 ――ゼミ活動記録

オレンジスライス?

2017年01月05日 | ブログ
こんにちは。更新が遅くなってしまいすみませんでした。村井です。
みなさんはどのような年末年始をお過ごしになったでしょうか。
僕は気になっていた映画を存分に見て、楽しい毎日を過ごせました。
今回の記事のネタはその映画の翻訳の話です。


先日僕が見ていたアクション映画で、登場人物の男が大活躍をして疲労困憊で倒れ込んだシーン。
吹き替えのセリフに「誰かオレンジスライス持ってない?」というものがありました。
はてオレンジスライスとはなんだろうと思い字幕でそのセリフを見ると「だれかサプリ持ってない?」
なんとか英語の方を聞き取ってみると"Does anybody have any orange slice?"
結局よくわかりません。

仕方がないので「orange slice supplement」で画像検索をすると、どうやらオレンジスライスとはサプリメントの商品名だったようです。
googleってやっぱりすごい、というのはさておき、この場合、字幕と吹き替え、一般的により良いと言えるのはどちらの翻訳だったのでしょうか。

最初からサプリだと言ってくれれば画像検索までせずとも納得して映画を見ていたはずです。
しかしこの台詞を発した人物は別に健康オタクではないので、突然サプリを要求するのにも違和感があります。おそらく「オレンジスライス」がアメリカでは有名商品だったから、冗談めいて彼はこの台詞を発したのではないでしょうか。
いっそのこと「誰かオロナミンC持ってる?」くらいやってしまったほうが面白かったかも、と学生風情が生意気にも思ったりもします。(別の問題が発生しそうですが…)

ここまで語っておいてなんですが、きっとこの問題には正解はないのだと思います。
今後オレンジスライスが日本で大流行したり、サプリメントを摂ることがより一般的になって状況が変わってしまうことだって考えられます。
今この記事をお読みになっているみなさんだったら、どのように訳したでしょうか?
難しい問題ですが、その中でこうしてあれこれ考えたり、オレンジスライスという商品について知ることができたり、思わぬ発見が楽しいものだったりします。

ただ吹き替えを聞いたり字幕を読むだけでなく、こうして翻訳されたモノに待ったをかけられる姿勢が持てたことは、翻訳を学んで良かったことの一つです。
今後は翻訳とは関わりのない生活になりそうですが、こうして得られたものはいろいろな形で自分の思考の下敷きになっているのだと思うと、なんとなく得をした気持ちになりました。




さて、問題のセリフがあったこの映画のタイトルは『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』。サプライズで登場したアントマンというヒーローのセリフでした。
シビル・ウォーは、マーベルという会社から出版されたアメコミのヒーローたちが集結して戦う一大アクション・ムービー。
アイアンマンやキャプテン・アメリカの前作などを見ておくとより楽しめますが、これだけでも十分面白い名作です。
『アントマン』も単体映画として公開され、レンタルも始まっています。
両方共とても面白い映画なのでぜひ見てみてください。
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